パフォーマンスナビ活用でビジネススキルを育成。激変する社会で揺らがない「軸」を養う研修プログラム
種苗・園芸・造園事業を展開する横浜植木株式会社は、植物の領域から消費者の食卓を支え、プランターを彩り、地域の緑化に貢献している企業です。創業から130年という長い伝統を持つ同社は、社会環境が激変する中、社員研修の内容を刷新。その一環として、人と組織の成長プラットフォーム「パフォーマンスナビ」を導入しています。
今回は、「パフォーマンスナビ」導入のきっかけや導入後の成果などを、代表取締役会長の渡邊秀一様と管理部主席の藤井鏡二様にお伺いしました。
代表取締役会長 渡邊秀一様
―2021年から「パフォーマンスナビ」を導入されました。その背景についてお聞かせください。
渡邊様:横浜植木は、研究技術に携わる社員、国内外の営業を担う社員、造園の現場を担う社員がそれぞれの分野で活躍しています。
当社のビジネスは第一次産業と深く密接しており、これまでの社員研修と言えば、現場で必要な専門知識やスキルがメインでした。しかし近年、社会は目まぐるしく変化しています。法令順守や環境への配慮など、企業の社会的責任も強く求められるようになってきました。
そんな中、世の中の規範やエンドユーザーの変化について、詳しく学ぶ機会が不足しているという危機感を抱きました。また、若手社員の成長をサポートするためには、マネジメント層の管理能力やコーチングスキルなどが必要ですが、その手法が個人の勘所に委ねられていることも気にかかっていました。
一般的なビジネススキルや商業的な知識を、配属部署に関わらず全社員に学んで欲しいと思い、2020年に社員研修・教育制度の再構築に取り組みはじめました。
管理部主席 藤井鏡二様
―社員研修制度はどのようにアップデートしていったのでしょうか。
藤井様: 2年前に、マネジメント層に対する「1on1」研修を半年間かけ実施し、新入社員へのメンター制度の導入など、複数の取り組みを開始しました。
メンター制度をより効果的に運用するために、パーソル総合研究所の映像教材プログラム「MENTORING to GROWTH(メンタリング トゥ グロウス)」も活用しました。
8回の講座を受講すると、コミュニケーションの内容が深まっていくように構成されており、大変よかったです。
さらに、階層別の研修制度を構築しようと導入したのが、「パフォーマンスナビ」だったのです。
「パフォーマンスナビ」は、生配信のライブ型研修と、学びたいと思ったときにいつでも学ぶことができるオンデマンド型研修があり、使い勝手がよく、講座数が豊富な点が魅力だと感じています。
―「パフォーマンス」ナビ導入後、どのように活用されたのでしょうか?
藤井様:2年前に導入して以来、第1期40名、第2期40名が「パフォーマンスナビ」を利用しました。1期目は、階層別に適したプログラムを1人につき3講座ほど人事部で選び、受講後にレポートを提出してもらう、という形をとりました
1期目の受講率が非常に高かったので、2期目は人事部がプログラムを決めるのではなく、ある程度、個人の自主性に任せる方針にシフトしてみました。
受講プログラムの内容や受講状況をについて、人事がどこまで管理をするのか、社員にとって、どのような研修体系が最適なのかは、これからも模索していきたいと考えています。
―「パフォーマンスナビ」の導入後、社内に変化はありましたか?
渡邊様:当社では、若手社員を含め、複数の社員が新入社員研修を担当します。「パフォーマンスナビ」でビジネスメソッドを積極的に学んでいる若手社員の提案で、今年は研修メニューに「営業のロールプレイング」を取り入れました。
さらに、これがきっかけとなり、「先輩たちの営業手法を見てみたい」という声も上がっています。1つの学びを起点に、組織が活性化していくのは望ましいことだと感じています。
―「パフォーマンスナビ」に対する社員の皆様の反響はいかがでしょうか。
渡邊様:受講した社員からは、「学ぶ機会を得ることができてよかった」という声が聞かれます。理想論かもしれませんが、学びに関しては結果を急ぐべきではないですし、上から命じて勉強させるのはなく、主体的に学ぶ仕組みや機運を醸成することが大切です。
いい仕事をするためには、学ばなければならない。誰もがどこかの時点で、このことに気づくはずです。学びの文化を広げていくためには、社内の機運も必要です。そのステージに到達するまでにはある程度時間がかかるでしょうが、これからも、内発的な学びの意欲が生まれる環境を整えていきたいと思います。
―今まで受けた研修で、印象に残っている内容をお聞かせください
受講者様:現在は入社3年目です。新人研修、カタログの作成、生産管理など、幅広い業務に携わっています。
2022年10月から「パフォーマンスナビ」を活用し、Word、Excel、Power Pointの基本的な操作方法や、ビジネスで役立つ機能や使い方を学び、書類や資料作りに役立てています。
特に業務に役立っているのが、ライブ型研修の「タイムマネジメント研修」です。仕事の進め方や時間のマネジメント方法、複数のタスクにどう優先順位をつけ、どう時間を使うべきかを学びました。講座で得た知識を日常業務の中で実践し、時間をうまくやりくりすることで、「学ぶ」時間も創出できています。
ライブ型研修の「論理的思考力研修」も印象に残っています。研修の中で、他の受講者とペアを組んで、1対1での討議もあり、他社の方とコミュニケーションを取ることでとても良い刺激を受けましたし、思考のヒントを得ることもできました。
私が受けて良かったと思う講座の内容を、担当している新人研修の中に組み込んでいます。自分が修得したことを周りの人に受け継ぎながら、これからも学び続けていきたいと思います。
―関心のある講座、今後受けてみたい講座はありますか?
受講者様:これまでは社会人として基本的なことを学んできたので、今後は一歩進んで、マーケティングやマネジメントのような講座も受講してみたいです。学びを深めることで、入社3年目の私に見えている「現在のステージ」の一歩先を知ることでき、物の見方が変わったり、キャリアプランを描きやすくなったりするのではないかと考えています。
また、プレゼン資料の作り方やプレゼン手法などを包括的に網羅している講座があれば、ぜひ受けてみたいと思います。
―再び、渡邊様・藤井様に伺います。御社の今後の社員教育の方針についてお聞かせください。
藤井様:当社は今、研修制度や人事評価制度をアップデートしている最中にあります。
横浜植木にとって目指すべき人物像について、ある程度、定義づけをする必要があるのではないかという思いと、型を作りこみすぎると画一的になってしまうのではないかという懸念があり、そのバランスが難しいと感じています。おそらく、多くの人事担当者が直面している課題でしょう。
当社は「パフォーマンスナビ」を導入して2期目ですが、マネージャー層の協力を得ながら、現場で学びの機会を促進するなど、当社に合ったやり方を見出していきたいと思います。
渡邊様:当社は、国際的な課題となっている「持続可能な開発目標(SDGs)」と密接したビジネスを展開しており、地域でもさまざまな取り組みを行っています。
社会貢献していることを社員が実感できる会社を目指すと同時に、企業としてビジネスを成長させていかなければなりません。そのためには、社員が社会環境の変化やビジネスの仕組みを学び、個性を磨くような研修が必要となっていくでしょう。
学びの1つの手段として、「パフォーマンスナビ」の豊富なメニューの中から主体的に学ぶ時間を持ち続けてほしいですし、私たちはそのための環境を整えていきたいと思います。
トライ&エラーを重ねながら、「振り返ってみると、あの頃がターニングポイントだった」と実感できればいいなと思っています。
(ライター:北川和子 編集:坂口弥生)
取材日:2023年10月 所属・役職は取材当時のものです。
業種:製造業
従業員数:167名(2023年4月末時点)
https://www.yokohamaueki.co.jp/
1891年に横浜で創立した横浜植木株式会社は、育種・造園工事・指定管理など多岐にわたる事業を手がける総合園芸会社で、2021年に創立130周年を迎えた。北海道支店、九州営業所、南九州出張所のほか、静岡県菊川に研究農場を持つ。明治時代には既に海外進出を果たし、2018年には海外現地法人も創立。創業時から一貫し、グローバルに事業を展開している。