厳しいインフレ環境のなかでも、より地域に密着した「CS・ES推進企業」へ。エンゲージメントナビを軸として、現場の職場長とともに組織の「ありたい姿」に向けた組織変革を推進

あなぶきグループ様

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あなぶきグループ  執行役員 グループ統括部 CS/ES・CSR推進主担当 兼 人材開発担当 
穴吹興産株式会社 執行役員 デジタルマーケティング推進部 部長 兼 広告宣伝部 部長 兼 CSES 推進室 室長
新田 守 様
あなぶきグループは1964年の穴吹興産(株)設立に端を発し、現在では52社からなる企業グループにまで成長しています。「住まい創りや不動産価値創造事業を通じて、地域社会の文化と歴史の創造に貢献する」を使命として、“知”域で生み出す“わくわく感”をとどける取り組みを展開しています。

エンゲージメントを測ることで、グループの問題・課題を可視化

――2017年から隔年でパーソル総合研究所の組織サーベイを継続的にご実施いただいている背景を教えてください。

新田氏(以下、敬称略) 不動産事業を中心として地域に密着した様々な事業展開を行ってきたあなぶきグループですが、インフレなどの厳しい市場環境のなかで事業内エリアのシェアを確保していくための基本路線のひとつとして、「CS・ES推進企業」を掲げています。2017年から継続的にパーソル総合研究所の組織サーベイをあなぶきグループ全体で実施することで、各社の強みや問題を同じ指標で測定し可視化するなど、グループ内の格差是正・人事交流に役立て、グループ全体の底上げにもつなげてきました。


――今回弊社からのご提案で新しくリリースしたエンゲージメントナビに組織サーベイの内容をご変更いただきましたが、これまでの組織サーベイとはどのような違いをお感じでしょうか?

新田 エンゲージメントナビは16のエンゲージメント因子がエンゲージメント3要素に影響を与えるモデル(図1)となっていますよね。特に、そのなかでもどのエンゲージメント因子がどのエンゲージメント要素に影響を与えるのかまでが明確に示されているので、グループ全体・各社の強みや問題がよりはっきりとわかり、一目で理解できるようになりました。これまでよりも課題が明確に絞り込めるようになったことで、人や組織に関する判断をより一層精確にできるようになりました。

図1:エンゲージメント3要素と影響を与える16因子

図1:エンゲージメント3要素と影響を与える16因子

――今回のお取組みを進めるうえで、特にどのような点を重視したり工夫したりされましたか?

新田 グループ会社を横並びにして、同じ観点から比較する分析をご依頼することにしました。各グループ会社は業種が違っていても本来ならば同じ価値観を共有しているはずですが、この分析によって「組織への愛着」やそれに影響を与えるいくつかの因子においては大きな格差がある、ということを明らかにすることができました。

「組織への愛着」の改善を目指し、グループ全体と各職場の両輪で取り組みを推進

――エンゲージメントナビのサーベイ結果を受けて、あなぶきグループ全体として今後どのような取組みを進めていくお考えでしょうか?

新田 エンゲージメントナビのサーベイ結果から、「ビジョンの浸透」、「将来にわたる強み」、「経営層への信頼」など、「組織への愛着」に影響する因子が問題として表面化しました。さらに若手の世代では、その問題がさらに大きくなることもわかりました。
そこで、その是正のためにあなぶきグループ代表・穴吹忠嗣が自ら各社経営陣に「穴吹塾」を開催するという取り組みをはじめました。各社経営陣に対してグループの経営理念・ミッション・バリューを含めた再教育を実施し、その上でその各社経営陣がそれらを従業員に伝える「伝道師」の役割を担うことを期待しています。若手をはじめとした全世代の従業員に対して、グループの経営理念・ミッション・バリューが浸透するような取組みを今後も継続していく予定です。


――エンゲージメントナビのサーベイ結果を受けて、現場の職場長に向けた職場づくりのためのワークショップもご支援させていただきました。ワークショップを受けて、参加者が変化した点は見られましたか? 

新田 まだワークショップを実施してから日が浅いので、目に見えるようなはっきりした変化は見受けられませんが、まずはワークショップで参加者が論理的な考え方を学べたことを成果と考えております。
それまでは、日頃の感覚や経験のみに基づいて従業員エンゲージメントの向上に取り組むものだと思いこんでいる職場長が多くいたことも否めないなか、わかりやすく職場の状況が数値化されたサーベイの結果にもとづいたワークショップを受けたことで、職場長たちも認識が変わってきたのではないかと思います。少なくとも、これからは本気で取り組まなければ、他のグループ会社から遅れをとるという緊張感は生まれているようです。これから、各職場でエンゲージメント向上のための具体策を実行していく予定です。2年後に再びエンゲージメントナビのサーベイを行う予定ですが、その時に取り組みの成果が数値にも現れるよう、我々もグループ全体の取り組みと併せて、職場長たちの取り組みを後押ししていきたいと思っております。


――これからエンゲージメントナビなどのサーベイを軸とした組織変革に取り組まれる皆様に向けて、何かメッセージがあればいただけますでしょうか?

新田 エンゲージメントナビは、組織の強みや問題がわかりやすく可視化でき、また課題が精確に絞り込めるので、各種の対策検討に役立つと思います。とりわけ、調査して終わりというやりっぱなしの形ではなく、調査に続くワークショップを行うことで、現場の職場長自身の主体的行動につながる後押しもしていただける点がとても有効でした。こういった調査やそれに続くワークショップを活用して、ぜひ組織の将来の「ありたい姿」の実現につなげてください。

取材日:2023年12月6日
所属・役職は取材当時のものです。

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