環境変化に適応し、パフォーマンスを高め続けるために必要な「チーム全体への働きかけ」を学ぶ
変化の激しい昨今のビジネス環境においては、個々人が自律的に働くだけでなく、チームで協働しながら変化に適応し成果を創出し続けることが求められています。しかし、チームのメンバーが質の高い協働を行うように促すことは、リーダーにとって決して容易ではありません。さらに、時間や場所に柔軟な働き方によってうまれる物理的・心理的な距離、また専門性・世代・仕事に対する価値観の違いに起因するメンバーの多様性は、相互の理解や信頼、創造性の発揮など、効果的なチームづくりを難しくしています。
本プログラムでは、チームとして変化に適応し、パフォーマンスを高め続けるために、リーダーからチーム全体に対してチームワークを引き出す効果的な働きかけを学び、実際の職場のチームで実践する具体的な行動計画を立案します。
働く場所や時間など働き方の選択肢が増え、個人の自律的な働き方が進む今、チームには何が求められるでしょうか。本プログラムでは、「チーム力」を「環境や課題の変化に適応しながら、成果に直結させることができるチームレベルの能力」※と定義しています。産業・組織心理学が専門の九州大学大学院 池田浩准教授との共同開発により、グループ・ダイナミックス(集団心理学)の理論に基づいて、チームのメンバーがチームとしての目標達成に向けて互いに刺激し合い、協力や連携を行うチームづくりに必要なリーダー行動を学びます。
※池田 浩・古川久敬 (2009). 組織における「チーム力」:課題の変化と成果を意識したチーム能力の概念化と測定尺度の開発 産業・組織心理学会第 25回大会発表論文集, pp.139-142.
仕事の期間や規模の大きさにかかわらず様々な場面で活用できるように、業務やプロジェクトなどのチーム活動を「着手」「中途」「結果・完了」の3つのステップで整理し、各ステップで必要なリーダー行動を明文化。チームの立ち上げ、チームビルディングなど、「着手」の部分に偏りがちなリーダーの視野を広げ、「途中の状況や変化に対応する」「結果から得たチームとしての学びを次に活かす」といったプロセス全体におけるチームへの働きかけを網羅的に学びます。
研修では、オフィスワークとリモートワークが混在するハイブリッド環境下のチームで起こり得る状況を描写した動画やケーススタディを活用します。他の受講者の多様な考えに触れるグループディスカッションなどを通して、実際の職場でチームにどのように働きかけるべきかを考え、具体的な行動計画に落とし込んでいきます。
集合研修(6時間) ※2日間に分けて 実施することも可能 |
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九州大学大学院 人間環境学研究院 准教授
池田 浩 (いけだ ひろし)
専門は、産業・組織心理学、社会心理学。組織における効果的なマネジメントとして、部下を支援するサーバント・リーダーシップやワークモチベーションなどに関する研究成果多数。産業・組織心理学会会長。主な著書「モチベーションに火をつける働き方の心理学」 日本法令(2021)、「チーム・ダイナミックスの行動科学:組織の生産性・安全性・創造性を高める鍵はどこにあるのか」 分担執筆 ナカニシヤ出版(2024)、「〈先取り志向〉の組織心理学:プロアクティブ行動と組織」 分担執筆 有斐閣(2012)など。連載 日本経済新聞 やさしい経済学「働き方の変化とモチベーション」(2019)、生産性新聞「産業・組織心理学から紐解くテレワーク時代のマネジメント」(2021)