ものの見方や考え方の枠組みを拡げ、自己主導の先を目指す
リーダーシップの基本を習得したミドル世代の「ものの見方や考え方の枠組み」を広げ進化させるプログラムです。
パーソル総合研究所が、35歳~54歳のミドル世代の企業人を対象にしたアンケートでは、「この先3年間に、自分の見方や考え方を変えなければ対応できない仕事が出てくる」という認識が46%にのぼりました。過去3年間に比べ1割増えており、「仕事の進め方や時間の使い方の変化」は過去3年・この先3年の傾向が大きく変わらないのとは対照的な結果です。社内外の絶え間ない環境変化、多様な価値を取り入れるイノベーションの必要性など、さまざまな背景のもとに「見方や考え方を固定化していては対応できない」という認識を持つ人が増えています。
成人発達理論とは、「人の知性や能力は、一生をかけて発達を遂げる」という前提のもとに、その発達メカニズムやプロセスを研究する分野です。ここでいう発達とは「知識やスキルを増やす」ことではなく「ものの見方や考え方の枠組みが広がる」ことを指します。成人発達理論に照らし合わせると、多くのミドル世代は、他者の基準に依存することなく、自らの意思を打ち出せる基軸を持っている強みがあります。そしてその限界は、自分にとっては当たり前自己の価値基軸に囚われて、異なる価値観の受け入れが困難なことです。ミドル世代の発達課題は、行動を規定する自己の「見方や考え方の枠組み」に気づき、自分と他者を捉える世界観を広げることです。 そのことにより、自己と他者が相互に持続的な発達を支援し合う関係性を実現することができます。
知性発達科学者 加藤 洋平氏
知性発達科学者。前職の経営コンサルタントとしての経験と発達科学の最新の方法論によって、企業経営者、次世代リーダーの人財育成を支援する人財開発コンサルタント。現在、オランダのフローニンゲン大学に在籍し、複雑性科学と発達科学の枠組みを活用した成人発達と成人学習の研究に従事。パーソル総合研究所 リーダーシップ開発プログラム「リードマイチャレンジ」、「リードマイトランジション」監修
<監修に寄せて>
本プログラムは、成長への停滞感を感じているミドル世一人一人代、共創を実現させるリーダーシップを発揮することを志すミドル世代のためにあります。企業を取り巻く状況の複雑性と多様性は、日ごとに増加しています。そうした環境特性に加え、 本プログラムの開発に先立って行われたアンケート調査でも明らかになっているように、適切に変化を遂げることができず、成長に足踏みをしているミドル世代が多いことがわかります。
適切な自己理解とトランジションに向けた準備がなければ、さらなる成長を実現していくことはできません。それを踏まえて本プログラムでは、まず最初に、成人発達理論の枠組みを通じて、プログラムの受講者の一人ひとりが、自分の現在の発達段階を理解し、次の発達段階に向かっていくための準備をしていくことに焦点を当てています。ミドル世代の抱える課題は複雑であり、成長を妨げている要因も複雑であるため、そうした課題と要因を丁寧に紐解いていくことを支援するのが、本プログラムの次のステップになります。
本プログラムは、自分自身をより深く知り、さらなる成長に向けてのきっかけを提供するのみならず、内省やジャーナリングの実践を習慣化させることにより、プログラム後も継続的に成長を遂げていただける内容になっています。このプログラムが、ミドル世代の活性化をもたらし、個人と組織の持続的な成長につながることを期待しています。