営業革新成功事例(3)

営業マネジメントを強化し、市場拡大のための営業力基盤を構築

営業マネジメントの強化を図る。

業種:医療機器

エリア

全国

対象人数

約50人

準備期間

3ヶ月

実施期間

1年

研修実施回数

4回

課題と解決策

お客様が認識していた課題の整理

  • マーケットにおいて、他メーカーと明らかに差別化できる機能を備えた新製品上市を控え、一時的に大きなマーケットシェアが期待できるが、そのシェアを中長期的に維持拡大していくための営業力を強化する必要性を感じている。

  • 営業マネジャー・営業パーソンそれぞれに求められる能力や基準が明確化できていない。

  • 営業パーソンの新製品やその市場に関する知識の不足、および営業マネジャーのマネジメント力が不足している。

営業マネジメントの徹底によくある課題と解決策

課題

営業パーソンが個々のやり方で営業活動を行うため、戦略を提示してもなかなか浸透しない。

解決策

営業マネジャーに求められるコンピテンシー(資質や行動)を明確化する。

課題

営業パーソンとしての成功体験に囚われるあまり、マネジャーとしての行動がとれていない。

解決策

営業マネジャーにアセスメントを実施し、自己理解を深め、自身の癖を把握させる。

課題

新商品の展開を新たな作戦で実行したいが、既存のやり方からなかなか抜けられない。

解決策

新たな作戦に必要な知識とスキルを高度に標準化し、環境変化への適応能力を高める。

課題

マネジメントの強化が掛け声だけで終わり、行動変容まで至らない。

解決策

研修受講後、個別コーチングで現場実践をフォローし、再アセスメントを行う。

実施内容

ご提案の要点

コンピテンシーの明確化とアセスメントによる啓発

  • 高業績者へのインタビューなどを参考に、営業に求められる独自のコンピテンシーを明確化する。

  • 営業マネジャーに客観的な結果からフィードバックを行い、自己の強みと啓発点について理解を深める。

知識のインプットと営業スキルの高度化

  • 新製品販売に必須の周辺知識をインプットする。

  • 新製品採用に向けた顧客戦略立案のスキルを高度に標準化し、さらにKOL(キーオピニオンリーダー)を押えるための基幹病院の攻略の糸口を検討する。

現場実践の徹底

  • 個別コーチングでマネジャーとしての行動変容を図る。

  • ロールプレイを含めた再アセスメントで、研修で獲得したスキルや知識、コーチング技法が実践できているか評価する。

実施した研修およびコンサルティングの概要

実施した研修およびコンサルティングの概要の図

STEP1 事前アセスメント

  • 高業績者のインタビューを通じて、当該の市場や今の組織において高い成果につながる活動や思考を抽出し、営業マネジャー・営業パーソンのコンピテンシーを明確化して、アセスメント基準に織り込む。

  • 営業マネジャー・営業パーソンとしてのコンピテンシーを理解し、本人の強みと啓発点を理解することで、伸ばすべき方向性を明確にする。

STEP2 知識学習・営業スキル研修

  • 新製品販売に必須となる「疾病の知識」「新製品の知識」を主にe-learningを通じて学習する。

  • 営業スキル研修は、ロールプレイを中心に実施し、新製品採用に向けた顧客戦略を立案、実践できるようにする。

  • 「営業担当との話し合い(状況分析や活動計画の立案)」や「顧客戦略立案」のセールスコーチングを実施する。

STEP3 テストの実施

  • 必須となる疾病の知識、新製品の知識の習熟度を確認するためテストを実施し、テストでは合否を明確にし、不合格者についてはフォローを行いながら再テストを行い、新製品販売に必要な基本的な知識の底上げを図る。

STEP4 再アセスメント

  • 研修から獲得した知識や営業スキル、コーチング技法が実践できているか評価し、行動の変化を確認する。

プロジェクトの成果

成果1

求められる能力や基準を明確化し、新製品販売に必要な知識および営業スキルを高度に標準化できた。

成果2

ロールプレイを含めた再アセスメントを通じて、マネジャーの営業パーソンに対する顧客戦略立案の支援力やコーチングのスキル向上を確認できた。

成果3

新製品上市後、市場シェア維持・拡大のための営業力の基盤ができた。

成功事例からの学び

営業マネジャーに求められるコンピテンシーを明確化できているか?

営業パーソンおよび営業マネジャーに求められる行動が明確でないと、統一された戦略をトップダウンで実行したくても、現場の実行レベルでは個々のばらつきが大きく、成果が出ない場合があります。営業マネジャーに求められるコンピテンシーが明確化されることで、戦略を具体的な行動レベルまで落とし込んで指示・確認することができるようになり、大きな戦略変更にも対応しやすくなります。

営業マネジャーは、自己を客観的指標で理解しているか?

営業マネジャーは営業パーソンとは異なるスキルを求められます。しかし、営業パーソンとしての成功体験に囚われるあまり、適切なマネジャーとしての行動がとれなくなるケースがあります。営業マネジャーのアセスメントを行い、自身の強みや課題、行動傾向について、客観的指標で理解を深めることで、営業マネジャーとしての役割が明確化され、営業パーソンへの適切な関わりをもてるようになります。

営業マネジャーの影響力を高めるための工夫があるか?

営業マネジャーが各営業パーソンに適切な指示や評価ができるよう、コーチングスキルを習得させます。営業マネジャーによるセールスコーチングを徹底することで、営業マネジャーの影響力が高まり、組織目標の達成に向けた戦略の実行力を高めることができます。

インプットだけでなく行動の変化を確認する仕組みがあるか?

単にスキルや知識を獲得するだけではなく、実際に営業現場で使えるレベルで習得できているかを確認するために、研修後に再度アセスメントを実施します。その場合、ロールプレイなどの総合的な対応力が求められるアセスメント方法を採用し、実際の行動の変化が起こっているかを確認・変化が確認できない場合は個別フォローを実施します。

コンサルタントのコメント

個人の営業力は弱くはないものの、営業マネジメント力が十分ではない会社があります。そういった会社は短期的な業績は悪くはないものの、戦略の転換や足並みをそろえた営業活動に弱い側面があります。本プロジェクトでは、新製品上市の先を見越した営業力の強化を行ったことで、大きく拡大した市場シェアを維持・拡大するための組織的な営業力を構築することができました。

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