HOMEコラム・レポート レポート 【第2回HITOフォーラム「タレントマネジメントの未来」】 タレント(才能)を高めるためにビジネスパーソンはどう取り組むべきか ①

レポート

2012.05.17

このエントリーをはてなブックマークに追加

【第2回HITOフォーラム「タレントマネジメントの未来」】 タレント(才能)を高めるためにビジネスパーソンはどう取り組むべきか ①

タレントマネジメント

グローバル時代になり、技術や知識の陳腐化はますます早くなっています。
そういった中、働く個人と組織の関係も「組織が個人に仕事を与える」関係から「働く個人が仕事を創り、社内外を問わずネットワークを築く」ものに変わりつつあります。こうした背景を踏まえたとき、これからの時代を生き抜くために個人はいかにしてタレントを高めていけば良いのでしょうか?

◆第二部:タレント(才能)を高めるためにビジネスパーソンはどう取り組むべきか

≪パネリスト≫
法政大学 経営学部 経営学科 教授 長岡健氏
バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社 執行役員 人事総務部長 石山恒貴氏
IMD 日本代表 高津尚志氏
インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢設立準備財団 代表理事 小林りん氏
≪ファシリテーター≫
インテリジェンスHITO総合研究所 主席研究員 須東朋広

問題提起

hito_forum2_pt_01.jpg熟達モデルの限界とアンラーニングの必要性~法政大学 経営学部 経営学科 教授 長岡健氏~
第二部では、長岡先生から日本企業に対する問題提起がなされました。日本企業は初心者を一人前にすることには熱心ですが、一人前になった後さらに引き上げることには取り組んでいないのではないか?一人前以降はまさにタレントが問われる世界だが、どのように行えば良いか?といった問題が投げかけられました。

長岡先生から提示されたのは、今までのものを捨て去る「アンラーニング」の重要性です。ルールや専門領域が変わり、それを1から学び直す必要があるとき、その適応を妨げるのは"過去の経験そのもの"です。組織学習論で言われているように、"不適切なものを捨て去る"ことが重要になってきます。他方、このアンラーニングは、教育学では「教わりグセから脱却すること」、「変化を受け入れて自ら気付くこと」とされています。しかし、組織にいる限り組織の規範や枠組みからは逃れられません。個人が一人前以降もタレントを高めていくために、いかにしてアンラーニングすればよいのでしょうか?

専門人材の視点

hito_forum2_pt_02.jpgブローカーとして学習する専門人材
~バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社 執行役員 人事総務部長 石山恒貴氏~
長岡先生からの問いかけに対し、石山氏から越境学習という考えが提示されました。越境学習とは、ビジネススクールや社会人大学院、プロボノ、NPOなど自組織の外に飛び出して学習するスタイルです。
石山氏が行なったインタビューによると、専門人材として一人前に育つまでは「人事権」による幅広いOJTも効果的です。しかし、専門領域を確立し一人前になってからは、「人事権」よりもむしろキャリアを財産に考える「キャリア権」が重要になり、個人が自主的にキャリアを高めていく姿勢が問われてきます。

ただ、注意が必要なのは、単に組織の外に出て行くだけでは不十分だということです。ある共同体で学習するには、その共同体から正当性を認めてもらい、実践しないといけなません。そこで重要になってくるのが「ブローカー」という存在です。ブローカーとは共同体と共同体をつなぐ存在であり、お互い越境しお互いを変えてしまうような存在です。

経営人材の観点

hito_forum2_pt_03.jpgフロンティアでの実践を通じた「新たな原体験」獲得
~IMD 日本代表 高津尚志氏~
IMD日本代表の高津氏からは「原体験」と「フロンティア」というキーワードが紹介されました。
「高津さん、閉塞感って何ですか?」と質問する若者を例に、閉塞感を感じていない理由はフロンティアに立っているからだとされました。彼ら彼女らは会社以外にNPOに属していたり、新興国に勝手に出かけたりと、自分自身で新しいフロンティアを切り開いています。逆に、閉塞感を口にするリーダーは20年前の原体験のままであり、フロンティアに立っていないのではないか?といった投げかけがなされました。

IMDにおいても学期間にケニアでのNPO活動などを挟み「新たな原体験」を作り出していることや、エグゼクティブ向けに短期間での"学び直し"の機会を設けている仕掛けが紹介されました。

グローバル人材の観点

hito_forum2_pt_04.jpgNPO実践を通した「新たな原体験」獲得
~インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢設立準備財団 代表理事 小林りん氏~
小林氏からは「なぜ学校を創ろうと思ったか?」について、ご自身の原体験が語られました。高校時代にカナダのインターナショナルスクールで過ごした経験や、国連職員時代にフィリピンで貧困層教育の実情を目の当たりにした体験が、志を持つことにつながった経緯をお話頂きました。
グローバルリーダーに重要なのは多様なバックグラウンドを持った人たちの中に飛び込み、そこでもまれながら、多様性の真の意味を理解すること。そして、リスクを取って、思い切ってチャレンジすること。間違いながらでも良いから学んでいくこと。自分の目で見て、自分の耳で聞いて、全く違う発想に転換していくこと。そういったグローバル人材に求められる資質を「多様性の中で養う自己認識力と共感力」、「リスクテイキング」、「問題設定能力」の3点にまとめられました。

一人前以降もタレントを高めるためにビジネスパーソンはどう取り組むべきか?ご登壇頂いた4名の方から貴重なお話を頂戴しました。次回は、ご登壇者や会場とのディスカッションを中心にフォーラムの様子をお伝えいたします。

関連コンテンツ

このエントリーをはてなブックマークに追加

【経営者・人事部向け】

パーソル総研 メルマガ

雇用や労働市場、人材マネジメント、キャリアなど 日々取り組んでいる調査・研究内容のレポートに加えて、
研究員やコンサルタント・講師のコラム、お得なセミナー・研修情報などをお届けします。

メルマガ詳細はこちら
PAGETOP
PAGETOP