HOMEコラム・レポート レポート 第4回 議事要旨『適材適所を実現するタレントの発掘と配置』

レポート

2012.02.27

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第4回 議事要旨『適材適所を実現するタレントの発掘と配置』

タレントマネジメント

<問題提起>

戦略的な適材適所を実現するために、どのようにすれば良いのだろうか?本委員会では企業事例も交え、適材適所の実現やそれを阻む要因について議論を行なった。

<要因>

適材適所の実現を阻んでいる要因は何か?

(1)タレントを"発掘"できていない

適材適所のためには"発掘"と"配置"が重要になる。しかし、日本の多くの企業は社員をマスで捉えているためタレントを"発掘"することが出来ず、適材適所がなされていない。加えて、個々のタレントを配置や育成とつなげる長期的な視点に欠けるケースが多い。

(2)タレントを"配置"出来ていない

適切な配置がなされ、それが組織力向上につながるためには『経営の成果から逆算』されている必要がある。しかし、経営の目的と人事制度が乖離してしまっている結果、「どのハコ(部門・組織)を伸ばすか?」といった組織レビューが無いまま「ポジションをいかに埋めるか」を考えたり安易なジョブローテーションが行われている。

<施策>

(1)発掘のための施策

良い人材を"発掘"するためにはまず個々の状況を把握することがスタートとなる。そのためには、キャリアコーチや人事によるヒアリング、社員自身による記入等により、ポテンシャルやスキル、キャリアビジョン、モチベーションなどを把握しておく。その際重要なのは、情報の鮮度である。従って情報が継続的にアップデートされる体制や社員自身が積極的に記入する仕組みが必要となる。当然、最適な"発掘"につなげるためには、企業が重視する要件を明確に定義しておくことが前提となる。また、表彰制度や社内コンテストのように、下からでも人材が目立つような仕組み作りや、社員とのインフォーマル・コミュニケーションの積み重ねが人材の発掘につながる。

(2)配置のための施策

適切な人材の"配置"が実践されるには、「どのハコ(部門・組織)を伸ばすか」という組織レビューが重要になる。その上で、とくにリーダー候補等については、育成やキャリアプランと併せた長期的な視点で配置を捉えることが求められる。異動時には現場の抵抗が問題になる場合があるため、トップの権限が機能する場も必要であろう。
また、適材適所をつきつめれば、組織とマッチしていない人材が現れる。これは組織として「何をもってミスマッチとするか?」の定義付けを行い、社内に発信をした上で、人事が責任をもってミスマッチ解消に対応する必要がある。

<議事詳細>

人材の発掘について

適材適所実現のためには、人材の"発掘"がスタートになる。本委員会では下記のような具体的施策が議論された。
・キャリアコーチや人事部を通し、社員個々のスキルやキャリアビジョン、モチベーシ
ョンなどを把握する。
・キャリアシートなど社員自らが記入する場合、記入する側のインセンティブを持たせ
ることやシステム的にサクセッションプランにつなげる工夫が必要となる。例えば、
社員の記入に対し上長や人事がフィードバックを行い、それらをトップも見れる形に
することや、評価への紐付け・社内異動時の履歴書にすることなどが有効であろう。
・表彰制度や社内コンテストなど、人材を発掘できる場をつくる。さらに、発掘された人材の情報が経営会議等に反映されるような仕組みも必要である。

人材の発掘は、個別管理による従業員の把握が前提となる。日本企業はマス管理を好む傾向が強いが、人材育成に力を入れている企業はキャリアコーチや人事部による個別アセスメントが行われている。また、表彰や社内コンテストによる人材発掘においても、その情報が経営会議等に反映され、長期的な視点で個人の配置が検討されるなど、発掘が配置に活かされる体制が整っている。

適切な配置について

適切な配置とは、企業と個人がWin-Winの関係になっている状態だといえる。適切な配置が行われるために、どういった視点や施策が重要になるのだろうか?本委員会では下記のような点が議論された。
・経営の成果から逆算し「どのハコ(部門・組織)を伸ばすか?」の組織レビューを行なう。
・とくにリーダー候補については、個人の育成やキャリアなどと併せ、長期的な視点で配置を捉える。
・個々のモチベーションが組織全体の力につながっているかどうかをみるためにも、組織感情など組織の現状を把握する。

多くの企業において、組織レビューが無いまま「ポジションをいかに埋めるか」を先に考えたり、安易なジョブローテーションが行われている。しかし、経営の成果につながっていなければ人事制度や施策には意味がないため、組織レビューや長期的な視点に基づいた配置を行うことが重要である。
また、適材適所を突き詰めると組織とマッチしない人材が出てくる。これについては、例えば「成果2割、価値観8割」など、まず『組織として何をもってミスマッチとするか?』の定義付けを行う。次に、その定義を社内に発信をした上で、ミスマッチが起っている人材については、事前の警告や本人への改善要請などを実行する。場合によっては異動推奨や退職勧告等が必要となるが、これは事業部ではなく人事の仕事である。

日時:2012年2月27日(月)18:30~21:00
場所:株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 会議室
参加者:
産能大学大学院 総合マネジメント研究科 教授 城戸康彰氏
株式会社資生堂 執行役員 アキレス美知子氏
株式会社サイバーエージェント 取締役 人事本部長 曽山哲人氏
バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社 執行役員 人事総務部長 石山恒貴氏
株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 主席研究員 須東朋広氏

事務局:
株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 研究員 田中 聡
株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 研究員 森安 亮介

※肩書きは当時のものです

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