公開日 2018/10/12
ハーバード大学のビジネススクールで、唯一教えていないのが「営業」。それほど複雑で臨機応変な対応が求められる営業分野で、ビジネスパーソンはどのように結果を出していけばいいのでしょうか。ここでは「営業プロセス」という切り口から、営業の生産性を向上させる方法をご紹介します。
営業プロセスは、業種、商材、顧客などによってさまざまなタイプがあります。一般的には「事前準備」「初回訪問」「ニーズ喚起」「解決策の提案」「クロージング」がスタンダードな営業プロセスでしょう。このほかにも扱う商材やクライアント、個々の営業パーソンのスキルや経験によって、営業プロセスは千差万別です。
営業プロセスを社内で明文化し、情報共有している会社は少ないといわれています。さらに、前述のように営業パーソンによってやり方や細部の方針が異なるので、プロセスは多岐にわたります。その結果として、「トップの営業パーソンのノウハウを社内で共有できない」「OJTしにくい、指導担当者によって内容が違う」などの問題が発生します。社内に優秀な営業パーソンがいたとしても、その営業手法を組織内に浸透できなければノウハウを活かしきれているとはいえません。組織として安定したパフォーマンスを生み出すことも難しいでしょう。
この問題を解決するひとつの策として、「営業プロセスを標準化する」というものがあります。営業プロセスを標準化できれば、組織内で効率よく営業手法を共有できるからです。では、一体どうやって営業プロセスは標準化できるのでしょうか。
社内で統一されていない営業プロセスを標準化するには、まずプロセスを「可視化」する必要があります。可視化することで営業に関する情報が共有され、営業プロセスが標準化できるでしょう。さらに、営業プロセスの可視化には、下記のようなさまざまなメリットがあります。
営業プロセスを可視化することで、これまでのプロセスの無駄や非効率を見直すことができ、またトップの営業パーソンがどんなことをしているのか見えてくるでしょう。それによって、個人としてだけではなく営業チームとしてのプロセスを標準化することが可能となります。
営業プロセスの標準化とは、「このチームでは、こういった方法で営業活動を行う」という基準を設けるということです。完全に従わなくてはならないというものではなく、営業パーソンによってある程度カスタマイズすることもあるでしょう。
では、営業プロセスを可視化し、標準化するための具体的な方策について考えてみましょう。実は、営業プロセスを可視化する効果的な方法はすでに存在しています。それが「『営業プロセスの可視化』コンサルティング」です。プロの専門機関によるコンサルティングを活用することで、効率よく、短期間で業務改革を推進することができます。
研修内容としては、「顧客関係プロセス」「CRP(Customer Relationship Process)」を可視化して、営業プロセスのMap(マップ、地図)をつくり、これによって可視化と標準化を進めていきます。具体的にはトップの営業パーソンがどのように営業を行っているか、そのプロセスを可視化していきます。どのように顧客の期待に応え、結果を出し続けているのか、そのノウハウを営業チームで共有できる仕組みをつくれば、ノウハウを可視化することができるでしょう。営業教育の基準として活用し、OJTに組み込むことができます。
さらに、営業プロセスが重要であるのと同様に、顧客側の視点も忘れてはなりません。顧客が商品やサービスと出会い、購入・契約を決めるプロセスである「カスタマージャーニー」を考慮できれば、自社と顧客との最適な関係性を導き出せます。
もちろん、ただ研修を受けただけでは意味がありません。最終的には、研修で獲得した営業プロセスを可視化するノウハウを自社に定着させて標準化し、さらにブラッシュアップさせていくことが重要です。そうすれば、継続的に営業プロセスが最適化でき、パフォーマンスを向上させることができるでしょう。
営業プロセスを可視化して標準化すれば、優れた営業ノウハウの共有や課題発見など、組織としてさまざまなメリットがあります。少数のトップの営業パーソンだけでなく、チームの誰もが高いパフォーマンスを発揮し、生産性を向上させるための一手として、考えてみてはいかがでしょうか。
<参考>
【経営者・人事部向け】
パーソル総合研究所メルマガ
雇用や労働市場、人材マネジメント、キャリアなど 日々取り組んでいる調査・研究内容のレポートに加えて、研究員やコンサルタントのコラム、役立つセミナー・研修情報などをお届けします。