公開日 2018/10/12
「営業力を強化したい」「うちのチームには営業力がない」など、企業や組織は営業力についての悩みが尽きないものです。現代の営業における「営業力」の定義は、単に商品やサービスを売る力とはいえなくなっています。ここでは「営業力」とは何かを再定義して、これを強化するために組織が取り組むべきポイントをご紹介します。
「営業力」と聞くと、まず「コミュニケーション」「足を動かす」などというキーワードが連想されがちです。確かに、営業の最終的な成果が可視化されるのは商品やサービスの売り上げですが、その「売り上げを達成する」ために、必ず通らなくてはいけないステップがあります。それは、顧客に自社の商品・サービスが、コストに見合った「価値」があると感じてもらうことです。
では、商品やサービスに「価値がある」とは、一体どのようなことを指すのでしょうか。顧客にとっての「価値」となりうる要素を、具体的に挙げてみます。
これまで述べたような営業力を強化するために必須となる「顧客への価値提供」ができる営業組織をつくるためには、次に述べる4つのポイントが重要になります。
①チームのスキル・プロセスの標準化
一部の優秀なメンバーだけでなく、チームの成功した体験やプロセスを共有することで、組織全体の「価値提供力」を底上げできます。外部講師による営業研修など、営業活動について体系的に学ぶ機会を設けることも、チームのスキルやプロセスの標準化に非常に効果的でしょう。
②適切な評価基準・評価制度をつくる
商単に売り上げの数値だけで営業パーソンを評価するのではなく、提案やアフターフォローの内容など、活動そのものにフォーカスを当てた評価を行うことが重要です。実際の売り上げ以外に活動を評価しようとすると、どうしても定性的なものになりがちです。優秀な営業パーソンのモチベーションを下げないためにも、明確な基準を設ける必要があるでしょう。
③ITツールへの投資を惜しまない
長時間にわたる資料探しや関係者との調整など、営業活動に直接関係のない事務作業が発生することは、営業チームの生産性を下げる最も大きな要因のひとつです。人的なリソースを割く必要のない仕事はできる限りシステム化・自動化し、そのためのITツールへの投資は惜しまないようにしましょう。もちろん、導入に際して運用のシミュレーションや効果の試算は必要でしょうが、昨今は機能的かつ安価なクラウドサービスが増え、導入するための障壁が下がってきています。SFAやCRMを導入することで、チームのナレッジを最大限に活かすことができます。ただし、ITツールありきの導入は、現場の抵抗を招くことも多いので、導入の目的やメリットをあらかじめ十分に周知するといった事前準備が不可欠です。
④営業力強化の施策をトータルで最適化する
Sales Enablement(セールス・イネーブルメント)という概念をご存知でしょうか。上記①~③にあげたように、チームのスキルやプロセスの標準化を目的とした営業研修や評価制度の整備、ITツールの導入など、営業力強化のために組織が取り組むべき施策がありますが、これらをバラバラに取り組むのではなく、包括的な視点で最適化し、それぞれの成果を見える化しようという考え方です。営業研修は営業部門の上層部が選定し、評価制度の構築は人事部が担当するなど担当部門ごとにバラバラに取り組むのではなく、関係する部門や担当者が連携することで、より営業力強化に最適な内容にしていくことができます。個々の施策がきちんと営業力強化に貢献されているかを定量的に計測することが重要になります。
今回は、そもそもの「営業力」の定義と、その強化のために組織が取り組むべきポイントについてご紹介しました。顧客にとっての価値を改めて認識し、価値提供を正しく行うための組織づくりや成果の計測を行うことで、チームとしても、組織全体としても営業力の向上を実現することができるでしょう。
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