営業活動に大切な「営業生産性」を向上させるコツとは?

公開日 2018/11/12

営業活動をするうえで、「営業生産性」を意識していますか?
ただやみくもに活動していては、かけた時間に見合った成果が生まれない状態に陥ってしまいます。今回は営業パーソンにとって大切な、営業生産性の向上についてご紹介していきます。

そもそも営業生産性とは?

営業生産性という言葉を聞いても、具体的にどのような内容なのかピンとこない人は少なくありません。ここでは営業生産性が示すものを理解していきましょう。

営業生産性=アウトプット÷インプット

営業生産性とは、費やした時間や費用(インプット)に対して、どれだけの業績(アウトプット)を上げられたのかを示す指標です。計算式にすると以下のようになります。

営業生産性=アウトプット(業績)÷インプット(費やした時間や費用)

なぜ営業生産性を向上させることが大切なのか?

「公益財団法人日本生産性本部」の調査によると、日本の労働生産性は1時間あたり4,694円(2016年データ、購買力平価換算)でした。これは、OECD加盟国35カ国中20位の低い位置にあります。加えて、少子高齢化による人材不足などの背景から、限られた労働力で現状より高い目標を達成することが求められており、営業生産性を高めることは喫緊の課題となっています。また近年は、「働き方改革」によって長時間労働の是正が求められており、限られた時間を有効に使う必要性が増しています。さらにSFAやCRMなどのITツールの導入によって、今まで以上に営業効率のアップが期待されているため、営業パーソンはさらなる生産性向上が必須となるでしょう。

営業生産性が落ちてしまう理由

「何となく」で行動している

営業生産性が落ちてしまう理由のひとつとして、「何となく」で行動してしまうことがまず挙げられます。相手先のことや業界のことをよく調べずに商談に向かってしまう、ひたすらアポイントをとって見込みのない相手と商談をするなど、成果につながらない無駄な行動が多ければ生産性を落とす原因となります。

目的があいまいな会議や打合せが多い

事前準備をせず、目的意識を持たずに参加する会議や打合せは、時間の浪費になります。目的があいまいな会議は、時間だけ投入しても、得るものが少なく、アウトプットにも貢献もしないため、労働生産性を著しく下げることになります。

隙間時間を生かせていない

営業活動だけが営業パーソンの仕事ではありません。他にもやらなくてはいけない業務があるでしょう。例えば次のアポイントまで時間があるとしたら、取引先や社内の関係者にメールの返信をするとか、状況説明をしておくとか、事務処理をするなど少しの隙間時間も活用することが大切です。同時に、漫然と時間を使わずに、情報収集や過去の営業活動の整理など、できることを探し出す能力も必要です。

行動管理ができていない

生産性が上がらない理由には、自分の行動管理ができていないということも挙げられます。業務の作業時間や商談の成約率などを細かく分析しないことには、成果が不安定になってしまいます。なぜ成約できたのか、失注したのかをプロセスから振り返り、より成功率の高い方法を確立させましょう。

資料の管理ができていない

取引先の資料やパソコンの中のフォルダなどは整理されていますか? 仕事で最も無駄な時間は、探し物をしている時間と言われます。生産性が上がらない人はこういったところから見直してみましょう。

営業生産性を改善させるには

面談の目的とゴールを明確にする

営業パーソンにとっての最大のゴールは契約することです。ですが、一直線にそこを目指すのではなく、その間に細かいゴールを決めて達成を重ねることが、成約につながるしょう。例えば「今回の面談でキーマンは誰なのかを知る、または、キーマンに会わせてもらう」など、どうすれば成約に近づくのか、毎回のゴールを定めて行動することが重要です。

自分の行動管理をする

毎日の行動管理や時間管理をすることが大切です。資料作成にかかった時間などを測っておきましょう。それだけでなく、営業行動の管理も大切です。例えば、商談のためのアポイントを何件とって、そこから何件成約に至ったのか、それまでにどれだけ電話をかけ何通メールを送ったのかなど、自分が行った営業行動を振り返り、分析しましょう。

資料の管理をする

資料はいつでもすぐ取り出せるように整理しておくことが営業の基本とも言えます。パソコンのフォルダなどは会社名ごとに分け、いつの資料かが明確になるように日付をつけておくなど、自分のやりやすい方法で整理しておきましょう。またSFAなどのITツールを導入しているのであれば、それを活用しない手はありません。探し物をしている無駄な時間の削減や、クライアント情報へのスピーディーなアクセスなど、テクノロジーの利活用は現代の営業パーソンにとってもはや必須スキルと言えるでしょう。

自分なりのルールを作って、実践する

営業は「何となく」で成果を出し続けることはできません。営業活動において自分だけのルールを作ることも大切です。例えば、「初回の面談では必ずテストクロージングをかける」「新規の営業活動は1日〇〇件にする」などルールを作って実践し、どんどんブラッシュアップしましょう。ただし、「異なる相手に同じ商談をする」のではいけません。クライアントの特性や担当者などによって、柔軟に対応する必要があるでしょう。
労働生産性を向上させるには、時間や成果を「数値化」=「見える化」することが肝要です。ルールを明確にすることで、効率を上げ、再現性を高めることができます。

まとめ

多忙な営業パーソンは、営業生産性を意識することや考える時間がなかなか取れず、漫然と営業活動をしてしまっていることがあるのではないでしょうか。営業活動に充てられる時間には限りがあります。その中で効率よく業績を向上させるには、まず営業生産性を落としている原因を分析し、いかに改善させるかを日々意識していく必要があります。今一度自分自身の営業活動を考え直してみてはいかがでしょうか。

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