リユース事業店長の人財タイプを10に分類し、ハイパフォーマー店長の特性を分析、明確化。人材発掘やリ テンションに活用。

データ分析で店長候補を可視化

株式会社ゲオホールディングス様

タレントマネジメントは「戦略達成のための人財を質・量ともに満たすためのもの」
さらなる事業拡大に向けてHITO-Talentを導入し、タレントマネジメントに挑戦

ゲオグループは1986年に愛知県豊田市のレンタルビデオ店からスタートし、現在では複合メディアショップ「ゲオ」を運営するメディア事業、衣料・服飾や家具・家電の総合リユースショップ「セカンドストリー卜」を運営するリユース事業、アミューズメント施設の「ウェアハウス」を運営するアミューズメント事業を中心に、2019年12月時点で約1,900店舗(FC含む)を有する。また、事業展開は日本国内に留まらず、セカンドストリートはアメリカ、マレーシアでの店舗運営も行っており、さらに、台湾への進出も計画中だ。ゲオグループは、2020年4月にはさらなる成長に向けてメディア事業、リユース事業、アミューズメント事業それぞれの専門分野への特化・機能向上を目的としたグループ再編を予定している。

「ゲオグループでは、タレントマネジメントを『戦略達成のための人財を量・質ともに満たすためのもの』と定義しています。事業戦略と人事戦略に一貫性を持たせ、採用・教育・異動・リテンション・人事諸制度を連動させることが最重要課題だと考えています。そのためには、第一に『戦略達成のためにはどのような人財を何人用意しなければならないのか』、第二に『現在、どのような人財がどれくらい在籍しているのか?』、第三に『そのギャップをどのように埋めるのか?』という問いに答えられなければなりません」

ゲオ様 高橋知寿氏の写真01
株式会社ゲオホールディングス
組織開発部 組織開発課
高橋 知寿氏

そう語るのは、ゲオグループのタレントマネジメント企画を担当する株式会社ゲオホールディングス 組織開発部 組織開発課の高橋知寿氏だ。

ゲオグループは、タレントマネジメントシステムHITO-Talentを導入し、ハイパフォーマー分析を通じたコンピテンシーモデルの策定、その結果を採用・リテンションなどへ活用することに積極的に取り組んでいる。

ハイペース出店計画に対応する店長候補人財をいかに確保するか

店長の人財要件を定義、人財タイプを10に分類しハイパフォーマー特性を分析
ハイパフォーマー店長候補者や採用ギャップを可視化

リユース市場は、2017年に2兆円規模に達しており、2022年には3兆円規模にまで拡大すると見込まれている(リサイクル通信:推計)。セカンドストリートは市場の拡大に合わせて、2023年3月末時点までに国内600店舗を800店舗体制(FC含む)に拡充しようとしており、今後も年間約50店舗規模のハイペース出店を計画している。
ゲオショップの運営とは異なり、セカンドストリートは商品を各店舗の商圏から調達して販売することを基本としているため、店長のいわゆる「目利き」によって品揃えや価格、売り場づくりが変わり、各店舗の業績もそれぞれの店長の能力よって大きく変動する。リユース事業の戦略達成を支援するためには、店長として活躍できる人財を出店計画通りに用意できるかがカギになる。

「そのためには、まず、店長として活躍できる人財の要件を定義するとともに、現在活躍しているハイパフォーマーの特徴を特定する必要がありました。ハイパフォーマー店長の候補人財を現在どれだけ採用できていて、どれだけ辞めているのか。また、どのような課題が生じそうか。そういった現状認識ができていなければ対策が打てません」と高橋氏。

店長の人財要件は、リユース事業の部門責任者にヒアリングを行い、「KPI」と「KPIを達成するための具体的行動」を、コンピテンシーモデルとして明確化した。限られた時間で効率的にコンピテンシーモデルを策定するために、コンピテンシーカードというツールを活用し、『KPIを達成するために必要な行動とは何か、その行動がKPI数値にどうのように紐づくのか』を部門責任者がイメージしやすいよう環境を整えることを重視したという。

アセスメントデータのクラスター分析を行い、人財の特性を10タイプに分類したところ、特定のタイプにハイパフォーマーが数多く分布しており、店長、エリアマネジャー、ゾーンマネジャーと上位階層になるほど、その傾向がより顕著になっていることが分かった。店長の人財要件とハイパフォーマーの特徴が明確になったことで、欲しい人財と実際に採用している人財との採用ギャップ、そして、活躍の可能性が高い人財タイプの離職者数と現在の在籍者数が分かったとのことだ。 これらのアセスメントデータや在籍者のタイプ分類もHITO-Talentに格納しており、ハイパフォーマー店長候補を即時に検索できる状態になっている。

パート・アルバイトから社員までシームレスなキャリア形成を

パート・アルバイトの人財情報を「ヒューマンインベントリーファイル」として蓄積
社員登用選考は現場で収集した定性データを客観データで補完

ゲオグループではパート・アルバイトからの社員登用を積極的に行っており、社員の多くはパート・アルバイト出身だ。セカンドストリートの店舗では、社員は店長とアシスタントマネジャー、他のスタッフはパート・アルバイトという人員構成だ。2020年2月時点で約1万名のパート・アルバイトが在籍しており、その中から店長候補者を的確に社員登用していくことが事業成長に欠かせない。新規出店にともなう店長の店舗間異動や人員確保をタイムリーかつスピーディに行う必要があるため、店舗社員の異動やパート・アルバイトからの社員登用は、人事部門ではなく、エリアを管轄するゾーンマネジャーに権限を委ねている。

ゲオグループでは、かねてより、社員だけでなく社員候補のパート・アルバイトについても一人ひとりの事業適性、意欲、スキル情報、商品知識、上長コメントなどの人財情報を月次で収集・更新し、「ヒューマンインベントリーファイル」として蓄積している。パート・アルバイトの人財情報として非常に充実したものであり、社員登用選考に欠かせないものだ。前述のハイパフォーマー分析実施後は、社員登用選考の精度をさらに上げるべく、ゾーンマネジャー向けに社員登用候補者の人財タイプ分類情報の提供を始めた。

「まずはトライアルとしてエリアを限定して提供し始めましたが、効果検証を行いながら提供範囲を広げていくつもりです。『ヒューマンインベントリーファイル』の情報の大半は現場からあがってくる主観・定性データなので、それだけでは『本当にそうなのか?』という疑問が残ります。そのため、アセスメントを基にした客観データの情報提供を行って、社員登用候補者をより正確に理解してもらえればと考えています」と高橋氏は語る。

データ分析結果とHITO-Talentをリテンションにも活用

メンターが収集した従業員の相談内容をHITO-Talentに格納し、緊急度を分類
人財プール機能"HITOタグ"のグルーピングと組み合わせてリテンション対応

社員登用選考に加え、リテンションにもデータ分析結果とHITO-Talentの活用を開始した。 店長やアシスタントマネジャーに働きがいをもって長く働いてもらうためには、一人ひとりの仕事上の悩みを聞き、適切なサポートを行っていくことが欠かせない。ゲオグループでは、従業員の「定性データ」の充実にも取り組んでいる。 「一人ひとりをしっかり把握するためには、アセスメントデータなどの定量データだけではなく、『定性データ』の充実が大切だと思っています。『定性データ』とは、例えば、『彼、彼女はこのようなことでこんなふうに悩んでいた』というメンターのコメント、研修の取り組み具合や提出物、また人事評価時の本人コメント、上司コメントなどです。これらの『定性データ』は、事業戦略に必要な役割を担う人財を見つけることやそれぞれの従業員に適切なサポートを提供することにもつながり、この積み上げが働きやすい環境づくりにもつながっていくと考えています」と高橋氏。

ゲオ様 高橋知寿氏の写真02
株式会社ゲオホールディングス
組織開発部 組織開発課
高橋 知寿氏

しかし、ゲオグループは約1,900店舗を擁する典型的な多拠点型事業であり、従業員一人ひとり、全国各地隅々まで目を届かせることは容易ではない。そこで、HITO-Talentが効力を発揮する。 まずはエリア単位でメンターを配置し、メンターが集める従業員の相談内容をHITO-Talentに格納。HITO-Talentに、それぞれの相談内容に応じた緊急度のフラグをつけ、人財プール機能「HITOタグ」を活用して、グルーピングしている。
さらに、人事部門では対応の緊急度が高い従業員を定期的にHITO-Talentで検索し、相談内容に応じて、対象者の上長に対応を働きかける仕組みだ。現在は、エリアを限定したトライアル段階だが、運用スキームをブラッシュアップした上で、対象エリアを広げていく計画とのことだ。

事業戦略を後押しするタレントマネジメントへ

人事の世界に「ビジネスの理解」を持ち込むこと、IT活用やデータを持ち込むことが必要
今後は、運用スキームを固めて対象職務やエリアを広げていく

高橋氏は、事業部門経験が長い。もともと映画や音楽が好きでゲオショップでアルバイトを始め、社員登用後も引き続きメディア事業部門に所属。ゲオショップの店長を経て、数店舗を統括するエリアマネジャーを約9年務めた。人事部門に異動して2年半、タレントマネジメントを企画推進する上で、事業部門経験が活きている。

ゲオ様

「ビジネスの成長を支えていくためには人事の世界に『ビジネスの理解』を持ち込むこと、さらには、限られたリソースで最大限のサポートをするために『IT活用』や『データ』を持ち込むことが必要だと思います。解決しなければならない課題はまだまだ多くありますが、HITO-Talentを活用したタレントマネジメントをスタートできているため、今後は運用スキームを固めて対象職務やエリアを広げ、事業戦略を後押しするタレントマネジメントにチャレンジしていきたいと考えています」と語る。

ゲオグループのタレントマネジメントは事業戦略支援にしっかりとフォーカスされており、タレントマネジメントの目に見える成果が現れ始めているようだ。

ゲオ様ロゴ画像

株式会社ゲオホールディングス

業種:小売業/設立:1986年/事業内容:直営店舗を中心とした総合メディアショップ、総合リユースショップ、アミューズメント施設の運営

株式会社ゲオホールディングスは、複合メディアショップ「ゲオ」を運営するメディア事業ほか、リユース事業、アミューズメント事業を運営する総合小売グループです。

https://www.geonet.co.jp/
ISMSマーク

タレントマネジメント事業本部は情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO27001を取得しています。
(登録番号:IC20J0508)

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