人材不足や働き方の多様化などを背景に、現在多くの企業が取り組んでいるキャリア自律。
個々の従業員や管理職に対する様々な施策が定着する中で、今後は組織のさらなる成長や変革、
従業員のエンゲージメントや働くことを通じた幸せなど、より高次の目的に向かう取り組みへと進化していく機運が高まっています。
今年で4年目となるキャリア自律セミナーは、「セルフ・キャリアドック」「キャリアレジリエンス」「キャリア再編集」など、
様々な角度からキャリア施策を再点検し、組織としての取り組みをアップデートしていくためのポイントを、皆さんとともに考えていきます。
第1回
2024/11/19(火) 14:00 - 15:30
近年、企業によるセルフ・キャリアドックの導入が進み、厚生労働省の令和5年の調査では、キャリアコンサルティングの仕組みを導入している企業は4割を超えています。しかし、セルフ・キャリアドックが一過性のイベントにとどまっている事例や、制度化されたものの形骸化している事例も少なくありません。制度や仕組み(ハードな側面)が形骸化する原因は、それが組織にとって優先順位が低いと認識されているから、あるいは制度上の義務はあっても実質的なメリットが感じられないからです。優先順位やメリットは、目には見えにくい組織風土や人間関係、構成員の心理といったソフトな側面が大きく影響しています。本講演では、セルフ・キャリアドックを効果的かつ持続的に運用するために、ソフトな側面を支える考え方や関連する理論や手法を紹介します。
SPEAKER
ユースキャリア研究所
代表
高橋 浩氏Hiroshi Takahashi
ユースキャリア研究所代表。博士(心理学)・ キャリアコンサルタント ・ 公認心理師。 1987年、NECグループの半導体設計会社に入社。半導体設計、品質管理、経営企画、企業内キャリアカウンセリングに従事。2011年3月退職。 2012年3月博士号取得、5月ユースキャリア研究所を設立。現在、企業・大学・行政において、キャリア開発に関する相談業務、研修講師、調査研究を行っている。主な著書『セルフ・キャリアドック入門』(共著・金子書房)、『社会人のための産業・組織心理学入門』(共著・産業能率大学出版会)。
本セミナーの受付は終了しました
第2回
2024/12/3(火) 14:00 - 15:30
中部電力グループは、70年の歴史の中でも、社会や暮らし、エネルギー業界を取り巻く環境が「激変」し、大きな転換期に直面しています。この変化の中で、これまでと変わらぬ使命の完遂と、事業環境の変化に対応した新たな価値の創出に向け、「人財一人ひとりの成長・活躍が企業価値そのもの」と捉えています。「多様な人財が活躍できる環境づくり」「自己変革に挑戦する社員への機会と支援の提供」という人財戦略2本の柱を従業員への約束として掲げ、多様な社員が自らのキャリアを考え、自律的にチャレンジし、ありたい姿の実現できる環境として、多様なキャリア開発機会を創出(セルフ・キャリアドック、マイキャリア公募、オンライン学習サービス等)し展開しています。本講演では、中部電力の人材戦略全体から、現キャリア支援施策検討に至る課題や理由、今後の課題についてお話します。
SPEAKER
中部電力株式会社
マネジメントサービス本部 人事センター ダイバーシティ推進グループ
専任課長
猿渡 清司良氏Sawatari Seishirou
中部電力入社後、第一線事業場の勤務を経て、主に人事部門(人事・教育)の業務に長く従事。特に若手社員の育成支援やダイバーシティ推進おけるシニア活躍支援等、社員の職業人生におけるスタートからゴール、さらにその先のキャリアをトータルにサポート。現在は、企業内キャリアコンサルタントとして、経営目標達成に向けた人的側面からのキャリア自律支援やマネジメント変革の取り組みを牽引。
第3回
2024/12/20(金) 14:00 - 15:30
成人期の危機と発達
中年期には、体力や気力、身体機能の衰え、残された時間に対する展望の狭まり、さらには今後自分がなしうる仕事や昇進の限界など、悩みが多く時期内面的に大きな問題を抱える時期です。それらを踏まえ、「自分の人生はこれでよかったのか?」と生き方の見直しを迫られる人もいるでしょう。それはまさにアイデンティティの危機ともいえます。本講演では、「中年期の危機」という言葉自体がまだ珍らしかった時代にこの分野を切り開いた講師から、はたらく中高年のアイデンティティ発達のメカニズムから、危機の乗り越え方までをお話しいただきます。
SPEAKER
広島大学 名誉教授
HICP東広島心理臨床研究室 代表
岡本 祐子氏Yuko Okamoto
広島大学名誉教授。HICP東広島心理臨床研究室代表。教育学博士、臨床心理士、公認心理師。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。
主著:『成人期における自我同一性の発達過程とその要因に関する研究』(風間書房,1994)、『中年からのアイデンティティ発達の心理学』(ナカニシヤ出版,1997)、『アイデンティティ研究の展望Ⅰ~Ⅵ』(共編著)(ナカニシヤ出版,1984-2002)、『アイデンティティ生涯発達論の射程』(編著)(ミネルヴァ書房,2002)、『アイデンティティ生涯発達論の展開』(ミネルヴァ書房,2007)、『世代継承性シリーズ 第1巻 プロフェッションの生成と世代継承』(編著)(ナカニシヤ出版,2014)、『世代継承性シリーズ 第2巻 境界を生きた心理臨床家の足跡─鑪幹八郎からの口伝と継承』(編著)(ナカニシヤ出版,2016)、『世代継承性シリーズ 第3巻 世代継承性研究の展望─アイデンティティから世代継承性へ』(編著)(ナカニシヤ出版,2018)、『世代継承性シリーズ 第4巻 経験の語りを聴く─人生の危機の心理学』(編著)(ナカニシヤ出版,2022)その他多数
第4回
2025/1/17(金) 14:00 - 15:30
100人100通りのキャリアの実現に向けて
パナソニックインダストリー株式会社は、2022年の事業会社化以降、人と組織が共に成長する会社を目指し、人財戦略コンセプト“想いを、動かせ。”を掲げ、抜本的な改革を始めています。一例として、自律的な社員のキャリア形成を後押しするための、本人発意を基軸とした「公募型異動・登用制度」の導入、年齢に関係なく活躍できる職場環境を目指す「定年年齢の65歳への引き上げ」等、新たな制度の実装に取り組んでいます。こうした改革の実効性をより高めるためには、制度構築に加えて、社員一人ひとりが会社の目指す姿に共感し、自律的にキャリアを考え行動することが求められます。そこで、これまで行ってきたパナソニックグループ一律のキャリア自律プログラムを見直し、パナソニックインダストリーの人財戦略に沿った独自のキャリア自律の推進を2024年度より開始しました。社員一人ひとりの想いを動かし、それぞれの個別のニーズに寄り添う、伴走型のキャリア自律支援施策の導入背景から実際の運用を紹介します。
SPEAKER
パナソニックインダストリー株式会社
人事戦略統括部人財開発部 キャリア・マネジメント支援課
課長
柄沢 恵里香氏Erika Karasawa
大学卒業後、富士通グループにてSE、人事部門を20年間経験し、2023年5月にパナソニックインダストリー株式会社に入社。若手社員からシニア・マネージャーまで幅広い世代に対してのキャリア支援施策・マネジメント支援を担当。現在は、社員のキャリア自律施策の企画、研修講師、面談に従事。1級キャリアコンサルティング技能士。
第5回
2025/2/5(水) 14:00 - 15:30
キャリアレジリエンスの科学
キャリアレジリエンスとは、キャリアにおける逆境や変化に対して適応し、前向きに対処する能力を指します。本講演では、まずキャリアレジリエンスの定義とその重要性について説明します。その後、キャリアレジリエンスをプロセスとして捉え、困難な状況にどのように対処するかという視点から、具体的なステップや戦略を紹介します。また、キャリアレジリエンスを発揮する個人要因に焦点を当て、どのような特徴やスキルが逆境を乗り越える力を強化するのかについても考察します。キャリアの道のりは、時に険しいものですが、適切なレジリエンスを育むことで、困難を乗り越え、自己成長を遂げることが可能です。この講演を通じて、キャリアレジリエンスの概念を深く理解し、実生活で実践できるヒントを得ていただければ幸いです。
SPEAKER
筑波大学
ビジネスサイエンス系
助教
池田 めぐみ氏Megumi Ikeda
東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。東京大学大学院情報学環特任研究員、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター助教を経て2024年4月より現職。研究テーマは、職場のレジリエンス、若手従業員の育成。分担執筆として関わった書籍に『活躍する若手社員をどう育てるか』 (慶應義塾大学出版会)、『チームレジリエンス:困難と不確実性に強いチームのつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター) など。
第6回
2025/2/26(水) 14:00 - 15:30
キャリア再編集のヒント
デジタル・情報技術の指数関数的な進歩や先進諸国における人権意識の高まりを背景に、私たち就業者の労働観や求められる能力にも大きな変化が突きつけられています。これからの時代、私たちは働くこと(仕事)を通じて経済的にも精神的にも真の豊かさを実感していくためにはどうすればよいのでしょうか。本セミナーでは、能動的に自らのビジネスキャリアを切り拓くために、「ワクワク感」「主体性」「学び直し」という3つの視点からヒントを探求します。なぜ、日本の就業者は自身の学びに投資しないのか。学び直しを阻むさまざまな心理的障壁(バイアス)と、それを助長する職場環境の課題を確認します。その上で、仕事におけるワクワク感を起点とした学び直しの考え方について、企業の事例とともに提示します。また、個人が自分らしいキャリアを再編集するための実践的なヒントを提案します。
SPEAKER
株式会社パーソル総合研究所
シンクタンク本部
上席主任研究員
井上 亮太郎Ryotaro Inoue
大学卒業後、現・LIXIL株式会社にて営業、マーケティング、PMI(組織融合)を経験。その後、学校法人産業能率大学に移り組織・人材開発の教育コンサルティング事業に従事。2019年4月より現職にて調査研究に従事し、機関誌HITO「はたらく人の幸福学」「動き出す、日本の人的資本経営」等を発表。その他、論文・コラム等執筆、講演など多数。専門は、HRM(HRD)、システムデザイン、感性工学。慶應義塾大学大学院特任講師、(社)はたらく幸せ研究会副代表、ビル管理会社代表取締役、デジタル庁・厚生労働省・経済産業省での外部委員などを兼務。
OUTLINE
日時 | 2024年11月19日~2025年2月26日(全6回) *1回単位でご参加可能です |
参加費 | 無料 |
形式 | WEBセミナー(Zoom) オンライン開催の注意事項はこちら |
対象者 | キャリア自律に関連した以下のような施策において課題を持つ、人事責任者、人財開発責任者、ご担当者 ・全社的な方向性/戦略の立案 ・社内公募など人事制度によるキャリアパスの提供 ・キャリア研修の企画・実施、リスキリングのための学習環境の整備 ・管理職によるキャリア面談、社内キャリアコンサルタントによるカウンセリング ※同業者(社員研修事業・人事コンサルティング事業・講師)・個人の方のお申込みはご遠慮ください |
参加方法 | ・お申込みいただいた方には、メールにてご参加URLをご案内いたします ・事前質問がある方は、お申込みフォームの備考欄に記入をお願いいたします ※メールが受信できない場合はこちら |
主催 | 株式会社パーソル総合研究所 |