「日本的ジョブ型雇用」転換への道 「日本的ジョブ型雇用」転換への道
公開日:2020/09/28 最終更新日:2021/12/22

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本プロジェクトについて

就業環境の変化により、日本型雇用は限界を迎えています。ジョブ型雇用への転換は1950年代から繰り返し叫ばれてきましたが、産業構造・就労者の反発、運用の困難さなどの要因から浸透していません。
パーソル総合研究所は、日本の産業構造・企業風土・労働慣行に即した現実的な「日本的ジョブ型雇用」を新たに定義し、転換へのステップ及びそれを支える政策基盤を示す必要があると考えました。
そこで前・日本総合研究所 副理事長でエコノミストの湯元健治氏を座長に迎え、本プロジェクトを立ち上げ、雇用問題に関する有識者の先生方のご協力のもと、日本型雇用の現状や課題、日本的ジョブ型雇用に転換するためのロードマップを議論し、企業・政財界に発信していきます。

プロジェクトが
始まるにあたって

渋谷 和久

株式会社パーソル総合研究所

代表取締役社長

渋谷 和久

特にこの数年、「日本型雇用」の限界と「ジョブ型雇用」への移行を勧める言説を多く目にするようになりました。一方で、多くの日本企業が従来の「日本型雇用」から足を踏み出せないでいるようにも見受けられます。

そこで、「人と組織」のシンクタンクであるパーソル総合研究所において、日本を代表する有識者の皆様の知見をお借りして、改めて「なぜ、ジョブ型への移行が必要なのか?」「ジョブ型に移行する際、現実的に直面する論点と有効な打ち手は何か?」を整理したいと考え、この取り組みをスタートしました。

我々のシンクタンク部門は現実社会、すなわち経営や人事、働く個人の意思決定/行動変容のお役に立つことに価値基準を定めています。よって、多くの日本企業に現実的に適用可能な「”日本的”ジョブ型雇用」のあり方につき、議論を深め、現実解を提示していきたい考えです。

経営と人事を考える皆様の思考と意思決定の一助になれば幸いです。

湯元 健治

前・日本総合研究所 副理事長

湯元 健治

日本型雇用システムの限界が指摘されて久しい。日本企業は、新たなシステムへの転換を模索してきましたが、その歩みは遅く、そうした中、コロナ・ショックを契機に、欧米で主流の「ジョブ型雇用」への転換を打ち出す企業が登場し始めました。ただし、その具体的仕組みや転換へのステップは各社各様であり、未だ試行錯誤の段階にあります。

本プロジェクトは、ジョブ型雇用の本質とは何か、日本の企業風土・雇用慣行と親和性の高い仕組みとは、転換へのさまざまなハードルをいかに克服するか、具体的なジョブ型雇用のモデルとは、企業の円滑な転換をサポートする政策の在り方など、幅広い観点から有識者を交えて議論し、提言として世の中に発信するもので、非常に時宜を得た意義深いものです。本プロジェクトの成果が人材能力を最大限発揮させることによって、イノベーションや生産性の向上、持続的な企業成長につながる一助となれば、幸いです。

Kenji Yumoto

1957年福井県生まれ。京都大学卒業後、住友銀行へ入行。94年日本総合研究所調査部次長兼主任研究員に就任。07年経済財政諮問会議の事務局として規制改革、労働市場改革、成長戦略などを担当。14年人民大学主催セミナーなどにパネリストとして招聘され、中国研究にも注力。

参加有識者

各テーマごとに有識者の方とパーソル総合研究所のプロジェクトメンバーが議論します。

  • 第1回議論
    テーマ

    日本的ジョブ型雇用と人事基幹制度

    参加者
    鶴 光太郎

    慶應義塾大学大学院商学研究科 教授

  • 第2回議論
    テーマ

    日本的ジョブ型雇用と人事機能

    参加者
    鶴 光太郎

    慶應義塾大学大学院商学研究科 教授

    水町 勇一郎

    東京大学社会科学研究所 教授

  • 第3回議論
    テーマ

    グローバル人事と日本的ジョブ型雇用

    参加者
    有沢 正人

    カゴメ株式会社 常務執行役員CHO

  • 第4回議論
    テーマ

    日本的ジョブ型雇用時代のエンプロイアビリティー強化と社会保障

    参加者
    中原 淳

    立教大学経営学部 教授

    山田 久

    株式会社日本総合研究所 副理事長

  • 第5回議論
    テーマ

    日本的ジョブ型雇用時代の労使関係

    参加者
    浅井 隆

    第一芙蓉法律事務所 弁護士

  • 第6回議論
    テーマ

    日本的ジョブ型雇用時代の人事部の在り方

    参加者
    守島 基博

    学習院大学経済学部 教授

    有沢 正人

    カゴメ株式会社 常務執行役員CHO

レポート

書籍

書籍
2021年11月9日発行

日本的ジョブ型雇用

湯元 健治、パーソル総合研究所 著/日本経済新聞出版
湯元 健治、パーソル総合研究所
著/日本経済新聞出版
全6回の議論を踏まえ、ジョブ型雇用の本質とは何か、日本の企業風土・雇用慣行と親和性の高い仕組みとは、転換へのさまざまなハードルをいかに克服するか、具体的なジョブ型雇用のモデルとは、企業の円滑な転換をサポートする政策の在り方など、現実に即した導入を提言します。

寄稿

●日経産業新聞「戦略フォーサイト」

2020年10月15日
日本的ジョブ型雇用―誤解が招く礼賛と嫌悪
2020年10月16日
日本的ジョブ型雇用―実は多様な制度、地域差も
2020年10月19日
日本的ジョブ型雇用―折衷制度の「役割型」普及
2020年10月20日
日本的ジョブ型雇用―戦後すぐにも導入ブーム
2020年10月21日
日本的ジョブ型雇用―欧米と違う「自律」の意味
2020年10月22日
日本的ジョブ型雇用―成果主義の失敗に学ぶ
2020年10月23日
日本的ジョブ型雇用―米国は日本の制度を参考
2020年10月26日
日本的ジョブ型雇用―進む「管理職から導入」
2020年10月27日
日本的ジョブ型雇用―在宅問題とは切り離して
2020年10月28日
日本的ジョブ型雇用―運用妨げる組織の文化
2020年10月29日
日本的ジョブ型雇用―雇用の流動化は別問題
2020年10月30日
日本的ジョブ型雇用―個人の再教育、誰が担う
2020年11月02日
日本的ジョブ型雇用―「玉突き人事」は難しく
2020年11月04日
日本的ジョブ型雇用―人材の多様性進める契機に
2020年11月05日
日本的ジョブ型雇用―市場の給与水準と比較

プロジェクトメンバー

  • 湯元 健治

    プロジェクト座長/研究顧問

  • 櫻井 功

    パーソル総合研究所
    エグゼクティブ フェロー

  • 後藤 裕子

    サラリーリサーチラボ 部長

  • 佐々木 聡

    上席主任研究員

  • 小林 祐児

    上席主任研究員

  • 岩本 慧悟

    研究員