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レポート

2018.11.13

HRリーダーズフォーラム 第5講
「課題解決ワークショップ(課題の設定)」

リーダー育成 人材育成 戦略人事

パーソル総合研究所は、「企業経営における戦略パートナーとしての人事」を実現するにあたってキーパーソンとなる次期リーダーの育成を本格的に支援するための学びの場として、「HRリーダーズフォーラム」を開講しました。10テーマにおよぶ人事領域の理論やプラクティスを学ぶ講義と、自社・自組織の課題への打ち手を考察するワークショップ、著名な人事変革リーダーの実体験を聴講する「人事変革ストーリー」など、さまざまな角度から人事パーソンとしての専門性とリーダーシップを高める全15回のプログラムを2019年3月まで開催していきます。


自社課題を主体的に解決するリーダーシップを育てるワークショップ

HRリーダーズフォーラムは、人事パーソンに求められる広範囲な領域の知識を学ぶ「講義」のほかに、「課題解決ワークショップ」「人事変革ストーリー」の3つの要素で構成されています。幅広い人事の知識・プラクティスをバランスよく理解するだけでなく、将来の人事リーダーとしてのリーダーシップを養成するプログラム設計となっており、特に、学んだ内容を自社の課題に適応するスキルやスタンスを習得することで、実行力の高いリーダーの育成を目指します。

第5講では、課題解決ワークショップの2回目として、各受講生がプログラム終了時の3月までに取り組む自社課題についてプレゼンテーションをし、レビュアーからフィードバックを受けて精査するといったアクションラーニング形式のセッションを行いました。

以下、ワークショップの概要です。

あなたの会社の「ひとと組織にまつわる課題」について、下記の要素で考察してください。
※課題は、次の条件に該当するものをピックアップすること

・あなた自身が探究できる、あなたが自分事として取り組みたいもの
・2020年を目処に解決できるもの

最終講で行う、プレゼンテーションは下記の6つの要素を盛り込んでください。
① 課題分析:課題は何か?
② 原因:課題が生まれている真因は何か?
③ 施策:課題を解決する施策の提案
④ 根拠:施策が奏功する根拠とインパクト
⑤ 予想される困難:抵抗勢力の乗り越え方
⑥ 宣言:何からはじめるか?

ナマゴエを拾えているか?

今回の課題の設定に先立ち、8月末に行ったワークショップのオリエンテーションの際に、本プログラム監修委員の中原淳 立教大学経営学部教授から「課題解決ワークショップの楽しみ方」として、現場や経営の情報収集の重要性と効果的なヒアリング手法についてのレクチャーが行われました。

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「人事は、普段から現場や経営の情報収集をどの程度しているだろうか?」という問いから始まり、「打ち手試してみたい症候群」「他がやっているから症候群」「現場白ける症候群」「情報鵜呑み症候群」といった人事が陥りやすい罠や情報行動特性をもとに4つのクラスターに分けられるといった人事タイプについて説明。人の側面から課題解決を行うためには、課題発見が起点となり、そのためには正しい情報収集が必要であるとして、5つのポイントを解説されました。なかでも、「ダラダラと"ナマゴエ"を採集すること」が受講生にとって普段の自身の行動からハッとさせられる学びになったようで、「わかった気になって箇条書きをしてしまっていたが、バイアスがかかっていると痛感した」というリフレクションも多く寄せられました。

「課題の設定」に向け、フィールドワーカーになったつもりでエビデンスをとった提案をしよう!と、傾聴のペアワークにも取り組みました。

このオリエンテーションから約1ヶ月。
受講生のみなさんはどんな課題を設定したのでしょうか?

課題の捉え方に意外と苦戦

受講者のプレゼンをレビューするのは、このHRリーダーズフォーラムのプログラム監修委員を始めとする経営者や人事スペシャリストたち。受講者のみなさんには、10分という限られたプレゼン時間の中で、自社の現状説明とその中から見つけた課題を説明してもらいます。通常業務でもなかなかこのような機会はないかもしれませんね。多くのみなさんが、かなり緊張をされていた様子でした。

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10分間のプレゼンが終わると、レビュアー2人が、一斉に(快晴)(晴れ)(曇り)(雨)(豪雨)のシートをあげて評価。その後、詳細なフィードバックや質疑応答タイムが20分間続きます。

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受講者の多くは、「何を課題と捉えるか」という部分で苦戦されているようでした。

レビュアーからの主なフィードバック内容

  • 経営戦略を人事戦略に翻訳するのが人事の仕事だが、経営戦略視点が足りていない。
  • 課題の捉え方がまだ緩い。離職者問題、女性活躍推進など、世の中一般的な課題であっても、それが本当に「今の自社にとって重要な課題なのか?」が伝わってこない。
  • Howありきで、それとWhyやWhatが論理的につながっていない。
  • 手段が目的化している。

辛口なフィードバックコメントも飛び交う中、日々の業務の中では、なかなか全体を俯瞰してロジカルに考える機会がないという気づきが得られたかもしれません。知識として学んだ内容を、自社の戦略へと実践していくアクションラーニング。今後の課題解決ワークショップでの、受講者のみなさんの成長が楽しみです。

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プログラム監修委員 櫻井's VIEW

第5講は「課題解決ワークショップ」の第二回、受講生一人一人が解決すべきテーマとして、来年3月の最終発表まで追いかけていく自社課題に関するプレゼンを聞く回であった。

とても楽しみにしていたのだが、評価結果は平均的に雨模様から大雨。

レビュアーは2人ずつ3つのグループに分かれ、「経営に資する課題か」「データで説明できているか」「今回学んでいることを生かしているか」等々の観点から評価したのだが、ほぼ共通した評価結果となった。

しかし、レビュアーたちが見ていたのは、テーマそのものは大事だが、実はそれ以上にそこに至る「思考のプロセス」と「努力の片鱗」であったことを、受講生たちには気付いただろうか。

人事の施策は経営に資するものでなくてはならないということは、すなわち経営者の理解を得られるものでなくてはならないということである。また、そのほぼ施策のすべてが全従業員に影響するため、多くの従業員を納得させる論理性がなくてはならない。にもかかわらず、日々の仕事に追われ十分なデータに基づく検討も、また資料の準備もないままの提案をすれば、経営者、従業員には支持されないのである。それでは「戦略人事」どころの話ではない。

次回のプレゼンでの受講生たちのもう一段の奮起に期待したい。(櫻井 功  パーソル総合研究所 副社長 兼 シンクタンク本部 本部長)

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