働く10,000人 成長実態調査 2021

全国の働く10,000人に聞いた働き方の実態と、
働くことを通じた成長に関する実態調査

多様な価値観を持った働く誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会の実現に向けて、
パーソル総合研究所では、人々の働き方や仕事観、仕事を通じた成長に関する実態調査を
毎年、働く10,000人を対象に実施しています。2021年度調査の結果は……

成長志向/成長実感

成長志向、成長実感ともに上昇傾向

「働くことを通じた成長」を重要だと思うか(成長志向)、また過去1 年間で仕事を通じた成長を実感したか(成長実感)を聞いた結果です。ともに上昇傾向で、調査開始以来、2019 年に次いで2 番目に高くなりました。なお、成長志向と成長実感のギャップは直近3年間、約26%と変化がありません。

成長志向、成長実感ともに上昇傾向

2021年のPOINT

2021年のPOINT 成長志向については、これまで低かった40代の上昇が特に目立つ。

成長イメージについて

8つの成長イメージ

「働く10,000人 成長実態調査2017」より
詳しくはコチラ>

成長イメージの「キャリアの明確化」などは上昇傾向

「働くことを通じた成長」についてイメージするものを8つのカテゴリに分け、得点をポイント化したものです。
順位は過去5年間変化なく同じですが、「成績・評価を得ること」「ワークライフバランスの充実」「キャリアの明確化」は増加傾向にあります。

「働くことを通じた成長」についてイメージするものについて、8つのカテゴリに分け、得点をポイント化したもの

学習実施率

社外学習実施率については、年々微増

業務外の学習・自己啓発活動は、間接的に「働くことを通じた成長」に寄与するもの。こうした社外学習実施率については、年々微増しています。

社外学習実施率については、年々微増
20代が直近1年で特に大きく増加

2021年のPOINT

新しい知識を得る学習時間は、非対面のものが上昇

社外学習の活動種類別に実施率を見ると、「研修・セミナー、勉強会への参加」など対面のものが減少。一方で、「通信教育・e ラーニング」といった非対面実施のものが上昇しました。

新しい知識を得る学習時間は、非対面のものが上昇

副業は販売と営業職で上昇

社外の業務経験から多くを学ぶことが期待できる副業。
実施率は「営業」「販売・サービス」で上昇しています。

副業実施率と副業希望率

TOPIC.1

在宅勤務が急増、業務の見直し・IT化、両立支援が進む

新型コロナ対応によって、在宅勤務が爆発的に増加。それに伴い、業務の見直しやIT化、育児・介護の両立支援が進んだようです。
特に業務の見直しやIT化はテレワーク実施率が高まった業職種、および大企業で増加傾向が見られました。また、働く人の働き方に対する意識・意向にも変化が見られます。

在宅勤務が急増、業務の見直し・IT化、両立支援が進む

在宅勤務が増加

在宅勤務実施率

組織の取り組みが促進

組織の取り組み実施率

「通勤の便」重視が減少

仕事探しで「通勤の便」重視する率

好きな場所で働きたいという意向が増加

働き方に対する意識の変化

TOPIC.2

残業減、会社満足度アップ。一方で宿泊・飲食業は休業が増加

営業職を筆頭に残業時間が減少。2020年4月に残業規制がすべての企業に適用されたこと、対面営業・訪問営業の自粛の影響などが考えられます。また、TOPIC.1のような働き方に対する組織の取り組みが進んだことや残業減少のためか、会社への満足度が上昇しました。特に、残業時間の減少が著しい業職種(インフラ業や金融業、および営業職)、在宅勤務化の進んだ情報通信業での上昇が目立ちました。一方、宿泊業・飲食サービス業では満足度が減少。これらの業種では、休職・休業の割合が2割近くまで増加し、問題は深刻なものといえます。

残業減、会社満足度アップ。一方で宿泊・飲食業は休業が増加

残業減少

残業減少

会社満足度UP

会社満足度UP

宿泊・飲食業 休業増加

宿泊・飲食業 休業増加

TOPIC.3

転職イメージは、成長・スキルアップなどのイメージが上昇

転職イメージは、「総合的にみてよいことだと思う」、また「成長につながる」や「スキルアップできる」、「キャリアアップできる」といったイメージが上昇。特に「キャリアアップできる」「市場価値が高まる」は20代や情報通信業で顕著に増加しています。情報通信業においては、「成長につながる」も大きく増加しました。副業・兼業解禁やテレワーク化が進む中、成長に向けたひとつの方法としての「転職」のイメージがより強く認識されてきたようです。

転職イメージは、成長・スキルアップなどのイメージが上昇
転職イメージ

調査への影響が想定される社会的背景

新型コロナ感染拡大の影響で生活や働き方が一変した2020年

2020年は、言わずもがな新型コロナウイルスの感染拡大とその対応に終始した1年でした。これまで伸び続けていた求人倍率も低下し、失業率はリーマンショックのあった2009年以来の上昇となりました。また、2019年4月の法施行より具体的に動き始めた働き方改革の影響も見逃せません。

新型コロナ感染拡大の影響で生活や働き方が一変した2020年

※有効求人倍率〔厚生労働省:一般職業紹介状況について〕/完全失業率〔総務省統計局:労働力調査〕/
doda転職倍率〔転職サービス『doda』転職求人倍率レポート:各月の倍率を基に年平均算出〕/
GDP 増減率〔内閣府2020 年8 月発表:4 ~ 6 月期の国内総生産(GDP)速報値〕

統括コメント

2021年の成長実態調査からは、成長を志向・実感する人は変わらず増加傾向にあること、特に成長志向は、これまで低かった40代で特に増加していることが見えてきました。終身雇用が多くの企業で現実的ではなくなり、同時に高齢者の雇用が延長される中で、これまで成長意欲が低かった40代を筆頭に、自律的なキャリア形成に向けて成長意欲が高まっていると考えられます。若手を中心に、転職を「成長につながるもの」と前向きに捉える見方も強くなりました。
そのような中で、2020年はコロナ禍が人々の働き方を大きく変えました。在宅勤務が急激に増加し、それに伴い、業務プロセスのIT化や、育児・介護との両立支援といった企業の取り組みも増加しました。働き方改革の残業規制がすべての企業に適用され、残業時間も大きく減少しました。柔軟でワークライフバランスがとれた働き方が実現されてきており、働く人の満足度向上につながっています。
コロナ禍を乗り越えた先に、働く人の成長と満足の両輪が、より一層実現していくことが期待されます。

経年データ・年度別データ

経年データ

働き方の実態と意識、成長について聞いた
働く10,000人の就業・成長定点調査
(調査開始2017年~)

その年の社会影響が色濃く表れたもの、ある視点で一部を切り取って詳細に分析したものまで、さまざまな角度から、人々の「働くことを通じた成長」の実態や変化についてご紹介しています。

調査概要

調査主体

株式会社 パーソル総合研究所

調査名

働く 10,000人 の就業・成長定点調査

調査対象者

全国男女 15-69 歳の有識者 10,000 人
(性別及び年代は国勢調査の分布に従う)

調査期間

2017年より毎年2〜3月に実施

※このページのグラフ内数値について
四捨五入処理の関係上、グラフ上の合計と
異なる場合があります。

主な調査項目(一部例)

  • ・調査対象者のデモグラフィック情報
  • ・働き方の実態/ ニーズ
  • ・仕事選びの際の優先事項
  • ・残業時間・勤務制度
  • ・組織の取り組み
  • ・転職の回数/ イメージなど
  • ・今後の勤続意向
  • ・希望する就労年齢
  • ・成長の重要度/ 実感/ イメージなど
  • ・満足度、感情状態
  • ・社外の学習・自己啓発

引用についてのお願い

本データの引用にあたっては、必ず以下の【出典記載例】に則って、出典をご明記ください。

【出典記載例】 出典:株式会社パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査」

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