「はたらくソーシャル・リスニング(24年度下半期)」を発表
「103万円の壁」が前年比約1,390倍―制度疲労と“働き控え”のリアルがSNSにあふれる

「通称使用」「ドナー休暇」も上位に。ソーシャル・リスニングで浮き彫りになる“はたらく制度の限界”

株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩田 亮)は、生活者の生の声をもとに「はたらく」トピックスのトレンドを可視化する、「はたらくソーシャル・リスニング(2024年度下半期)」を発表いたします。(分析対象期間:2024年10月~2025年3月)

本調査では、SNS・ブログ・レビューサイト・掲示板など、国内10万のソーシャルメディアから取得した「はたらく」に関する投稿(サンプリングデータ)を定期的に分析。今回の調査で最も投稿増加率が高かったのは「103万円の壁」で、前年同期比約1,390倍という圧倒的な伸びを記録。制度変更に対する期待や、“税負担の軽減につなげてほしい”という複雑な声が投稿から浮かび上がりました。

 

データ取得先:X、YouTube、各種ブログ、掲示板、各種ニュースサイト、レビューサイトなど日本国内10万ドメインのデータソースより投稿データ(サンプリングデータ)を取得。24年度下半期の投稿数が5000以上のトピックに限定。

 

2024年度下半期の投稿増加率上位ワード(上位5ワード)

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※24年下半期のメンション数が5000以上のトピック。メンション数:該当キーワードの投稿回数。1回の投稿文中に複数回使われている場合は、複数回分をカウント

 

分析コメント

パーソル総合研究所
主席研究員 小林 祐児

2024年度の下半期も、多様な労働関連のトピックが人々の間で注目を集めた。

目立ったのは、社会保険料や所得税負担について、与野党の間で、金額見直しや撤廃の議論が活性化し、関連ワードは急激に話題を集めた。そもそもの制度の複雑さも手伝って、解説記事やコメントも大量に投稿された。労働力不足や物価高が進む中で、社会全体に大きく影響を与える制度変更であり、25年度も引き続き議論は活性化しそうだ。

昨年度から連続して上昇してきたのは、「人手不足倒産」(18位)である。コロナ禍の各種補助からの反動や、建設・物流業界の労働時間制限が開始されたこと、その他人件費やコスト上昇により、倒産数が大きく増えてきている。成長分野への円滑な労働移動が叫ばれる中で、倒産した企業からの労働移動が実際にどう起こっていくかも実証的検証が望まれる。

「ジョブ型」「賃上げ」「春闘」については、昨年ほどの話題にはならず、世間やメディアの熱としては冷めてきている様子がうかがえる。その一方で、企業の動きとしてはそれぞれ続行している事柄であり、トレンドとして消費せずにしっかりとした追跡が必要だ。

 

2024年度下半期の投稿増加率上位ワード

2024年度下半期において、前年同期からの投稿増加率が高かったトピックは以下。

<6-10位>

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<11-20位>

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24年度下半期のピックアップ・トレンド①:年収の壁撤廃/見直し関連の議論が急激に注目を集めた。

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24年度下半期のピックアップ・トレンド②:人手不足倒産・労働力不足・労働力人口の話題が増加。

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2024年度下半期の投稿減少率上位ワード

2024年度下半期において、前年同期からの投稿減少率が高かったトピックは以下。

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24年度下半期のピックアップ・トレンド③:ジョブ型、賃上げ、春闘の話題がやや減少

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※本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所」と明記してください。

※報告書内の構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合があります。

調査概要

調査名称

パーソル総合研究所 「はたらくソーシャル・リスニング/24年下半期」

調査内容

・インターネット上の投稿内容から、労働・組織に関わるトピック・トレンドの現状を理解する。
・時系列で比較によって雇用関連のトレンドを動態的に把握する。

分析対象

■データ収集元:日本全国のSNS、ブログ、ニュース、掲示板、レビューサイトなど日本国内10万ドメインのデータソースより投稿データ(サンプリングデータ)を取得。「労働」「人材マネジメント」「組織」「働く」関連のワードが含まれる投稿について分析

■データ取得先:X、Youtube、各種ブログ、掲示板、各種ニュースサイト、レビューサイトなど

調査手法 SNS分析ツール Quid Monitor(TDSE株式会社提供)を使用し、パーソル総合研究所分析。
取得時期 2024年度下半期(10月1日-3月31日)と2023年度同期の投稿データ比較
実施主体 株式会社パーソル総合研究所

 

■【株式会社パーソル総合研究所】<https://rc.persol-group.co.jp/>について

パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、人材開発・教育支援などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。

■【PERSOL(パーソル)】<https://www.persol-group.co.jp/>について

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、BPOや設計・開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開するほか、新領域における事業の探索・創造にも取り組み、アセスメントリクルーティングプラットフォーム「ミイダス」や、スキマバイトアプリ「シェアフル」などのサービスも提供しています。
はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」 を実感できる社会を創造します。

問い合わせ先

株式会社パーソル総合研究所 広報
TEL:03-6385-6888 Mail:

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