近年、構造的な人手不足が深刻になるなか、労働生産性をいかに高めるのか、議論が活発に行われている。その中で大きな焦点となっているのが、働く個人ひとりひとりの「成長」だ。 企業・組織にとっても、就業価値観や働き方が多様になり、それぞれのメンバーに適した成長機会をどのように提供していくのか、より深刻に問われている。
そこで2017年、パーソル総合研究所は、人々がどのように働き、成長をどう捉え、成長をどのように実感しているかをテーマとした大規模な定点調査をスタートさせた。あらゆる雇用形態・業職種を対象とした1万人にアンケート調査を行い、働き方の実態と意識、そして成長についてのイメージを確認しながら、「働くことを通じた成長」の全貌について今後、
経年で明らかにしていく。
働くことを通じた成長イメージの内容について、全30項目の回答をもとに、
因子分析によって以下の「8つの成長イメージ」を抽出した。
視野の拡大
効率性の向上
専門性の向上
報酬の向上
より高い成績・
評価を得ること
ワーク・ライフ・
バランスの充実
キャリアの明確化
コミュニケーション
力の向上
成長イメージへの回答をもとに指数化したところ、全体で「報酬の向上」イメージが最も高く、働く人々の成長イメージの基礎となっている様子がうかがえる。2位以下はなだらかで、「専門性の向上」「効率性の向上」が続いた。
働くことを通じた成長の重要性についての回答から、以下に「重要」だと
感じている人の割合を示す。
全体で8割近くの人が働くことを通じた成長を「重要」だと考えている。また、年齢を重ねてもそうした成長への志向性が大きく落ちないことが特徴的で、高齢者でも成長への志向性が失われていないことがわかる。
過去1年間を通じて働くことを通じた成長の実感についての回答から、以下に
「実感」できている人の割合を示す。
成長を「実感」している人の割合は、約5割程度。上述の「重要」だと思っている人と比較すると、志向と実感の間に大きなギャップがあることがわかる。また、実感している割合は高齢になるほど顕著に下がっていく。
今回の調査をもとにした成長についてのより詳細な分析を、順次アップしていきます。
2017.11.08
成長志向と実感の効果比較
2017.11.08
日本人の5つの成長タイプ
2017.11.08
職種別成長実態
2017.12.14
ミドル・シニア正社員と成長の関係
2018.01.24
転職は人を成長させるのか
「働く1万人 成長実態調査 2017」全質問について、属性別に
分けたデータ集がダウンロードできます(PDF)
引用時の表記・利用条件等は資料内のガイドをご参照ください。
働き方の実態と意識、成長について聞いた
働く10,000人の就業・成長定点調査
(調査開始2017年~)
その年の社会影響が色濃く表れたもの、ある視点で一部を切り取って詳細に分析したものまで、さまざまな角度から、人々の「働くことを通じた成長」の実態や変化についてご紹介しています。
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