2023.11.10
シニア就業者の意識・行動の変化と活躍促進のヒント
法改正によって70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となり、シニア個人の就業率も年々上昇を続けています。こうした近年の動向を受け、シニア就業者に今後さらに活躍してもらうにはどうすればよいか、企業・個人双方にとっての工夫のポイントを探りました。
今回の調査では、働くことを通じた成長働き方の実態働く人の価値観働く人の状態 の4つのカテゴリーについて調査を実施しました。
この項目では、働く人の成長に対する意識を、
イメージ志向実感の3つの観点から調査しました。
成長に対するイメージは、調査初年度に実施した分析で抽出された、8つの成長イメージから調査しています。
働くことを通じた成長実感は、人がイキイキと働く上で、重要な要素であることが分かっています(コラム参照)。日々の仕事の中で、働く人々が「成長」をどれほど重視し、また実感できているのか、そもそも何が成長だと捉えられているのか、経年での変化を見ていきます。
全体動向
これまでの調査結果では、仕事での成長を重視している人の割合は約半数、過去1年間に仕事での成長を実感した人の割合は約8割となっており、横ばいの傾向にあります。仕事での成長に対するイメージについては、「報酬の上昇」のイメージが低下傾向にあり、「ワークライフバランスの充実」や「キャリアの明確化」がゆるやかな上昇傾向にあります。何を仕事での成長と捉えるかが、徐々に変化しているようです。
この項目では、働き方の実態を、
残業時間勤務制度転職回数組織の取り組み学習・自己啓発の5つの観点から調査しました。
近年の社会情勢の変化や情報技術の発達により、働き方の実態は大きく変化しています。個人の働く時間や場所、転職、仕事外の学びなどとともに、組織の長時間労働是正や育児・介護との両立支援などの取り組みの状況を、経年で見ていきます。
全体動向
これまでの調査結果では、コロナ禍を経て2021年にかけて増加した在宅勤務や副業・兼業の希望者が、2024年に減少しました。コロナ禍が収まったことで、働く人の志向性に揺り戻しが起きていることがうかがえます。勤務先の施策としても、在宅勤務・オフィス外勤務が促進されている割合は減少。一方で、副業・兼業の制度の導入率は変化がありません。
この項目では、働く人の価値観を、
仕事選びの重視点働き方の意識勤続意向転職イメージ希望する勤労年数
5つの観点から調査しました。
近年の社会情勢や働き方の変化によって、働く人々の価値観には大きな変化が起こっていると考えられます。仕事を選ぶ上で重視するポイントや、昇進・転職・人生で何歳まで働きたいかといったキャリアに対する価値観が、経年でどう変化するのかを見ていきます。
全体動向
これまでの調査結果では、仕事を選ぶ上で重視することとして、「やりがいを感じられること」が減少傾向にあります。反対に「副業・兼業ができること」や「入社後の研修や教育が充実していること」を重視する人がわずかに増加傾向にあります。また、2023年から2024年にかけて、特に男性の管理職意向が低下しました。管理職の負担の増大や待遇の低下などが影響していると推察されます。
この項目では、働く人の心的状態を、
満足度の観点から調査しました。
働く人の価値観や働き方が変化していく中、働く人の心的状態にも少なくない影響があると考えられます。
仕事への満足度は高まっているのかを、経年で見ていきます。
全体動向
これまでの調査結果では、会社に満足している人の割合は約半数となっており、2018年以降、横ばいで推移しています。プライベートへの満足度が最も高く、59%が満足と回答しています。一方、直属上司への満足度は48%とやや低い傾向があります。
データ詳細ページでは、質問を項目別に閲覧することが可能です。
質問項目が複数あるデータも、一斉にカテゴリー変換される為、比較しながらで確認することができます。
グラフは、
全体雇用形態別性別年代別(男性)年代別(女性)職種別
に切り替えて表示することができます。
初期表示では、調査最新年の全体が表示されています。
右上の切り替え機能から、表示データを切り替えることができます。表示を切り替えると、全てのグラフデータが一斉に切り替わります。
+マークにマウスオンをすると、より詳細な数値をみることができます。
調査主体
株式会社 パーソル総合研究所
調査名
働く10,000人の就業・成長定点調査
調査対象者
全国男女15-69 歳の有職者
(性別及び年代は国勢調査の分布に従う)
対象人数
10,000 人
調査期間
2017年2-3月~毎年2-3月に実施
引用についてのお願い本データの引用にあたっては、必ず以下の
【出典記載例】に則って、出典をご明記ください。
【出典記載例】 出典:株式会社 パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査」
本調査データは、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター(SSJDA)に寄託を行っております。
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2023.11.10
法改正によって70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となり、シニア個人の就業率も年々上昇を続けています。こうした近年の動向を受け、シニア就業者に今後さらに活躍してもらうにはどうすればよいか、企業・個人双方にとっての工夫のポイントを探りました。
2022.08.18
「働く10,000人の就業・成長定点調査」のデータから、若手社員の成長や就業に関する意識変化に着目し、今の若手社員像を浮き彫りにします。 また、2020年から急速に普及した在宅勤務が 若手社員の働く意識にどのような影響を与えているのかも提示します。
2021.07.06
終身雇用の縮小や高齢者の雇用延長、働き方改革による残業規制の全企業へ適用、そしてコロナ禍。働き方の大きな変化に伴い、 人々の「成長」はどう変化したのか。「成長志向・実感」「成長イメージ」「学習実施率」に着目しご紹介します。
2017.11.18
働くことを通じた成長について「イメージ」「志向」「実感」の3つの観点から人々の意識志向を調査。 回答を基に抽出した「8つの成長イメージ」から成長イメージの傾向や、性年代別の志向や実感について明らかにしました。
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