変化の真っ只中にあるHR業界で
社会全体を対象とした
研究ができることが最大の魅力です

変化の真っ只中にあるHR業界で
社会全体を対象とした
研究ができることが最大の魅力です

シンクタンク
上席主任研究員

小林 祐児

研究で「社会を変える」という
“青臭い”ビジョンに魅力を感じて転職

大学院で社会学を学び、労働や働く人の在り方には広く興味がありました。大学院卒業後、世論調査機関やマーケティング・リサーチ企業で調査を軸にキャリアを積み上げてきていたので、研究者としての次のキャリアアップを見据え、3年前にパーソル総合研究所に転職してきました。

入社を決めた理由は、パーソル総合研究所が社会課題に近い調査を行っていたからです。アカデミックな世界に閉じ込もらず、「真に社会を変えるための研究をする」というビジョンを強く感じた会社でもありました。研究所にありがちな堅苦しさがなく、純粋に社会への還元を目指して研究を行っていくという良い意味での“青臭さ”を感じたことを覚えています。

また、受託事業ではなく、何をテーマにし、どう研究を進め、どこに届けていくのか、全てを自分たちが主体となって決めていけるところにも惹かれました。

これからは「感覚」ではなく
「エビデンス」をベースに、だから面白い

HR業界は、ちょうど潮目が変わろうとしている時期。このタイミングで飛び込んで良かったと思っています。例えば、これまで多くの企業では、採用や異動・配置、定着・育成といった人的資源管理に関して、マネジメント層や実務担当者によって「感覚」と「前例」に基づいた意志決定がされてきました。人にまつわる意思決定を、データ化された社員情報という「数字」で決めることに潜在的な抵抗感があったのかとも思います。

それがここ数年、業務にかかわるデータ整理や統計ソフト、BIツールなどの充実によって情報分析の基盤が整い、エビデンスに基づいた意思決定に変わりつつあります。

一口にエビデンスといっても、実験群と統制群を分ける対照実験に見られるような「厳密なエビデンス」から、有識者意見のような「緩いエビデンス」まで、階層があります。今後、リサーチと分析のスペシャリストとしてのスキルを活かしつつ、この業界で議論されるエビデンスの階層をより厳密なものへ近づけていくことはとても魅力的です。

また、パーソル総合研究所に入って、スキルの幅も「上流」と「下流」に大きく広がりました。「上流」というのは、研究テーマの設定についてです。テーマ立案時には、企業や社会のニーズ、課題、学術的な貢献度や意義と絡ませながら「なぜ今この研究を選択するのか」、その理由を明確にする必要があります。これまでの調査機関やリサーチ企業で行っていた調査では、なかなかこの“文脈”ごと考えることはありませんでしたから、これまでと大きく変化した点です。

「下流」というのは、レポーティングを届けていく相手となる“宛先”のことです。研究結果の宛先は企業やアカデミックな世界に留まらず、社会全体になることもあります。宛先の範囲が広いほど、「伝わりやすいこと」「目にとまること」が重要です。そのため、データの可視化やグラフ表現など、レポーティング・スキルはもちろん、広報や編集部と組んでタイトル文言から相談するなど、全てのアウトプットの質にこだわり、考え抜くようになりました。

「やりたいことがある」それなら
パーソル総合研究所向きかもしれません

私は入社してすぐ、アルバイト・パート雇用の課題解決を目指したプロジェクトにアサインされました。人材育成研究の第一人者である中原淳氏との共同研究で大手企業8社を対象に、約25,000人、35種類もの大規模な調査分析を行いました。豊富なデータや分析結果は書籍の形で世に出したほか、ラーニング部門の研修開発へと接続し、映像を活用した新しい研修商材にもなりました。成果が目に見える形になったことも嬉しかったですが、パーソルグループ内で年に一度、最も優秀なプロジェクトに与えられる「ビジョン賞」の一つに選ばれ、アメリカ・サンフランシスコに1週間行けたことも良い思い出です。

こうした成果を生んでいくためには次の研究テーマとなりそうな課題は何か、常にアンテナを張っていないといけません。インプットがなければ、何も生まれない。そのため、仕事外でも幅広く関心を持つことが大事で、自分自身も1日1冊の読書を目標にするほか、映画や美術館、旅行などを通してさまざまなインプットを行っています。そうしたインプットの時間を確保する面でも、パーソル総合研究所はワークライフバランスをとりながら仕事ができるので、とても働きやすいですね。社員一人ひとりの自主性を重んじたマネジメントが行われているので、自身の業務に合わせてある程度働く時間は調整できますし、働く場所も縛られていません。都内各所にあるグループ企業のオフィススペースはもちろん、図書館やカフェなどを利用して生産性を上げています。

研究に正解はありません。特に、シンクタンク本部のリサーチ部には特定の決まった顧客がいないため、誰かが解くべき問題やミッションのゴールを設定してくれるわけではありません。ですから、「自分の中にハッキリとやりたいことがある人」や「今の社会やビジネスに課題を感じている人」向きの環境だと思います。誰もが関わる「労働」についての研究ですから、その結果はブーメランのように自分自身に返ってきます。自分の働き方や組織に投影できるところが面白いですし、そういうことを面白がれる人にとっては、とても楽しい職場だと思いますね。

Yuji Kobayashi 上智大学大学院総合人間科学研究科社会学専攻修了。世論調査機関で勤務後、総合マーケティングリサーチファームに入社。市場調査の企画からレポーティング業務まで幅広く従事。2015年10月入社。既刊書籍(共著)に『アルバイト・パート採用・育成入門―「人手不足」を解消し、最高の職場をつくる』(ダイヤモンド社)、『マーケティング・リサーチの基本』(日本実業出版社)。近刊として『希望の残業学(仮)』(光文社新書・共著)、ミドル・シニアの働き方に関する著作(ダイヤモンド社)など。
公開日:2018年6月20日

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