2022年の登場によって世界を震撼させた
「Chat GPT」をはじめ、
技術進化が目覚ましい生成AI。
その影響は、あらゆる産業および
仕事に及ぶと指摘されています。
生成AIの進展によって、今後、人々の仕事や
働き方、ひいては企業の人材マネジメントは
どのような影響を受けることが
予想されるのでしょうか。
そこで本企画では、特に生成AIが
HR領域に及ぼす影響について、
さまざまな分野の
専門家にご意見を伺いました。
AI総合研究所
NABLAS株式会社
代表取締役／所長
中山 浩太郎氏
ChatGPTなどのAIによる文章生成技術や高度な対話機能は、さまざまな産業に一段と大きな変化をもたらすことが予想されている。ChatGPTに代表される新しいAI技術は今までのAIと何が違うのか、また、HR領域ではどのように活用でき、どのような利点があるのか。AI総合研究所 NABLAS株式会社の中山浩太郎氏に伺った。
慶應義塾大学商学部 教授
山本 勲氏
AIは今後、果たして働く人々の脅威になるのか、あるいは助けになるのか。労働経済学の観点で、AIとウェルビーイングの研究を行っている慶應義塾大学商学部の山本勲教授に、ChatGPTをはじめとした生成AIが働く人のウェルビーイングにどのように影響するのかを伺った。
東京大学大学院 経済学研究科・
公共政策大学院 教授
川口 大司氏
少子高齢化が進行し、経済を支える労働力が不足しつつある日本。政府も危機感を持ち、対策を打ち出しているが、未だ解消の道筋はついていない。そこで活用が期待されるのが、ChatGPTをはじめとした最新のAI技術だ。AIは今後、雇用や労働市場にどのような影響を及ぼすのか、東京大学で労働経済学を専門に研究する川口大司教授に見解を伺った。
慶應義塾大学大学院 政策
・メディア研究科 特任教授
岩本 隆氏
ChatGPTをはじめとした生成AIは、さまざまなビジネスシーンで存在感を高めており、HR領域も例外ではない。人材採用や育成、配置などを行う人材マネジメントにおいても、革新的な変化が起こる可能性がある。今後、生成AIを人材マネジメントにどのように活用したらいいのか、HRテクノロジーに詳しい慶應義塾大学の岩本隆氏に伺った。
西村あさひ法律事務所
パートナー弁護士／
アメリカ・ニューヨーク州弁護士
福岡 真之介氏
ビジネスの現場に大きな変革をもたらすといわれている「ChatGPT」をはじめとする生成AI。しかし誕生してから間もないため、ガイドラインや法整備が追いついていないのが現状だ。生成AIの利活用にはどのような法的リスクがあるのか、企業はどのように対応すべきなのか、AI関係の法務に詳しい弁護士の福岡真之介氏に伺った。
NEC AI・アナリティクス統括部長／
NECアカデミー for AI 学長／
NEC Generative AI Hub シニアディレクター
孝忠 大輔氏
IT業界に限らず、今後ますます需要が高まるAI人材。社内育成、アウトソーシングともにさまざまな難しさも指摘される中、ChatGPTの普及で、職種を超えてAIスキルが求められる時代にどのような人を、どのように育てていけばいいのか。「NECアカデミー for AI」の学長を務め、国内のAI人材育成をリードする孝忠大輔氏に伺った。
株式会社人的資産研究所
代表取締役
進藤 竜也氏
株式会社TDAI Lab
代表取締役
福馬 智生氏
誰もがAIを使いこなす時代が間もなくやってくると予測されている。今後、どのような人材が求められるのか。HR領域における影響や人事部門の在り方は、どのように変化するのか。AIをはじめとするテクノロジーを用いた人材育成に携わる両氏に伺った。
シナモンAI会長兼チーフ・サステナビリティ・
デベロプメント・オフィサー（CSDO）
加治 慶光氏
「AIで世界の進化を加速させる」をミッションに掲げ、AIのビジネス実装を手がける「シナモンAI（株式会社シナモン）」。生成AIの普及によって労働市場はどう変わるのか、その変化に組織と個人はどう向き合うべきか、同社会長を務める加治氏に伺った。
連続起業家
孫 泰蔵氏
生成AIの登場は、働き方の変化を少なくとも10年は前倒した。人が機械のようにやらされていた仕事の多くをAIが担う時代が間もなく到来する。その代わり、空いた時間を自分や仲間のために使えるようになる。「今こそ、自分が本当にやりたいことは何かを問い直すべきだ」と述べる孫泰蔵氏に話を伺った。
独立行政法人経済産業研究所（RIETI）
リサーチアソシエイト
岩本 晃一氏
ChatGPTをはじめとする生成AIに取って代わられる仕事の数々が取りざたされているが、実際にはどのような変化が予測されるのかについて、AIと雇用の問題に詳しい経済産業研究所の岩本晃一氏に伺った。
従来の「識別」を得意としたAIから、「新しいアウトプットを生み出せる」生成AIへ。
劇的に進化した生成AIは、確実に、私たちの仕事や働き方、
また日本の企業や労働市場に影響を及ぼすでしょう。
《多くの煩雑な業務を生成AIに任せ、人はもっと人と向き合うことに時間を費やす。
より高度な新しい仕事に取り組む。それにより、生産性や人々のウェルビーイングが向上する。
また、なかなか進まない日本企業におけるイノベーションの突破口になる可能性もある――》。
専門家たちのインタビューを通じて聞こえてきた意見は、
総じて、生成AIに対し、こうした前向きな期待を寄せるものでした。
もちろん技術面でも、社会的・法的な側面でも、生成AIと協業していくには、
まだまだ大きなリスクがあることは否めません。
しかし、そのリスクに怯え立ち止まっていては、
生成AIによって享受できるはずの果実も遠のいてしまいます。
インタビューの中で『生成AIをみんなで育てていく』という話がありましたが、
『生成AIと共に育っていく』くらいの姿勢で、人事をはじめ、
働く人すべてに変化を楽しむことが今求められているのかもしれません。
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