- 本プロジェクトについて
長期的な人口減少が見込まれる中、日本企業・社会全体、働く個人すべてにとって、外国人材との共生は不可避かつ喫緊の課題である。
本プロジェクトは、日本の外国人労働にまつわる課題をエビデンスを元に整理し、外国人材の採用・定着・マネジメントのためのヒント、さらには真の意味での共生を実現するための方策を探求する。
- CONTENTS
公開日 : 2020/06/15 更新日 : 2021/02/02
調査・レポート
外国人材の急速な流入を背景に、企業・自治体・国の対応は未だ十分とは言えず、
採用・定着・共生、いずれのフェーズにおいても、課題が山積している。
そこで、日本の外国人労働にまつわる課題を把握するための客観的なデータを収集する。
採用・定着
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01
- 外国人雇用に関する企業の意識・実態調査
- 外国人と日本人の賃金格差や離職率など、企業側の外国人材雇用の実態や課題、ニーズを明らかにします。
公開日 : 2019/09/27
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02
- 外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査
- 外国人材をマネジメントする現場の課題を把握し、より良いマネジメント（外国人材の定着・活躍）の在り方を探り、外国人部下を持つ上司自身の離職のリスクやその回避方法を明らかにします。
公開日 : 2019/11/19
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03
- 日本で働く外国人材の就業実態・意識調査
- 日本で働く外国人材の労働環境の把握、定着を阻害する要因を明らかにします。
公開日 : 2020/02/07
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04
- 留学生の就職活動と入社後の実態に関する定量調査
- 外国人留学生、元外国人留学生の就職活動に関する意識・実態を把握し、就職後の定着・活躍に関わる就職活動要因や入社後の企業のサポート体制を明らかにします。
公開日 : 2020/06/24
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05
- 高度外国人材に関する定性調査
- 高収入な高度外国人材の日本で働く動機・実態および仕事上の満足点・不満点を通し、期待とのギャップや障壁となっている環境要因を明らかにします。
公開日 : 2020/10/23
企業・団体インタビュー
外国人材を雇用している企業、外国から留学生を受け入れている学校、外国人と共生している地域社会では、
試行錯誤しながらも様々な取り組みを行っている。
企業や団体の垣根を超えて情報・知見を共有するために、成功事例や失敗事例、留意点などを明らかにしていく。
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01
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日本は憧れの就職先ではない
正しい危機感を持って、高度外国人材の採用定着対策を -
独立行政法人
日本貿易振興機構(ジェトロ)
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日本は憧れの就職先ではない
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02
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急増する外国人材
さらなる採用・定着を目指し、挑み始めた本部としての取り組み -
株式会社
セブン-イレブン・ジャパン
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急増する外国人材
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03
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外国人雇用のポイント
- パート・アルバイト領域 -
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パーソル総合研究所
日比谷 勉
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外国人雇用のポイント
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04
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外国人雇用のポイント
- 高度外国人材領域 - -
バイリンガル・リクルートメント・ソリューションズ
ナイーム・イクバル
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外国人雇用のポイント
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05
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来日直後の留学生が
アルバイトを通じて
就職・活躍できるまでの架け橋に -
株式会社 学生情報センター
田中 裕
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来日直後の留学生が
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06
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外国人が地域社会の構成員として
安心して暮らせる多文化共生社会の実現を目指して
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一般財団法人自治体国際化協会
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外国人が地域社会の構成員として
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07
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「特定技能」外国人材が
日本で活躍・定着するための
一気通貫サービス
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PERSOL Global Workforce株式会社
多田 盛弘
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「特定技能」外国人材が
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08
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高度外国人材獲得の鍵
〜シンガポール市場から紐解く〜 -
PERSOLKELLY Pte Ltd
安斎 昌朗
BTI EXECUTIVE SEARCH PTE LTD
Jonathan Guilfoile
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高度外国人材獲得の鍵
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09
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IT外国人材マネジメントの要諦
日本企業の苦労、注力している取り組みや工夫 -
株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ
藤本 勝則
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IT外国人材マネジメントの要諦
機関誌
外国人労働者に関する政策の経緯や政府統計データなどの基礎情報、
外国人材の雇用形態別のはたらく実態や活躍推進のヒント、
受け入れ現場の苦悩、企業に求められる意識改革などをまとめた一冊。
機関誌HITO vol.15
開国、ニッポン！
～試される日本企業、外国人材に選ばれるにはどうするか～
近年、急増する日本で働く外国人材。2019年4月には新在留資格「特定技能」の創設を含む改正出入国管理法が施行され、受け入れ拡大に向けた動きが進んでいます。パーソル総合研究所が行った調査では、外国人採用を積極的に進める企業とそうでない企業の二極化が進む現状や、ノウハウや企業サポートの不足により、受け入れ現場の日本人上司が疲弊しつつある状況が明らかになりました。企業はどのようなことに注意しながら、外国人材の採用・活躍推進を進めていけばよいのでしょうか。高度外国人材やパート・アルバイト領域における取り組み方について、調査分析、識者・企業事例の取材等を通して、そのヒントを探りました。
コラム
各種調査、インタビュー等を通じて明らかになったエビデンスを元に、
外国人材の採用・定着・マネジメントのためのヒント、
真の意味での共生を実現するポイントを分かりやすく整理し解説する。
３つ目のポイントは、「外国人材の役割や仕事内容、企業の魅力を整理し、きちんと発信すること」です。外国人材はジョブ型雇用が前提であるため、役割や仕事内容が明確でない日本型雇用に不安を覚えます。すぐに雇用の在り方まで変えるのは難しいですが、キャリアステップの見える化は最低限必要です。また、外国人材に向けた企業ブランディングも欠かせません。日本企業に自社アピールを書くようお願いすると、多くが「会社概要」や「我が社のモットー」を書こうとします。果たして、それで外国人材に働きたいと思ってもらえるでしょうか。ひとつの事例として、東北大学の留学生向け「地元企業の求人広告を作るインターンシッププログラム」をご紹介します。留学生が作る広告には「入社すれば、どのような仕事を任せてもらえて、どのような点が楽しいか」など外国人目線の魅力が並ぶそうで、会社のスペックよりも「入社後、何ができるか」のほうがずっと有益な情報であることが分かります。また、外国人材の雇用状況も注目されています。雇用実績があれば、活躍している外国人材を紹介するのも有効でしょう。
現在、幹部候補として活躍中で、いずれベトナム進出のキーパーソンになると期待しています。
高度外国人材の活躍推進における重要なポイントの多くは、企業規模に関係なく共通します。電子部品、音響機器、カーナビゲーションの大手製造販売企業であるアルプスアルパイン株式会社は外国人雇用が進んでいることで有名ですが、ここまで述べたようなことを地道に10年がかりで取り組んでこられています。そのような先進的なアルプスアルパイン社でも、いまだ「道半ば」だとおっしゃっています。企業規模を問わず、日本企業は外国人雇用に関して、まだまだ知見を積み上げていかなければならない段階にあるといえるでしょう。
「『First Book』作成を通じて感じたことは、老若男女・国籍問わず、皆様に『セブン‐イレブンはきちんと教育してくれるので安心だ』と思っていただくことの重要性です。不安なまま働くことが、最も離職につながります。そのため、安心して教育を受けられる環境をどの店舗でも同じように実現できるよう、教育ツールを整備すること。それは本部が果たすべき重要な役割です。今後はマニュアルのユニバーサルデザイン化を進めるなど、教育の仕組みがセブン‐イレブンの競争力のひとつとなっていけるよう質向上に努めます」（千後氏）
「私見ですが、多様な人々の違いにすべて完璧に応えるのは難しい。例えば、外国人材だけを意識してマニュアルを作れば、結果的に日本人にとって非常に分かりづらいものになってしまう可能性もある。それぞれの『不安』を理解した上で、誰かひとりではなく、全員にとって分かりやすい良いやり方はないかと考え、実行していくことが大切だと思います」
企業は日本社会での共生という領域まで踏み込んでサポートする必要があるように思います。
依然として日本は世界３位の経済大国であり、企業が成長を目指す上で魅力的な市場に映っているからでしょう。バイリンガル人材のマーケットは、こうしたことを背景に成長しているのです。もちろん外資系企業だけではなく、日本企業からも高いニーズがあります。グローバル化が非常に速いスピードで進展しているため、世界市場で競争するには、日本企業も自社のグローバル化に取り組まなければならないからです。
支援の内容は大きく分けて３つあります。１つ目は「情報発信・共有」です。全国の自治体等で共通して使える情報の発信や、ツールの作成・共有に力を入れています。特にコロナ禍では情報発信の重要性が高まりました。国や自治体から出される様々な支援策、多言語化された情報をSNSを使って共有し、「
特定技能在留外国人が増えない理由・課題は3つあると考えています。
シンガポールはこれまで、政府の政策などにより外国企業の誘致に成功し、新たに生まれた雇用がイノベーションと経済活力の源泉となり、成長を遂げました。しかし、近年、ローカル人材の就労機会が失われているという観点から、外国人材の受け入れが社会問題となっています。そこで政府は、専門職、管理職、経営層人材といった「高度外国人材向けの就労ビザ（EP）」の基準強化に動いています。なかでも「最低月収基準額」の影響は大きい。2020年9月からビザの新規取得の基準が1.5倍に引き上げられ、2021年5月からはビザの更新の際にもこの金額が適用されることになりました。また、日本人を含む外国人材を現地採用する場合もこの基準が用いられるため、外国人材の採用が減少する可能性も考えられます。
シンガポールに拠点を置く日系企業の多くは、給与面で高度外国人材の獲得に苦戦しています。問題は、日本の給与テーブルや福利厚生をそのまま持ってこうようとすること。10年前からシンガポールの給与テーブルや福利厚生を積極的に取り入れ、柔軟にローカライズを図った日系企業は採用やリテンションに成功しています。日系企業は、ジュニアレベルの人材であれば、非日系企業と比べて給与も福利厚生も見劣りしません。しかし、人材レベルが高くなればなるほど、差をつけられています。特にシニアレベル人材の給与テーブルと福利厚生のパッケージはグローバル基準に合わせて設計し直すべきです。
外国人材の採用と定着に関しては、これまでいろいろと試行錯誤してきました。そのひとつは「プロジェク型組織による給与・待遇の見直し」です。当社は日本型雇用といわれる「メンバーシップ型」を採用し、国籍を問わず若手の育成を実施していますが、給与が上がりにくい点に課題を感じていました。若手外国人材のなかには、滞在費と生活費のほかに家族への仕送りが必要な場合があり、生活が成り立たないという理由で離職してしまうこともありました。そうした離職を防ぐため、2年前から、入社2〜3年目までは「メンバーシップ型」で教育し、その後「プロジェクト型」へと移行させることにしました。SAPコンサルタントとしてのスキルを取得して自分の市場価値を高め、給与・待遇の向上を目指してもらい、定着率の向上に結び付けたいと考えています。給与水準が改善し生活設計ができるようになったことで、若手も中途入社社員も定着してくれるようになりました。
また、「言語をどうしていくか」という課題にも向き合わなければなりません。当社は日本語で日本企業をコンサルティングする必要があるため、外国人材にも日本語力を求めています。会議は基本、日本語で行われています。社内資料や社則などは英語でも用意していますが、サポートは十分とはいえません。極論かもしれませんが、IT人材争奪戦のなかでは、「公用語を英語にする」必要性も感じています。