大阪府・京都府・兵庫県におけるテレワーク実施率の推移について

2021/01/08 お知らせ

 パーソル総合研究所では、はたらくに関する調査研究機関としての社会的役割を果たすため、新型コロナ発生以降のテレワーク実施率について2万人規模の調査を4回行っております。今後、大阪府・京都府・兵庫県が緊急事態宣言の対象となる可能性があることを踏まえ、4回分の調査結果から抜粋し、同エリアにおけるテレワーク実施率の推移をお知らせします。また、併せて、北海道、愛知県、福岡県の推移も記載します。

図表.正社員のテレワーク実施率推移
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4回にわたる調査を担当したパーソル総合研究所の上席主任研究員・小林祐児のコメントは以下となります。

パーソル総合研究所
上席主任研究員 小林 祐児

 東京都のように大手企業や情報通信産業などの割合が高いところに比べると、近畿ではテレワークしづらい企業が多い傾向にあるといえるだろう。しかし、新型コロナ感染拡大防止の観点から、企業としてはできるだけ出社率を下げるよう尽力すべきだ。
 そのためには、従来より提言しているが、不要な出社をなくすために、経営方針として原則テレワーク・テレワーク推奨であることを強く、繰り返し社内に伝えるべきだ。勤務先のテレワーク方針について「特に案内がない」との回答割合は57.1%(3回目の5月29日~6月2日の調査期間)にも及んでおり、大きな問題だと考えている。これでは従業員の判断に委ねることになり、不安や同調圧力などからテレワークが不十分になってしまう。特に年齢が若い社員ほどテレワークでの勤務に対して様々な不安を抱きがちであり、留意すべきだ。
 また、毎日のテレワークが無理だとしてもまったく出社しない日を1日でも多くしたり、業務上誰かしら出社が必要であっても曜日ごとに担当者を決めて輪番制としたりする方法もある。

新型コロナ及びテレワークに関するパーソル総合研究所の調査一覧

正社員のテレワーク実施率に関する2万人規模の調査結果

新型コロナ感染拡大のレベルに応じ、企業のテレワーク方針はどう変化するか

テレワークによる組織の求心力への影響に関する調査結果

 テレワーカーが抱く組織への愛着は出社者の約1.3倍という意外ともいえる結果となっており、その理由としてはまず、企業としての「従業員の健康への配慮」「企業方針や対応についての十分な説明や情報提供」が考えられます。重回帰分析により、新型コロナに対応した企業の姿勢や施策は組織コミットメントに有意に影響していることも分かっています。

テレワークの不安感・孤独感に関する調査結果

 テレワーカー本人や出社者、テレワーカーをマネジメントする上司の不安感などを定量的に示しています。テレワーク下のマネジメントとしては、観察力(部下に関する情報を把握するスキル)を高める、部下とのコミュニケーションを意識的に増やす、出社者の疑念・不満感も無視しない、などが求められます。

福利厚生に関する調査結果

 新型コロナの影響により、在宅勤務手当の新設が加速しており、在宅勤務手当を新設した企業の割合は12.5%。検討中と併せると23.9%となっています。また、通勤手当を減らす動きも顕著となっています。

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