テレワーク実施率について、4回目となる2万人規模の調査結果を発表
新型コロナ第3波におけるテレワーク実施率は全国平均で24.7%
5月下旬の緊急事態宣言解除直後は25.7%で1ポイント減少

1万人以上の企業における実施率は45%で100人未満の3.4倍以上。格差が拡大

 株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:渋谷和久)は、新型コロナ第3波による感染拡大期におけるテレワークの実態・課題を定量的に把握することを目的に、2020年11月18日~11月23日に2万人規模の調査を実施し、結果を取りまとめましたのでお知らせいたします。新型コロナ下におけるテレワーク実施率の調査結果は、3月23日付4月17日付6月11日付のニュースリリースでも公表しており、今回が4回目となります。

調査結果概要

① テレワーク実施率

 調査期間の2020年11月18日~11月23日は新型コロナ感染拡大の勢いが続いている時期であるが、正社員のテレワーク実施率は全国平均で24.7%となった。5月25日の緊急事態宣言解除(全国)直後は25.7%であり、1ポイント減少している。

図表1.テレワーク実施率(全国平均)の推移
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都道府県別の数値は下記データをご参照ください。
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② 正社員と非正規雇用の差

 正社員のテレワーク実施率が24.7%であるのに対して、非正規雇用※の実施率は15.8%と8.9ポイントの差。2020年5月29日~6月2日の調査(以下、5月調査)のときは、正社員が25.7%で非正規が18.7%と7ポイントの差。4月10日~12日の調査(以下、4月調査)のときは、正社員が27.9%で非正規が17.0%と10.9ポイントの差。
※非正規雇用:パート・アルバイト、契約社員、嘱託社員、派遣社員

➂ 企業規模別(従業員数別)のテレワーク実施率

 企業規模別(従業員数別)にテレワーク実施率をみると、1万人以上の企業では45.0%と高い割合となった一方、100人未満では13.1%と低い割合になり、約3.4倍もの大きな差がついた。5月調査では約2.7倍の差(1万人以上42.5%、100人未満15.5%)であったため、企業規模による格差が広がっている。

図表2.企業規模別(従業員数別)のテレワーク実施率
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④ 業種別・職種別のテレワーク実施率

 業種別にテレワーク実施率をみると、最も高い割合となったのは「情報通信業」で55.7%となった。
※職種別・業種別の数値は下記データをご参照ください。
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➄ テレワークをしていない理由

 テレワークをしていない理由について、5月調査と11月調査を比べると、「テレワークで行える業務ではない」が7.8ポイント減少と大きく下がっている。一方で、「会社がテレワークに消極的で、実施しにくい」が2.3ポイント上がっている。テレワークでできる業務であっても、組織としてテレワーク推奨を継続するというメッセージが明示されていなかったり、上司・同僚の出社により同調圧力が生まれたりして、不要な出社が増えている可能性がある。

図表3.テレワークをしていない理由
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⑥ コロナ収束後のテレワーク継続希望率

 テレワーク実施者(正社員)のコロナ収束後のテレワーク継続希望率は、全体で78.6%。4月調査では53.2%、5月調査では69.4%だったため、テレワーク継続希望率は上昇し続けている。男女ともに30代が最も継続希望率が高い。女性の方が男性よりも継続希望率が高い。

図表4.コロナ収束後のテレワーク継続希望率
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⑦ テレワーク実施のメリット

 テレワーク実施のメリットをみると、新型コロナウイルス感染のリスクを減らす以外にも、通勤・移動の面などさまざまなメリットを感じていることが分かる。

図表5.テレワーク実施のメリット
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⑧ テレワークの不安

 テレワークの不安は全体的に減少傾向。昇進・昇格への影響懸念や社内異動希望への影響懸念などのキャリア関連の不安は横ばい傾向。注意すべきは、年代別にみると若い世代ほど不安を抱えていることであり、ケアが必要。

図表6.テレワークの不安
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図表7.年代別にみるテレワークの不安
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➈ テレワークの課題

 テレワークの課題は概ね減少傾向にあり、「テレワーク慣れ」とともに課題が解決される傾向にあると考えられる。しかし、唯一「労働時間が長くなりがちだ」だけが上昇しており(4月調査で21.2%、5月調査で23.2%、11月調査で25.5%)、テレワーク浸透にともなう長時間労働に注意が必要。

図表8.テレワークの課題
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⑩ ワクチン普及前後の企業のテレワーク方針

 企業のテレワーク方針をみると、ワクチンが普及した後は「原則、全員出社にする予定だ」という回答割合は3割強、「まだ決まっていない」は4割強となった。

図表9.ワクチン普及前後の企業のテレワーク方針
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分析コメント~コロナ第3波の中、企業はテレワーク推奨を継続的に明示すべきだ~

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パーソル総合研究所
上席主任研究員 小林祐児

 4月調査や5月調査と比べて、11月調査のテレワーク実施率は下がっているものの、大きな「出社リバウンド」が生じているわけではないことにまずは安堵すべきだろう。12月に入ってからも同程度の実施率と考えられる。しかし、新型コロナ第3波によってますます感染が拡大する中、企業としては危機感を持ち、不要な出社を減らすために、トップメッセージの発信や出社承認制の導入・維持など、テレワーク推奨を継続的に明示すべきだ。

 「テレワーク慣れ」により、テレワークの不安も課題も全体的に減少傾向にある。しかし、昇進・昇格などのキャリアへの不安感は若年層を中心に維持され、長時間労働になりがちという課題感を持つ人は増えている。テレワーク時のマネジメントにもまだまだ工夫の余地が残る。

 一方、テレワークには様々なメリットがあり、コロナ収束後もテレワーク継続を希望する人は約8割にも及ぶ。これらを踏まえ、企業としてはテレワークの不安・課題に対処しつつ、ワクチン普及後におけるテレワーク方針や社内制度・施策の検討も進めておくべきだろう。

※本調査を引用いただく際は出所を明示してください。
出所の記載例:パーソル総合研究所「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」

調査概要

     
調査名称 パーソル総合研究所 「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」
調査内容 新型コロナウイルス対策によるテレワークの実態・課題について、 新型コロナ「第3波」の感染拡大がみられる時点での状況を定量的に把握する。
調査手法 調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
調査期間 2020年11月18日~11月23日
調査対象者 [テレワーク実態について]
全国の就業者 20~59歳男女、勤務先従業員人数10人以上
正規雇用 n=19,946  非正規雇用 n=2,973

※第一回、第二回、第三回と比較するため、主に正規雇用の従業員の数値を用いて分析。
※調査結果の数値は平成27年国勢調査のデータより正規の職員・従業員 性年代(5歳刻み)の構成比に合わせてウェイトバック処理。
※グラフ中のサンプル数はウェイトバック処理後のサンプル数。四捨五入処理の関係で、合計が上記の数値と異なる場合がある。


[企業動向について]
自社の人事戦略・人事企画全体を把握している人事・総務・経営層 n=865
実施主体 株式会社パーソル総合研究所

【株式会社パーソル総合研究所】<http://rc.persol-group.co.jp/について

 パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、タレントマネジメントシステム提供、社員研修などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。

【PERSOL(パーソル)】<https://www.persol-group.co.jp/>について

  パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」をはじめ、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様なサービスを展開しています。また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも取り組んでおり、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、ITイベント情報サイトおよびイベント&コミュニティスペース「TECH PLAY」、オープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」、クラウド型モバイルPOSシステム「POS+ (ポスタス)」などのサービスも展開しています。

問い合わせ先

株式会社パーソル総合研究所 広報室
TEL:03-6385-6888 Mail:prc_pr@persol.co.jp

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