第1回:テレワーク時代を生き残るBtoB営業組織に必要な「変化」とは

公開日 2020/04/30

執筆者: シニアコンサルタント 河村 亨

新型コロナの影響を受け、BtoBの営業も大きく変わろうとしています。

そこで本連載ではシリーズテーマ「テレワーク時代のBtoB営業組織のあり方」として全5回のコラムをお届けいたします。

目次

第1回:テレワーク時代を生き残るBtoB営業組織に必要な「変化」とは

もともと新型コロナの影響以前から、産業界はテレワーク推進の要請を強く受けていましたが、ここにきて各社否応なしに対応を迫られています。その影響は〝営業〟の世界にも出てきており、もはやこの流れはコロナ終息後ももとには戻らず、一定のスタンダートとなってくるのではないかと思われます。

 

一般的に〝営業〟がテレワークになるということは以下の二つのことを意味しています。

  • 営業担当者がお客様と直接会えない(面談が「オンライン」になる)
  • マネジャーがメンバーと直接会えない(マネジメントが「オンライン」になる)

そこで今回、新たに発生する様々な〝営業〟にかかわる課題に対して、営業組織はいかに対応・変化していくべきかについて、本連載で様々な観点から論じていきたいと思います。

 

まずは図1をご覧ください。

図1:最近の営業組織の構造

salesStructure.png

 

これは、営業組織が最近取り組んでいる、または取り組もうとしている構造をまとめた図です。

  1. 買い手の購買プロセス(認知・検討・購買)と、自社の活動プロセス(プロモーション~効果把握)に沿って、「マーケティング」でリード(きっかけ)を作る
  2. 「インサイドセールス」が更に興味喚起する
  3. 商談化したら「フィールドセールス」に引き渡し、クロージングをかけていく
  4. 成約後は「カスタマーサクセス」に引継ぎ顧客のリテンション(維持拡大)を図っていく

 

このように組織内の各プレイヤーが連携・共業しています。

 

そして、こういった機能間共業体制を支えるためにもSales Techを活用し、情報を切れ目なくマネジメントし、様々な支援や育成体制を整え、経営として全体最適を図っていくというものです。

 

これはSales Techを販売するSaaS系(クラウドビジネス)ベンダーが自社で実践し、お客様にも提唱しているものです。
実に洗練されたモデルで、「インサイドセールス」という非対面営業のノウハウも確立しています。

 

こうした組織構造のモデルは事業の拡大期に特に有効で、体制がしっかりしていれば全て「オンライン」になったとしても、効果的に適応できると思います。

 

しかし、歴史ある多くの日本企業(市場も成熟)で実現できているものではありません。
新規のお客様、お得意様に関わらず全てのお客様に「フィールドセールス」が会社の代表として関わっており、長期的な関係を築くために、当然〝売る〟だけではなく、導入後フォローまでをカバーしているような営業の形態が多いのではないでしょうか。

 

更に、扱っている商材が高額で商談スパンの長いものになれば、お客様の複雑な意思決定方法にも対応していかなければなりません。
〝複雑〟で〝高度〟な営業活動の中「オンライン」で「面談」したり「マネジメント」しなければならない現状に、さぞ困惑されていることでしょう。

 

そこで、今後5回にわたり複雑で高度な営業活動を展開しているフィールドセールスにフォーカスし、彼らがこのテレワーク時代に順応するために、どのように変化すべきかについて論じていきます。

以下に各回で取り上げる課題をご説明します。

 

第2回:BtoBフィールドセールスのオンライン化における新たな課題

昨今の状況により、「顧客と対面で面談できない」という状況に晒され、急遽オンライン面談ツールの選定・導入対応に追われている企業様が多いことと思います。
しかしツール選びの次に来るものとして以下の〝営業対応〟上の課題も存在します。

 

  • 面談自体の物理的ハードルは下がるが、それと同時に「いつでも止められる」状態となり、面談自体の目的や価値、ゴールへの意識が高まる。
  • お客様の思考もより合理的になり、準備が足りていないと、すぐに〝間〟が持たなくなってしまう。
  • 訪問をしてないことによる〝実感〟の薄れと共に、不意のお客様の参加(立場のわからない、お顔の見えない)などにより、お客様や商談の全体像がつかみ難くなる。
  • お客様はどのような意思決定をされるのか、自分は今商談のどこにいるのか、強い仮説と確認がないと全く前に進めなくなる。

第2回のコラムでは、このような営業対応の課題について考えていきます。

第2回の記事を読む

 

第3回:「One on Oneでの商談確認の限界」オンライン環境での商談管理

Sales Techの進展と共に、かなりの企業においてSFA/CRMツールが導入されてきました。
しかし「あまり使えていない」というケースが多く、比較的定着していても結局最後は個別案件一つ一つに、マネジャーが一対一で受注確度の確認と〝読み〟をしなければならず、「マネジャーに多くの負担がかかっている」というお声をよく聞きます。

 

そのような状況で更に「オンライン」になったらどう商談をマネジメントすればよいでしょうか。

 

もう気軽に「おい、あの案件どうなった?」と声をかけたり、電話をしているメンバーの会話のトーンから商談の成否を推察したり、同行訪問に向かう途中でいろいろと話を聞く、といった手段が使えなくなります。

 

第3回のコラムでは、このようなオンラインでの商談管理について考えていきます。

第3回の記事を読む

 

第4回:「成果に近づいているか」オンライン環境における戦略遂行・タスク管理

新型コロナの影響以前からあった、「テレワークの要請」に対して全く応えられなかった要因の一つに、「離れている社員の仕事の進捗(全体成果への貢献)をどう管理するのか」というマネジャーや経営層の不安があったと思います。

 

〝営業〟の世界では〝結果〟こそ数値で管理できますが、プロセスに関しては上記(第3回)のように、マネジメントは容易ではありませんし、今期の数字だけでなく、将来への種まきも含めオンラインでマネジメントしていかなければなりません。
そこではトップだけでなくミドルも含めた、バランスの良い戦略の構想力、成果への繋がり(トレーサビリティー)、意味ある進捗(KPI)マネジメントが必要になります。

 

第4回のコラムでは、このような営業対応の課題について考えていきます。

第4回の記事を読む

 

第5回:オンライン環境での営業プロセスの可視化、支援業務の在り方

これまで述べてきたように、営業や営業マネジメントのあり方が大きく変わってきており、かつオンライン環境でお互いが何をしているかを把握しづらい状況です。
共通認識としての「標準営業プロセス」が可視化、共有されていないと、業務の進捗や境目が分らずダブり手戻りなどの非効率が発生します。


特に、営業アシスタントのような支援業務に関しても、これまでのような「阿吽の呼吸」的なサポートが難しくなります。

 

反対に、「オンライン面談」によって営業アシスタントの商談参画も可能になるため、ポジティブに対応できた場合は、営業生産性の向上が見込めると考えられます。

 

第5回のコラムでは、オンライン環境での営業プロセスの可視化、支援業務の在り方について考えていきます。

第5回の記事を読む

 

オンライン営業におけるマネジメント課題の解決策

 

以上、次回以降、それぞれのテーマに対して課題と対応策を深堀していきたいと思います。

 

これらは、営業組織にとっても大きな変化ですが、対応できた場合には自社とお客様双方に大きなメリットがあり、スタンダードとして定着してくるものと思われ、また対応する会社が現れる以上、対応できない会社との差が開いてくることは想像に難くありません。

 

なお、本内容において提起した課題に対する具体的解決策の一例として、別途弊社から「オンライン営業マネジメントガイド」を配信いたしますので、そちらも、あわせてご活用ください。

 

全5回コラム一覧

執筆者紹介

河村 亨

シニアコンサルタント

河村 亨

Toru Kawamura

1990年、機械商社を経て富士ゼロックス総合教育研究所(現パーソル総合研究所)に入社。営業力強化を中心とした教育の営業やマネジメントに携わり、2004年よりシステムを活用し、教育の成果を創出するためのSFA現場定着コンサルティングに従事。2010年より営業戦略の立案/展開⇒実行/定着をトータルで強化する「戦略実行支援」を展開、現在に至る。著書に「自ら考え戦略的に動く営業集団をつくる 3つのフレームワーク」「Sales Enablement アカウント型BtoB営業における営業力強化」など

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