トレンドに踊らされるのではなく戦略的に活用できる人事施策を
株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:萱野博行)は、2022-2023年に人事領域において注目される「人事トレンドワード2022-2023」を発表、3大ワードとして「テレワーク」、「DX人材」、「人的資本経営」を選定したことをご報告します。なお、「人事トレンドワード」の発表は、今回が初となります。
近年、人事トレンドは目まぐるしく移り変わっています。「人事トレンドワード」は、人事領域において注目されるワードを選考、発表し、その時々の人事のトレンドやブームを客観的な形として残すことで、人事部門にとって本質的に議論・注力すべきテーマは何かを明確にし、流行(トレンドやブーム)を戦略的に活用しながら、各企業において本質的に進めるべき施策の指針となることを目的としております。
また、今回発表した「人事トレンドワード2022-2023」は、12月5日発刊(紙媒体は2日)の当社機関誌「HITO」vol.19にて特集しています。当社上席主任研究員の小林祐児と立教大学教授の中原淳氏との対談などを通じて、選ばれた3大ワードについて解説しているほか、人事に関わる様々な立場の方々がいま注目しているキーワードを取り上げています。
「人事トレンドワード 2022-2023」URL:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/hito/hito19.html
テレワークは2020年に新型コロナウイルス感染防止のための緊急事態的な対策で一気に広がりました。コロナ禍が収まってきたここ2年は、蓄積した組織課題を背景に、今後どうするかを占う壮大な社会実験のような極めて重要な時期だったといえます。この間にテレワークの議論は、仕事に合わせた「ハイブリッドワーク」という個別最適のフェーズから「組織をどうマネジメントし、運営するか」という組織最適のフェーズに入るべきでしたが、多くの企業が「定着させるか」「やめるか」の二元論に縛られ続けています。2022年は各社のスタンスと議論のレベル感の差がはっきり出たという意味で、記録に残したいと考え選定しました。
コロナ禍によりデジタル化が進み、バズワードとして見られていたDXが不可逆的な流れとして認識されています。人事としてはDX人材の採用に注力してきたところ、外からの採用に限界を感じ、社内育成に振り向けていく転換点の1年だったと思います。かねてからの人材教育費が、DX人材育成費に形を変え、多くの予算が下りるようになったのが2022年です。DX人材が外部採用から内部育成の世界になってきたとはいえ、DXはそもそも既存のビジネスの変革です。それを分かっていない人をいくら外部から採用しても機能しないことに各社気づき始めたところです。それと同時に、DXが「業務のデジタル化」や「デジタルリテラシー教育」くらいの意味に希薄化してイノベーティブなものから遠ざかっています。学び直しというテーマが、必要性を叫ばれるフェーズから、「現実的課題」へとようやく門戸を開いたのが2022年です。そうした意味からDX人材を選定しました。
機関投資家や欧米先行という外圧によって、急速に注目が集まり、人事・経営が情報収集に追われた1年でした。よって、2022年は人的資本「開示」元年といえます。開示後数年は開示指標の経年変化や成長の度合い、独自性などが肝になります。来年以降、成果に関する企業間の差も出てくると考えられ、人事にとっては投資家対策より実質的な議論を進める必要が出てくるため、2022年はその分水嶺に当たる年ともいえると考え選定しました。
「注目している人事ワード」を聞いた以下①〜④の事前アンケート調査(上位5つの抜粋)などの結果を参考に、当社研究員と識者で選考会を開催いたしました。トレンドワード選考の最終責任者は、小林祐児(パーソル総合研究所 上席主任研究員)。以下4名の識者にアドバイザーとして参加いただきました。中原淳氏(立教大学経営学部教授)/矢野三保子氏(住友金属鉱山株式会社)/蛯谷敏氏(ビジネスノンフィクションライター・編集者)/大場竜佳(パーソルホールディングス)。3大ワード選出理由の詳細については、当社機関誌「HITO」vol.19で人事界の動向などをひも解きながら詳述しています。
※上記4つのアンケート調査結果は、トレンドワード選考会の基礎データとして活用(参照)いたしました
今回発表した「人事トレンドワード2022-2023」は、12月5日発刊の当社機関誌「HITO」vol.19にて特集しています。立教大学教授の中原淳氏と当社上席主任研究員の小林祐児との対談をはじめ、選ばれた3大ワードについての解説ほか、人事に関わる様々な立場の方々がいま注目しているキーワードを取り上げています。また、パーソル総合研究所のウェブサイトでは、機関誌に掲載した対談・インタビュー記事の長尺版をお読みいただけます。
機関誌「HITO」は、組織・人事における様々なテーマについて、調査分析や共同研究の成果の解説、識者インタビュー、事例取材、寄稿などを通して、課題の要因を探り、解決方針を提示する人と組織に関する専門情報誌です。
パーソル総合研究所では、今回発表した「テレワーク」、「DX人材」、「人的資本経営」についても深く掘り下げた調査を実施しております。ご興味のある方は下記の調査レポートも併せてご参照ください。
パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、タレントマネジメントシステム提供、人材開発・教育支援などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開しています。グループの経営理念・サステナビリティ方針に沿って事業活動を推進することで、持続可能な社会の実現とSDGsの達成に貢献していきます。また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも積極的に取り組み、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX組織構築支援を行う「TECH PLAY」、クラウド型モバイルPOSレジ「POS+(ポスタス)」などのサービスも展開しています。
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