新型コロナ感染第6波における正社員のテレワーク実施率は全国平均で28.5%。
テレワーク実施は微増に留まる一方、従業員の継続希望率は過去最高に。

テレワーク実施率について、6回目となる2万人規模の調査結果を発表 企業はテレワークを定着させる具体的工夫を

 株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:渋谷和久)は、新型コロナウイルス感染症の第6波感染拡大下におけるテレワークの実態を定量的に把握することを目的に、2022年2月4日~2月7日に2万人規模の調査を実施し、結果を取りまとめましたのでお知らせいたします。
 新型コロナ下における2万人規模のテレワーク調査の結果は、2020年3月23日付4月17日付6月11日付12月16日付2021年8月17日付のニュースリリースでも公表しており、今回が6回目となります。

調査結果概要

【1】-感染が急拡大していた2022年2月4日-7日時点でのテレワーク実施率は、正規雇用社員(以下正社員)で28.5%。昨年夏の第5波の27.5%からほぼ横ばい(+1.0ポイント)。【図表1】
-テレワークの頻度について2月までの3カ月推移を見ると、12月は週平均0.87回、2月は0.99回で微増。【図表2】

図表1.新型コロナウイルス感染者数とテレワーク実施率の推移
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図表2.直近3ヶ月(21年12月-22年2月)のテレワーク頻度
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【2】-雇用形態別の実施率を見ると、非正規雇用の契約社員・嘱託社員は16.9%、派遣社員は22.5%、パート・アルバイトは6.3%。公務員・団体職員は11.8%であった。【図表3】
-企業規模別の実施率格差は大きいまま推移。10-100人未満で15.4 %、1万人以上で46.9%と 31.5ポイントの差。【図表4】

図表3.雇用形態別テレワーク実施率
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図表4.企業規模別テレワーク実施率の推移(正社員ベース)
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【3】-業種別の実施率は、情報通信業が最上位で63.0%、学術研究・専門技術サービス業が43.8%と続く。
一方で、医療・介護・福祉業は7.0%、宿泊・飲食サービス業は10.2%。【図表5】
-職種別の実施率は、Webクリエイティブ職で76.9%、IT系技術職が65.5%と高い。【図表6】

※業種別・職種別のテレワーク実施率は下記データをご参照ください。
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図表5.業種別テレワーク実施率
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図表6.職種別テレワーク実施率(上位抜粋)
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※47都道府県別のテレワーク実施率は下記データをご参照ください。
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【4】-テレワークに関する企業方針は、テレワーク推奨+命令の合計で38.6%と、昨年の第5波の37.3%からほぼ横ばい。「特に案内がない」が57.4%と高い。【図表7】

図表7.企業のテレワーク方針
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【5】-テレワーク実施者のテレワーク継続意向は、80.2%。【図表8】
昨年夏調査時点の78.6%から微増し、過去最高となった。 【図表9】

図表8.テレワーク継続希望率
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図表9.テレワーク継続希望率の推移
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【6】-テレワーク普及にあたって企業で行われた施策は、1位が「遠隔会議システムの導入・利用促進」で35.3%、2位が「ビジネスチャットツールの導入・利用促進」で27.9%。オンライン・コミュニケーションを増やす施策や働き方への工夫は少ない。【図表10】 

図表10.テレワーク関連の施策実施率
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調査概要

     
調査名称 パーソル総合研究所 「第六回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」
調査内容 新型コロナウイルス対策によるテレワークの実態・課題について、 ワクチン普及後の第6波の感染拡大状況下における実態や意識を定量的に把握する。
調査手法 調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
調査時期 2022年 2月4日–2月7日
調査対象者 [テレワーク実態について] 全国の就業者 20~59歳男女、勤務先従業員人数10人以上
正規雇用 n=20,490 非正規雇用 n=4,725 公務員・団体職員 n=289
※これまでの調査データと比較するため、主に正規雇用の従業員の数値を用いて分析。
※正社員の調査結果の数値は平成27年国勢調査の正規の社員性年代別の構成比、第四回/五回調査時の職種の構成比に合わせてウェイトバック処理。
※グラフ中のサンプル数はウェイトバック処理後のサンプル数。四捨五入処理の関係で、合計数値が異なる場合がある。

[テレワークのその他の実態について] テレワーク実施者(正社員)=430
実施主体 パーソル総合研究所


※本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所」と明記してください。
※報告書の詳細は以下のURLよりご参照ください。
URL:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/assets/telework-survey6.pdf

提言

パーソル総合研究所
上席主任研究員 小林 祐児

 2020年春からテレワーク実態を継続的に観測してきたが、今回の感染拡大・第六波では、急増した新規感染者数とテレワーク実施率がほぼ紐付かなくなった。その理由は、重症化リスク低下報道などをうけて感染への警戒心が薄れたことや、飲食制限に比べてテレワークへの注目度が低下していることなどが考えられる。

 多くの企業は相変わらずテレワーク方針を従業員に明示できておらず、「特に案内がない」との回答割合は57.4%と昨年からほぼ変わらない。テレワーク関連の施策も、遠隔会議システムやビジネスチャットツールの導入など、ITツールの導入という表面的レベルにとどまっている。

 一方で、従業員側のテレワーク継続希望率はついに80%を上回り、過去最高を記録した。テレワークに対する組織的な工夫や有意義な議論をどれだけ蓄積できるかが、これから人を集められる組織となるかどうかの分水嶺となるだろう。

【株式会社パーソル総合研究所】<http://rc.persol-group.co.jp/について

 パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、タレントマネジメントシステム提供、人材開発・教育支援などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。

【PERSOL(パーソル)】<https://www.persol-group.co.jp/>について

 パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開しています。グループの経営理念・サステナビリティ方針に沿って事業活動を推進することで、持続可能な社会の実現とSDGsの達成に貢献していきます。また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも積極的に取り組み、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX組織構築支援を行う「TECH PLAY」、クラウド型モバイルPOSレジ「POS+(ポスタス)」などのサービスも展開しています。

問い合わせ先

株式会社パーソル総合研究所 広報
TEL:03-6385-6888 MAIL:prc_pr@persol.co.jp

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