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パーソル総合研究所「新卒就活の変化に関する定量調査」
新卒就活の実態を明らかにする。特に先行調査との比較に基づき、近年の新卒就活の変化を把握する。
【調査①】新卒就活の変化に関する定量調査(居住地域:全国、18~30歳未満)

【調査②】新卒担当者向け調査(居住地域:全国)
調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
2025年2月22日 – 3月3日(調査①)、同年2月22日-2月25日(調査②)
株式会社パーソル総合研究所
就活を開始する時期について、2019年は「大学3年生 冬」になると一斉に動き出すのに対して、2025年は「大学2年生 冬」までで既に2割が就活を開始している。
就活を終了する時期は「大学4年生 春」がピークとなっている。2022卒の就活生では「大学4年生 夏」に就活終了のピークが来ていた。
就活が2年生から4年生夏まで長期化し、後述の内定辞退者の増加と合わせて、始まりと終わりが不 明確化する「通年就活」化が進行している。
就活に関する考え方では、「就活は、なるべく長い時間をかけて取り組む方がよい」が増加。意識的にも、「長く取り組む」意識が高まっている。
就活で重視していることは、2019年に続いて2025年も「仕事とプライベートが両立できること」がトップ。大きく下がったのは、「やりたい仕事ができること」。増加したのは「勤務時間、勤務場所など、働き方が柔軟に選択できること」であった。
学生のキャリアに対する意識で減少率が最も大きかったのは、「仕事を通じて成長したい」であった。
就活で参考にする情報源としては、2019年と2025年いずれも「就活サイト」がトップであった。2019年から最も増加したのが「企業のSNS公式アカウント」である。「その他のSNS」の増加も大きく、就活生にとってSNSは重要な参考先となっている。
面接でアピールした項目を2019年と2025年で比較した。大きな変化としては、「部活動・サークル活動の実績」「ゼミの活動実績」が下がり、「国内ボランティア経験」が上がったことである。
企業の採用担当者に近年(直近5年間)の新卒採用の変化を聴取すると、 47.4%の企業で「新卒採用にかかる工数・負荷」が増加。採用状況の変化を見ると、「内定辞退者の数」が増加したと回答する企業が38.0%に上った。
企業側が感じる、採用した人材の変化を見た。5年前と比較して顕著に上がったのは、「リモートワークのスキル・知識」「デジタルスキル・知識」「データリテラシー・データ分析」「真面目さ」など。下がったのは、「起業家精神」「積極的な態度」「リーダーシップ経験の多さ」などであった。
企業の採用成果は、「必要な人材が質・量ともに採用できていない」が38.3%と高い。 特に企業規模が500人未満の企業は5割を超える。質と量の比較でいえば、全体的に採用人材の「質」の課題の方が多いことが分かる。
2025年のインターンシップ参加率は2019年より約7ポイント上昇して、就活生の約7割が経験している。
インターンシップの内容の比較では、業務のシミュレーション・実習・研修・体験などを経験する「体験系」や、キャリアに関する研修などを行う「キャリア支援系」が大幅に増加した。
学生のインターンシップ経験内容と入社意欲の相関関係を見た。相関関係※の上位には、職場の雰囲気や社員の様子といった会社の「リアリティ」が分かる項目が並んだ。下位には、社員との交流、幹部との交流に関する項目が並んだ。
※
相関係数:0~1の中で±1になるほど相関関係が強い数値
どのようなインターンシップであれば学生の企業理解が進むのだろうか。2018年の調査では、「不安や心配事を聞いてくれた」が最も企業理解を促進していたが、2025年は「仕事の忙しさ・厳しさが理解できた」が最も理解を促進していた。
近年の就活や学生の変化実態から、企業の新卒採用活動も再設計を迫られていることが見えてきた。特に変化の必要性が高まっているのは、1.伝え方、2.選び方、3.育て方の3つの領域だ。
現在の企業からの発信は、学生に選ばれることを意識しすぎるせいか、平板で表面的なものにとどまり、就活生にも避けられつつある。企業は「表玄関」に出している情報とメッセージだけではなく、企業の裏面的なリアリティ、いわば「B面」の情報提供にもう一歩踏み出す必要がある。SNSや動画などの活用や学生への接し方のケアにとどまらず、採用プロセスの中で自社のどんな社内風土や人間関係が見られているかを点検したい。
考えられる施策の例
✓ noteなどを活用したオープン社内報の展開
✓ エンジニアや専門人材による個人目線の情報発信
✓ 社員対談のライブ配信・ 就活生目線の会社見学動画
✓ 社員と学生の合同ワークショップ/混合型グループ・ディスカッション
✓ 社員同士の他己紹介/他部門同士の共同プロジェクト紹介
近年の就活生は、仕事への内発的動機が希薄になり、消極的な態度へと変化してきた。そうした中で、志望動機や自己PRをひねり出させる採用も、生成AIの普及以降、有効性が薄れつつある。重要になるのは、「見極める」のではなく、「巻き込む」発想だ。企業と学生がそこで働く内発的な動機をともに見出していくような採用プロセスを新たに開発したい。
考えられる施策の例
✓ 面接後の学生への個人向けフィードバックの拡充
✓ 面接やインターンシップ後のセルフ・リフレクションシートの活用
✓ 採用プロセス中に更新していくモチベーション・シートの活用
✓ 正解のないジレンマ解決型のディスカッション・プロセス
企業は主体性や成長意欲を期待するが、そもそも学生の多くが、そうした性質を獲得していないという「質」の課題が上昇している。必然的に「育てる」ことへの重要度が増すが、採用と育成の機能的な分断はかねてからの課題である。採用で得た人物情報を、育成現場でいかに活用するか。採用をただの入り口ではなく、育成との接続点と捉えるべきタイミングに来ている。
考えられる施策の例
✓ 入社後の本人への面談評価・コメント・フィードバック
✓ 面接評価と配属前研修評価の紐づけ、人事/配属現場/本人への共有
✓ 新人への「教わり方」のトレーニング拡充
※本調査を引用いただく際は出所を明示してください。
出所の記載例:パーソル総合研究所「新卒就活の変化に関する定量調査」
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