このコラムでわかること
・新入社員・若手社員の早期離職における問題の構造
・入社後に感じる戸惑い・不安・失望が、3年目に至るまで与える影響
・早期離職防止/成長促進のポイントとしての「キャリア自律」という視点
人手不足の昨今、苦労の末採用し入社に至った新入社員。しかし人事部門や配属先の期待とは裏腹に、早期に辞めてしまう。採用にかけたコストと時間もさることながら、企業の持続的な成長にとっても大きな損失です。なぜ彼ら・彼女らは会社を去ってしまうのでしょうか。本コラムでは、新入社員の早期離職の要因と解決の糸口を探るべく、調査データをもとに考察します。
「新卒で入社した3割の社員が、3年以内に辞めている」――企業の人事部門の方にとってはもはや誰もが知っている数字ではないでしょうか。実際、厚生労働省の『「新規学卒就職者の離職状況」調査(令和4年3月卒業者)』によると、日本においてこの数字は約30年もの間、ほとんど変わっていません。
では、新入社員・若手社員が早期に離職してしまう背景には何があるのでしょうか。それを紐解くキーワードが「リアリティ・ショック」(図1)です。リアリティ・ショックとは、「期待していた入社前の理想と、入社後の現実とのギャップに直面し、戸惑い、不安、失望などを感じる心理的な状態」を指します。パーソル総合研究所が2019年に実施した「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」では、社会人1~3年目の76.6%が何らかのリアリティ・ショックを受けていることがわかっています(図2)。
新入社員にとってのリアリティ・ショックは、入社・配属直後の時期における一過性のものとは限りません。上述の調査では、新卒入社企業に対する満足度について、リアリティ・ショックの度合いが低い層における入社3年目の満足度が74.4%であるのに対し、リアリティ・ショックが高い層では14.3%と、大きく差が出ていることがわかりました(図3)。さらに、「成長実感がない層」、「働くことを楽しめていない層」、そして「3年以内離職者」は、総じて入社後のリアリティ・ショックが大きいこともわかっています(図4)。
「3年3割」という数字に象徴される新入社員・若手社員の早期離職。今回引用した調査データをふまえると、「リアリティ・ショック」をどのように乗り越えるか、そして「仕事を楽しむ」ことや「成長実感」にいかにつなげていくかが、早期離職を解決する糸口になりそうです。
新入社員・若手社員の早期離職問題の解決の糸口として、今回もう一つ提示したいのが、主体的なキャリア形成、つまり「キャリア自律」という視点です。
昨今の新入社員は、学生時代からキャリア教育を受けてきた経験から、自身のキャリアに対する意識を持つ、自分らしいキャリアを描くという考えをベースとして持っています。このキャリア観をもとに、「仕事を楽しむ」や「成長実感」を促進しながら、仕事経験を通して「自分の強み」や「周囲の期待」を客観的に受け止め、キャリアを主体的に考え、行動できる力を育む支援が必要です。
では、仕事経験がない新卒の新入社員が、入社1年目から自律的にキャリアを描き、仕事経験を通じて成長実感を得るためには、具体的にどのように支援すればよいのでしょうか。パーソル総合研究所が提供するお役立ち資料『新入社員の定着を左右する「成長実感」~入社1年目から考えるキャリアオーナーシップの重要性~』では、新入社員に対するキャリア自律支援の基本的な考え方と、効果的なプログラムをご紹介しています。新入社員・若手社員の早期離職防止や育成強化に課題をお持ちの方はぜひご覧ください。
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