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2017.01.16

外部労働市場すべての人を
「自社で働く可能性のあるタレント」と捉える時代へ
次なるタレントマネジメントの展望

機関誌HITO VOL.10
全員を光らせろ!~タレントマネジメントの潮流~

「タレントマネジメント」という言葉はもともと1997年の、マッキンゼーによる「War for Talent」の出版以降、主に実務家の世界で一般化してきた言葉であり、いまだ学術研究の場でその対象、手法、効果などに一定の定義が確立されているとは言い難い。一方、実務家間における一般的理解は、欧米企業に端を発した「育成と活用、リテンションを通じて『優秀な人材』に自社の発展・成長に継続的に貢献してもらうための企業・人事の活動」 である。すなわち、リーダーとしてのポテンシャルがある人材を特定し、ストレッチアサインメントや育成投資の優先配分により、チャンスと成長の機会を提供して、高いエンゲージメントを実現しながら彼らの最大限の貢献を引き出すというものであった。しかし、そうした「タレントマネジメント」のスタイルが、ここ数年、日本企業において徐々に変化しているのではないか。そう考え、今回、機関誌HITO編集部では、約4年ぶりに「タレントマネジメント」を特集した。

変わりつつある「タレントマネジメント」

インターネット環境の一般化による情報伝播のさらなる高速化や、あらゆる産業におけるボーダーレスの競争の激化などから商品寿命は短命化の一途をたどり、商品開発やマーケティングにおいては競争優位確立のための非連続の飛躍が企業に常に求められるようになった。そうした中、過去の成功を支えた知識やスキルを基準にした評価の枠組みでは特定し得ない「イノベーション人材」の育成・確保が、より重要性を増してきている。

さらに、労働力不足が日本企業のタレントマネジメントの在り方に影響を与えている。前回タレントマネジメントをテーマにした約4年前、今日のような人手不足感はまだ市場を覆ってはいなかった。しかし、図1をご覧いただいてお分かりの通り、先進国の中でも日本の人口減少率は突出しているだけでなく、若年労働人口の比率の低下も顕著になってきている。前述のような競争環境の変化の中、いかに今いる社員に高いモチベーションを持って、イノベーティブに戦略的課題に挑戦し続けてもらうかが喫緊の課題となっている。今回のサーベイにおいても、過去業績だけに依拠するのではなく、将来の貢献可能性を測るコンピテンシーの導入や市場価値を測る外部アセスメントの導入、そして過去の業務ノウハウやプロセスを押し付けるのではない、「個のエンゲージメント」を引き出す仕組みが、日本企業のタレントマネジメントの特徴として認められる。

5年ごとの増減率

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