2021年度から構造改革を実施し、2024年1月には人事制度を刷新。人的資本経営を加速させ、従業員エンゲージメントスコアは2024年度に過去最高を記録した。新たな人事制度をリードする藤城氏と仲本氏に、次への課題と展望について伺った。

株式会社イトーキ 人事本部 人事統括部 統括部長
藤城 修二 氏
2000年イトーキに入社。営業部門にてキャリアを積み、首都圏の営業支店長を勤めながら新商品企画の責任者を兼務。24年に北海道エリアの営業責任者を経て、25年より現職。

株式会社イトーキ 人事本部 人事統括部 人事企画室 室長
仲本 大輔 氏
2010年イトーキに入社。商品設計、生産管理、商品企画の部門を経て、22年より人事本部に着任。24年まで人材育成部門、25年より現職。
当社は2021年度の構造改革を機に、従業員エンゲージメントの向上に取り組んできました。これまでの人事制度は一律の平等を重んじるあまり、努力や成果が評価につながりにくい側面がありました。この課題を改善すべく、2024年から運用を開始した新人事制度では、「Professional(専門性の強化)」「Pay for Performance(成果を生み出す人材の育成と評価)」「Retention(社員が貢献意欲を持って働き続けられる環境づくり)」を柱に掲げ、努力や成果に応じたメリハリのある評価を実現しました。さらに、好調な業績を基盤に、手挙げ方式の選択型研修をはじめとした社員の主体的なキャリア形成を支援する投資を積極的に行っています。その結果、エンゲージメントスコアも高まってきています。
新人事制度が始動して1年が経過した2025年度は、運用を通じて見えてきた課題への対応と次の成長につなげることが大きなテーマです。その中で、私たちが常に意識しているのが、《アジャイルに変化する》ことです。
《アジャイル》の実践には「柔軟性」と「スピード感」が不可欠です。当社は従来、「構えてじっくり狙ってから打つ」という確実性を重視するカルチャーで、意思決定までのプラン設計に完璧さを求めるがゆえに、実行に至るまで時間がかかる傾向がありました。しかし、不確実性の高い現代では、不完全でもまずは行動を起こし、実行しながら修正していかなければ成長は難しいと考えています。現在は「構え・打て・狙え」の精神で、どう補正していくかのPDCAイメージがつけば迅速に実行に移しています。
同時に、企業経営の根幹ともいえる「ガバナンス」と、ブレない意思決定の根拠となる「ポリシー」とのバランスを保つことも重視しています。ガバナンス強化に向けては、人事労務や給与体系、企業法制などを担う部門の高度化と安定運用を図っています。また、どの企画も運用に落とし込めて初めて成果につながるため、企画部門と運用部門の信頼関係を強化しているところです。
従来の企業風土に慣れた社員の中には、変化に不安を感じる人も少なくありません。特に人事制度や方針は、発信のタイミングや内容によって受け取られ方が変わるため、社員に対して「いつ、何を発信するか」というタイミングは工夫するよう心掛けています。これはものづくりとも通じます。企画した新製品の市場投入時期は、サプライヤーの論理ではなく顧客の論理で決めるべきです。人事も同様に、人事の論理ではなく、場面に合わせて社員や経営の論理で考えをめぐらせることが重要だからです。
現在は経営戦略に基づく人事戦略を実施していますが、人事自らがアジャイルに変化できれば経営戦略と人事戦略は並走する状態となります。その実践のため、現在、人事組織も機能ベースではなく役割ベースでの組織体制へ移行し、人事マインドの変革を図っています。絶えず新しい人事のカタチをアジャイルに模索し続けることで、当社のミッションステートメントである《明日の「働く」を、デザインする。》を社会に体現していきたい、そう強く思っています。
※文中の内容・肩書等はすべて掲載当時のものです。
THEME
CONTACT US
こちらのフォームからお問い合わせいただけます
{{params.not_modal_movie| }}
{{params.modal_movie| }}