インタビュー

《凡事徹底》「当たり前」を問い直し原点回帰からの成長を目指す

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オムロンでは2022年度から、これからの10年を見据えた長期ビジョン「ShapingtheFuture2030(SF2030)」を開始。その中で掲げているのが「会社と社員が常に選び合い、ともに成長し続ける」という理念だ。同社が抱える課題と、目指す組織の在り方について、CHROの冨田氏に伺った。

オムロン株式会社 取締役執行役員専務 CHRO 冨田 雅彦氏


オムロン株式会社 取締役執行役員専務 CHRO

冨田 雅彦 氏

1989年立石電機(現:オムロン)入社。電子部品事業などの事業戦略部長、企画室長を経て2012年グローバル戦略本部経営戦略部長に就任。2017年グローバル人財総務本部長、2019年に執行役員常務 グローバル人財総務本部長、2023年執行役員専務 CHROに就任。2024年より現職。

構造改革で見えてきた「できているつもり」の罠

当社が今、重視していることは《凡事徹底》です。仕事の原理原則となる「型」を作り、実行・モニタリング・是正のサイクルを各プロセスに落とし込むことを意味します。当たり前のことですが、それを愚直に続ける重要性を再認識したのです。2024年度から着手した構造改革の背景には、長年磨き続けてきたビジネスモデルが世の中の変化に対応できなくなっていたことがあります。人事もこれまで数々の施策を打ってきましたが、会社を強く変える力にはなり切れていなかったと痛感しました。自律性を重んじ、社員に「型」の部分も任せてきたことで、ばらつきが大きくなったことも一因です。そこで、原点に立ち戻り足場を固めるためにも、改めて型を整え、全員が共通認識を持ち、体得する。その先に各自がオリジナリティを発揮できる状態を目指しています。

具体的な取り組みでは、まず全マネジャー対象に研修を行い、マネジメントの基本は「パフォーマンス」と「ピープル」の2軸であると改めて伝えました。「なぜ今さらそんな基本的なことを?」と不満も上がりましたが、その後の360度サーベイで、「ピープルマネジメントができていない」と評価されるケースも多く、改善や時には降格するといったサイクルを回しました。同様のサイクルは、目標設定にも適用しています。目標設定時に「何をすれば評価されるか」について認識を合わせる重要性や評価方法などの「型」を周知し、実行・振り返り・是正のサイクルを徹底しているところです。

なお、こうした施策を進める際には、複数の目で見て、データを活用し、最後は話し合いによって納得を得て進めることを大事にしています。人が人を評価する以上、主観が入るためです。

成長に舵を切る戦略で 会社も社員も成長する組織へ

今後さらに《凡事徹底》を推進するには、まずは構造改革から「成長への舵切り」が重要です。課題を絞り込み、確実に成果を出す。そのために必要な人財を確保し、次世代の育成と両立させていきたいです。

加えて、「①実行力を高める育成」「②成果と処遇の連動」「③マネジメントスタイルの変革」の3施策に注力します。若手人財の早期戦力化で組織の実行力を高め(①)、事業と個人の成果を処遇に連動させ、年齢やキャリアに関係なく挑戦できる仕組みを築き、結果に報いたいと考えています(②)。さらに、マネジャーには、成果追求と、メンバーの成長支援という両資質を必要条件として求めていく考えです(③)。「個々の主体性向上」と「結果を追求するための規律の徹底」は二律背反かもしれませんが、両立に挑戦していきます。

今後、会社と社員の関係はより対等になっていくでしょう。お互いが労力と時間を投資し合う関係である以上、双方が成長しなければ良好な関係は築けません。社員のやりがいや納得感といったソフトと、適正な評価制度といったハードの両面から、信頼を構築していく必要があります。仕組みを文化として根付かせることが、やがて企業のアイデンティティとなるのです。そのためにも、当たり前のことに正面から取り組み、多くの社員が納得感を得られる形で進めていくことが何より重要だと考えています。

※文中の内容・肩書等はすべて掲載当時のものです。

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