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第八回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査

公開日:2023年9月4日(月) 

調査概要

調査名 第八回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査
調査内容 テレワークの実態や意識、就業時のマスク着用状況を定量的に把握する。
つながっている時間(業務時間外においても業務連絡に応答している時間)の実態を明らかにする。
調査対象 [テレワーク実態・就業時マスク実態について]
全国の就業者 20~59歳男女、勤務先従業員人数10人以上 
正規雇用 n=24,644 非正規雇用 n=5,968 公務員・団体職員 n=302

※これまでの調査データと比較するため、主に正規雇用の従業員の数値を用いて分析。 
※正社員の調査結果の数値は国勢調査の正規の社員性年代別の構成比、第四回/五回/六回/七回調査時の職種の構成比に合わせてウェイトバック処理。
※グラフ中のサンプル数はウェイトバック処理後のサンプル数。四捨五入処理の関係で、合計数値が異なる場合がある。


[その他詳細について] テレワーク実施者(正社員)=3,000
調査時期 2023年7月13日-7月18日
調査方法 調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
調査実施主体 株式会社パーソル総合研究所

※報告書内の構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合がある。

調査報告書(全文)

Index

  1. テレワーク実施状況
  2. つながっている時間(業務連絡の応答時間帯)の実態
  3. 就業時のマスク着用の実態
  4. 企業方針やルールの策定と明示を

調査結果(サマリ)

テレワーク実施状況

正社員のテレワーク実施率22.2%、2020年4月以降で最低に

2023年7月時点のテレワーク実施率は、正規雇用社員(以下、正社員)で22.2%。2022年同時期の25.6 %から微減(-3.4ポイント)。2020年4月以降で最も低くなった。

図1.テレワーク実施率の推移(全国、正社員ベース)

テレワーク実施率の推移(全国、正社員ベース)

5類移行後、テレワーク非実施者と職場の出社が増加

新型コロナウイルスの5類感染症への移行後(2023年5月8日以降)、テレワーク非実施者が増加。職場の出社者数は「増えた」が合計24.6%であった。

図2.5類移行前後のテレワーク頻度

5類移行前後のテレワーク頻度

図3.5類移行後の出社者数

5類移行後の出社者数

テレワークに関する指示を出していない企業は約6割

テレワークに関する企業方針は、「特に会社からの指示無し」が63.1%。「原則出社の指示」は21.5%。「原則テレワーク」の指示は4.7%にとどまる。

図4.テレワークに関する企業方針

テレワークに関する企業方針

テレワーク実施者のテレワーク継続意向は過去最高の81.9%

テレワーク実施者のテレワーク継続意向は81.9%。2020年4月以降で過去最高の結果となった。

図5.テレワーク実施者のテレワーク継続希望意向の推移

テレワーク実施者のテレワーク継続希望意向の推移

つながっている時間(業務連絡の応答時間帯)の実態

起きている時間の約45%は仕事とつながっている

仕事の連絡に応答した「最も早い」時間から「最も遅い」時間までを応答時間帯=「つながっている時間」とし、1カ月あたりのつながっている時間を簡易推計した結果、正社員は平均で月間232.3時間。これは平均活動時間(起きている時間)のおよそ45.5%にあたる。

図6.月間の「つながっている時間」の推計

月間の「つながっている時間」の推計

58.4%が、業務時間外の連絡へ即時対応を求められている(過去1カ月)。

図7.業務時間外の即時対応要求

業務時間外の即時対応要求

勤務時間外の連絡に関する社内規則がある企業は約3割

勤務時間外の連絡に関する社内規則があるのは、31.0%にとどまる。規則の内容は、「顧客・取引先に対して、対応可能な時間を案内している」が最多の8.6%であった。

図8.勤務時間外の連絡に関する社内規則の有無と内容

勤務時間外の連絡に関する社内規則の有無と内容

就業時のマスク着用の実態

約8割が就業時にマスク着用

就業時のマスク着用率(「着用している」「たまに着用している」計)は79.8%で、プライベートの着用率よりも6.1ポイント多い。

図9.マスク着用率(就業時、プライベート)

マスク着用率(就業時、プライベート)

マスクの着用理由は、「自己判断」が55.7%で、「会社からの指示」が31.2%、「職場の雰囲気」が29.5%である。

図10.就業時マスク着用の理由

就業時マスク着用の理由

5類移行後、勤務中のマスク着用は減り、会社の飲み会は増加

新型コロナウイルスの5類感染症への移行後(2023年5月8日以降)、勤務中のマスク着用は「減った」計(少し+かなり)が41.6%。会社の飲み会は「増えた」計(少し+かなり)が28.6%である。

図11.5類感染症移行後の変化

5類感染症移行後の変化

プライベートに比べ就業時はマスクの着用意識が高い

プライベートと就業時のマスクの着用意識を比較したところ、「着用したくない」は、プライベート40.0%、就業時31.2%、「着用していたい」は、プライベート25.5%、就業時40.5%で、就業時のほうがマスク着用の意識が高い。

図12.プライベートと就業時のマスク着用意識

プライベートと就業時のマスク着用意識

分析コメント

企業方針やルールの策定と明示を

2022年から続くテレワーク実施率のダウントレンドは、2023年5月新型コロナウイルスの第5類感染症への移行後、さらに顕著に見られている。6割は特に会社からの指示はなく、2割は原則出社の指示が出ている。テレワーカーのテレワーク継続意向が8割を超え続けている実態と合わせて考えると、企業は自社の人材獲得力とのバランスを考慮する必要がある。なし崩し的ではなく戦略的にテレワークを位置づけ、従業員と積極的にコミュニケーションしていきたい。

また、遠隔での勤務やスマートフォンの普及によって問題になっているのは、勤務時間外の業務連絡が多すぎるという点だ。今回、正社員の「つながっている時間(業務連絡の応答時間帯)」を推計すると、平均で月間232.3時間となり、これは人の活動時間のおよそ45%程度にあたる。業務外連絡が日常化している企業は、社内のルールや顧客への案内などの対策を検討したい。

就業時のマスク着用についても、5類移行後に減ったものの、未だ約8割が着用している。着用理由は「会社からの指示」や「職場の雰囲気」がそれぞれ3割前後で、個人判断以外の組織的な要因も大きい。企業は、職種による違いや感染拡大の状況などを鑑みながら方針を定めていく必要があるが、その判断に本データが参考になれば幸いである。

※本調査を引用いただく際は出所を明示してください。
出所の記載例:パーソル総合研究所「第八回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査」


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