パーソル総合研究所 「第十回・テレワークに関する調査」
[テレワーク実態について]
全国の就業者 20~59歳男女、勤務先従業員人数10人以上
正規雇用 n=26,352 非正規雇用 n=3,883 公務員・団体職員 n=496
合計 n=30,731
[テレワーク時の意識について]テレワーク実施者(正社員)=1,000
調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
2025年7月11日 – 7月15日
株式会社パーソル総合研究所
2025年7月時点のテレワークの実施率は、正規雇用社員(以下、正社員)22.5%。2024年同時期の22.6%とほぼ横ばい。2023年以降、全体的なテレワーク実施率は安定的な定着傾向を見せている。
テレワーカーのテレワーク頻度は、「1週間に1日未満」が29.1%、「1週間に1日程度」が20.3%。2024年と比較すると、「週に1日以下」のテレワーカーが43.6%から49.4%に増え、テレワーク頻度の全体は減少傾向。
2024年からのテレワーク頻度の変化を直接尋ねた質問では、「減った」が35.8%と高くなった。
企業規模別にテレワーク実施率の推移を見ると、従業員10,000人以上の大手企業において、2025年7月時点のテレワーク実施率が34.6%で、2024年同時期の38.2%から3.6ポイント減少した。
テレワークについての企業方針(従業員回答)は、62.2%が「特に会社から指示は無い」。2024年と比較すると全体的に「原則出社の指示」が微増。特に企業規模10,000人以上の会社が24.4%で、2024年の20.8%から増加した。
地域別にテレワーク実施率を見ると、関東圏が31.7%で最上位。大きな変動はない。
職種別にテレワーク実施率を見ると、「コンサルタント(62.2%)」「IT系技術職(58.3%)」が高い。
「Webクリエイティブ職」「広報・宣伝・編集」「営業推進・営業企画」「資材・購買」の実施率が2023年からの2年で大きく減少した。
テレワークを実施していない理由の1位は「テレワーク制度が整備されていない」 で36.8%。経年変化を見ると、「テレワーク制度が整備されていない」が継続的に上昇し、「テレワークで行える業務ではない」を逆転した。
テレワーク実施者に、今後のテレワーク希望を聴取した。「続けたい」計は82.2%と過去最高。2020年後半以降、高止まりの状態が続いている。
テレワークに関する困りごとは、「運動不足を感じる」が55.4%と最上位だが、全体的に減ってきている。「部下の仕事の様子がわからなくなった」(上司のみ回答)だけが、ここ2年で増加傾向。
テレワーク時の不安感は、「相手の気持ちがわかりにくく不安だ」が最上位。
パーソル総合研究所では、新型コロナウイルスの感染拡大以降、テレワーク実施率の推移を継続的に測定してきた。最新の調査結果からは、日本におけるテレワークが2023年から一定の安定・定着フェーズに移行していることが確認できた。「今後もテレワークを継続したい」という意向も過去最高を記録しており、大勢としては《現状維持》の傾向が確認されている。
一方で、テレワークの「頻度」に注目すると、やや減少傾向が見られる。2024年からの変化を尋ねた設問において、「テレワークの頻度が減った」と回答した人は35.8%に上り、増加傾向よりも明確に多い。
また、テレワークへの慣れが進み、テレワーク時の困りごと(デメリット)は徐々に減少している中、マネジメントに関する課題は依然として解決されていない。上司が部下の仕事の様子が見えないという課題が、テレワークが普及した2020年から5年経っても残存している様子がうかがえる。
今後、労働力不足・人材確保難がさらに深刻化する中で、「従業員が希望する柔軟な働き方」と「上司層が抱えるマネジメント上の懸念」のギャップをどう埋めるか。テクノロジーへの投資やコミュニケーション施策など、テレワーク・マネジメントの領域では工夫の余地がまだまだありそうだ。
※本調査を引用いただく際は出所を明示してください。
出所の記載例:パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査」
THEME
CONTACT US
こちらのフォームからお問い合わせいただけます