• 調査レポート

パート・アルバイトのフィールドマネジメントに関する定量調査

公開日:2022年4月6日(水) 

調査概要

     
調査名 パート・アルバイトのフィールドマネジメントに関する定量調査
調査内容 ①どのような店舗状態・サービス状態が、消費者としての購買行動・ポジティブな印象につながっているのかを特定する。
②どのようなフォロワーシップ行動が、どのような店舗状態・サービス状態を導いているかを明らかにする。
③現場の直属上司(店長・マネジャー)のどのようなマネジメント行動が、部下のどのようなフォロワーシップ行動や、従業員満足度(ES)を導いているかを明らかにする。
調査対象

①消費者調査 n=3856
●全国 男女 年齢20-50代 ●BtoCサービス業の1ヶ月1回以上の利用者

②従業員調査 n=1000
●全国 男女 15歳以上 ●BtoCサービス業の現場業務に現在従事している従業員、勤続1ヶ月以上 ●従事している店舗:事業所内の従業員が10人以上 ●雇用形態:アルバイト・パート・有期雇用就業者

業態カテゴリー別n数図表
調査時期 ①消費者調査 2021年 11月8日-10日
②従業員調査 2021年 12月9日-13日
調査方法

調査会社モニターを用いたインターネット定量調査

実施主体 株式会社パーソル総合研究所

※報告書内の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計と内訳の計は必ずしも一致しない場合がある

調査報告書(全文)

調査全体の設計

①消費者調査は顧客満足度と現場品質の関係を、②従業員調査はマネジメント行動と従業員行動の関係をそれぞれ明らかにする。

調査全体の設計

調査結果(サマリ)

顧客満足に影響を与える現場品質とは

顧客満足度を高める店舗の現場品質【調査設計A】

多くの業態で顧客満足度やNPS(他者推奨意向)、顧客ロイヤリティ(今まで以上に利用したい気持ち)にプラスの影響があった現場品質の要因は、設備内の清潔感や照明などの「空間品質」、顧客ファーストの応対や親密な応対などの「接客品質」、トイレ・洗面所やコロナ対策などの「設備品質」だった(図1)※。その他、飲食業態は味の安定性や提供スピードなどの「提供品質」が、小売業態では商品の探しやすさなどの「陳列品質」が顧客満足にプラスの影響を与えていた。
※性年齢、接客経験、他店価格優位性・安全性などの影響を取り除いた場合

図1.顧客満足度を高める3つの現場品質

顧客満足度を高める3つの現場品質

高品質な現場を作る従業員とフィールドマネジャーの行動とは

現場品質を高める従業員の行動品質【調査設計B】

顧客満足を高める現場品質に影響を与える従業員の行動では、決められた仕事をきちんとこなす「堅実行動」、お客のことを第一に考えて動く「顧客行動」、積極的に仕事を覚える「習熟行動」が、現場品質にプラスの影響を与えていた(図2)。また、サービス業態では、マニュアルに縛られない対応ができる「柔軟行動」も現場品質に影響していた。

図2.現場品質を高める4つの従業員の行動品質

現場品質を高める4つの従業員の行動品質

現場品質にプラスの影響を与える従業員行動の実態

「堅実行動」「顧客行動」「習熟行動」「柔軟行動」の4つの観点から従業員の行動実態を見ると、「無断欠勤しない(90.6%)」「遅刻しない(88.8%)」などの堅実行動は高いが、「お客様それぞれに合わせた提案をしている(51.2%)」などの「柔軟行動」はやや低めの実施率だった(図3)。

図3.従業員の行動実施率

従業員の行動実施率

従業員行動にポジティブな影響を与えるフィールドマネジャーの行動【調査設計C】

従業員の「顧客行動」を育てるには、職場を活気づける「鼓舞」のマネジメント、「習熟行動」を育てるには話を最後まで聞く「傾聴」のマネジメント、「堅実行動」を育てるには明確な言葉で「伝える」マネジメント、「柔軟行動」を育てるには日常的な「褒める」マネジメントがそれぞれポジティブな影響を与えることが分かった(図4)。

図4.従業員の育成課題別マネジメント

従業員の育成課題別マネジメント

現場品質を下げる従業員行動とフィールドマネジャーによる防止策とは

現場品質を下げる従業員のネガティブ行動【調査設計B】

一方で、従業員による「なわばり行動」「不正行為」「職場内いじめ」といったネガティブな行動は現場品質を下げることが分かった(図5)。

図5.現場品質を下げるネガティブな従業員行動

現場品質を下げるネガティブな従業員行動

現場品質を下げるネガティブな従業員行動の実態

「なわばり行動」「不正行為」「職場内いじめ」の観点から従業員の行動実態を見ると、「職場で【パワハラ、セクハラ】を見聞きしたことがある(23.3%)」「職場で【盗難行為】を見聞きしたことがある(20.1%)」など、深刻な事象も20%を超えている(図6)。

図6.従業員のネガティブ行動の実態

従業員のネガティブ行動の実態

従業員のネガティブ行動を防止するフィールドマネジャーの行動【調査設計C】

従業員のなわばり行動を防止するには、マネジャーによる「ハラスメント防止」のマネジメント、職場内のいじめ防止には、「反面教師にならない」マネジメント、バイトテロの防止には、「えこひいきやハラスメント防止」のマネジメント、従業員の離職防止には、「高圧的で押さえつける恐怖政治防止や出勤強要を防ぐ」マネジメントがそれぞれの防ぎたい課題の対策となる(図7)。

図7.職場の課題別マネジメント

職場の課題別マネジメント

フィールドマネジャーのタイプ分け

フィールドマネジャーのマネジメント行動の傾向に基づいて5タイプに分類すると、特に課題が大きい3つのタイプが抽出された(図8)。

【絶対君主タイプ】:育成への関心が低く、従業員の仕事に細かく口を出す傾向
【友達タイプ】:従業員と仲良くなり、特定の人をひいきする傾向
【職人タイプ】:従業員との交流を避け、仕事を抱え込む傾向

図8.フィールドマネジャーの5タイプの割合

フィールドマネジャーの5タイプの割合

「絶対君主タイプ」「友達タイプ」「職人タイプ」のマネジャーの店舗は、ほとんどの現場品質が低い。さらに、従業員の就業満足度が低く、転職意向が平均よりも高いことが分かった。また、「絶対君主タイプ」「友達タイプ」の店舗は、職場内いじめ、不正行為発生数が平均よりも多いことが明らかになった。

分析コメント

アルバイト・パートが多く働くBtoCの飲食・小売・サービスの現場では、いまだ属人的なマネジメントが広く見られる。その結果、同じチェーン店でも離職率や店舗のクオリティに大きな差があり、戦略的にコントロールされているとは言い難い。コロナ禍においてもテレワークが難しいこともあり、経済の回復とともに人手不足感も深刻化してきた。

本調査では、「顧客満足」という最終的成果に資するために、現場、そしてマネジメントに何が必要なのかを総合的に明らかにした。店舗の質、従業員の行動、マネジメントの質を一貫して分析する稀有な調査となった。業務をぎりぎりまで効率化しつつ、ときに予想できない事態に対応を求められる「現場」に即した行動のフレームを提出している。マネジメントや店舗研修などのトレーニングを検討する際に、参照していただければ幸いである。

※本調査を引用いただく際は出所を明示してください。
出所の記載例:パーソル総合研究所 「パート・アルバイトのフィールドマネジメントに関する定量調査」

調査報告書(全文)

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