公開日 2015/11/04
「なんでも屋」になってしまい、特定の能力・技能が身に付きにくく、キャリア形成が難しい――。内閣府の規制改革会議が2013年に発表した報告書の中で、正社員について触れた一説だ。以前は企業戦士として企業の成長を牽引し、雇用のモデルケースとして世界から着目された「正社員」。それが今では、正社員消滅、雇用崩壊......といった言葉に象徴されるように、その弊害ばかりが目立つようになっている。
そもそも「正社員」とは何なのか。
どのような役割を担ってきたのだろうか。「正社員」の起源には諸説あるが、少なくとも現在の新卒一括採用に形作られる雇用の仕組みは大正時代に既に見出すことができる。大卒比率が5%にも満たない中、企業の中核を担う幹部候補生として採用された彼らは、まさにエリートとして企業の様々な職務を経験し、企業を牽引する存在に成長していった。こうした仕組みは戦後、多くの企業に広がることとなる。折しも当時は「良いものを安く多く売る」ことが企業成長につながる時代。既存サービスの改善や規模拡大が企業競争力に直結する中、社内ノウハウや社内人脈の蓄積が企業価値創出に大きく寄与した。そうした中で、どこの色にも染まっていない新卒学生を採用し、OJTや複数部署の経験を通してじっくりと育成していくシステムは非常に合理的で、強固な雇用慣行として根付くことになる。
ところが、こうした前提はもはや成立しない。イノベーションやソリューション提供が企業の競争力を左右するような成熟市場にあっては、社内ノウハウだけでは通用しない。新卒採用を中心に複数の職務を経験していく仕組みは社内ゼネラリストの育成には効果的でも、企業競争力を生み出す人材には繋がらなくなっている。雇用慣行の前提が崩れ、社員に求められる価値も大きく変化する中、「正社員」という雇用の仕組みだけが取り残されている。だからこそ企業人事には、形作られた制度や仕組みの慣性を打破し、変革していくことが求められている。「正社員」の何をどのように変革し、何を残せば良いのだろうか。
この問いに対し、インテリジェンスHITO総研では、「これからの正社員の在り方を考える研究会」を発足させ、産学のエキスパートとともに議論を重ねてきた。詳しい内容については『機関誌vol.8 正社員マネジメントの未来』をご参照いただきたい。
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