人材流動化時代に必要な“円滑な業務引き継ぎプロセス”とは
株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:萱野博行)は、「オフボーディング(欠員発生時の組織的取組)に関する定量調査」の結果を発表いたします。
労働市場の流動化を背景に、新規採用者を組織に迎え入れ、戦力として成果に結びつける『オンボーディング』が多くの企業で積極的に実施されています。その一方で、組織と退職者が良好な関係を保ちながら、業務の引き継ぎやセキュリティリスク対策を行い、将来的な再雇用や企業の評価向上などを図る『オフボーディング』の重要性も、ますます高まっています。
本調査では、オフボーディングにおける欠員発生時の業務の「アサイン」「引き継ぎ」「理解」に着目し、退職や育休・産休などで欠員が発生した際に組織内で何が起こるのかを明らかにして、欠員発生後の適切な対応方法を探ることを目的としました。
欠員が発生しても、77.0%でその補充がなかった。
労働市場の流動性への関心の高まりとともに、新規採用者を迎え入れる際のオンボーディングに注目が集まっている。これと対になるのがチームから離れる同僚を送り出す際のオフボーディングだ。しかし、希望や期待に満ちたオンボーディングと比べると、オフボーディングの様子はやや異なる。
「現場でうまくやっておいてほしい」と、欠員の発生や引き継ぎから目を背ける管理職。「立つ鳥跡を濁さず」の理想を理解しつつも、慌ただしく立ち去る退職者。別れを惜しみつつも、「今の仕事で手一杯」の同僚。このように、オフボーディングにおいては、関係者それぞれが後ろ向きになりやすい。
本調査では、欠員発生後の補充が多くの場合なされていないことや、欠員発生後には後任や上司の残業時間がより長く、バーンアウトリスクがより高くなっていることが確認されている。他方、欠員発生という状況下では、上司による引き継ぎ役のアサインの方向性によって、その後のチームの状態が異なることが本調査では示されている。また、欠員が発生した際の個別の対応だけでなく、日常的な組織文化の見直しの重要性も確認されている。
オフボーディングの重要性を認識した上で、今後はオンボーディングと同様に戦略的に位置付けることが求められる。企業においては、労働力不足が深刻化するなか、退職の連鎖を招かないためにも、欠員発生時の対応を強化すべきだろう。また、働く人にとっては大きな負荷がかかる場面ではあるが、それぞれ良好な関係を保ちつつ、気持ちよく送り出し、送り出されるようにしたい。
※本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所」と記載してください。
※調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。
URL:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/offboarding.html
※構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合があります。
調査名称 |
パーソル総合研究所 「オフボーディング(欠員発生時の組織的取組)に関する定量調査」 |
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調査内容 |
・欠員発生時に組織内で何が起こっているかを明らかにする。 ・欠員発生後の対応方法を探る。 |
調査対象者 |
■スクリーニング調査(n = 37244) ・全国の正社員 20~59歳男女 ■本調査(n = 各1350s) 上記スクリーニング調査の条件に加え、 ①前任:半年以内に退職/中長期休(3か月以上)を取得した者 |
調査手法 |
調査会社モニターを用いたインターネット定量調査 |
調査時期 |
2024年 2月16日 - 2月20日 |
実施主体 | 株式会社パーソル総合研究所 |
パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、人材開発・教育支援などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、BPOや設計・開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開するほか、新領域における事業の探索・創造にも取り組み、アセスメントリクルーティングプラットフォーム「ミイダス」や、スキマバイトアプリ「シェアフル」などのサービスも提供しています。
はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」 を実感できる社会を創造します。
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