2023年と比較すると労働力不足は約2倍深刻に
株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:萱野博行)と、中央大学(東京都八王子市、学長:河合久)は、共同研究として取り組んできた「労働市場の未来推計2035」の結果を発表いたします。
2018年に発表した「労働市場の未来推計2030」から約6年が経過し、労働市場には女性やシニア、外国人など多様な就業者が増加しました。また、コロナ禍を経て、リモートワークや副業・兼業といった多様な働き方が浸透するなど、労働市場は大きく変化しつつあります。こうした状況を踏まえ、より実態に即した労働力需給を把握するため、今回の「労働市場の未来推計2035」では、労働力不足を「人手」ではなく「時間」で捉え、対象を「日本人」だけでなく「外国人」も含めることで、より精度の高い推計を目指しました。
2035年にかけて、シニア、女性、外国人の労働参加が進み就業者は増加するも、1人あたりの労働時間は減少し、労働力不足は深刻化。
日本では人口減少が着実に進んでおり、労働力不足への関心が高まり続けている。これまでは、労働力不足を「人手不足」と捉える傾向にあったが、この考え方では正確な労働力を測れない。時間にしばられない柔軟な働き方が当たり前になることを視野に入れて、労働市場の推計や施策の検討においては、「(働く)人数×時間」の観点で捉えることが重要である。
本プロジェクトでは、2035年には多くの個人が労働参加するが、1日あたり1,775万時間の労働力が不足する見通しとなった。この問題を解決するための主な方向性は、「①労働力の増加」と「②生産性の向上」の2点である。具体的には、①シニア就業者やパートタイム就業者、副業希望の就業者など、多様なショートワーカーの「働きたい」に基づく労働市場の整備、②人的資本投資や新たなテクノロジーを活用した労働生産性の向上が必要だ。労働力不足が生じるメカニズムをおさえた上で、それぞれの型に合った施策が検討されるべきだろう。
本プロジェクトの結果が、適切な労働力不足対策を考える際の基礎資料になれば幸いである。
※本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2035」」と明記してください。
※調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。
URL:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/roudou2035/
※報告書の構成比の数値は、四捨五入しているため、合計の数値と内訳の計は必ずしも一致しません。
パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、人材開発・教育支援などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、BPOや設計・開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開するほか、新領域における事業の探索・創造にも取り組み、アセスメントリクルーティングプラットフォーム「ミイダス」や、スキマバイトアプリ「シェアフル」などのサービスも提供しています。
はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」 を実感できる社会を創造します。
中央大学は、1885年の創立から「實地應用ノ素ヲ養フ(じっちおうようのそをやしなう)」という建学の精神のもと、いつの時代にも社会を支え、未来を拓くことを使命とし、実社会の課題に対応する教育・研究に取り組んでいます。
「Chuo Vision 2025」に基づき、中央大学は持続可能な社会を築き、国際的に貢献できる実践力を持つ次世代の人材育成を目指して、2026年から2027年にかけて新しい5つの学部を設置する計画を進めています。
2026年4月には、現在の理工学部を再編し、基幹理工学部、社会理工学部、先進理工学部の3つの学部を、2027年4月には、デジタル×スポーツ、デジタル×農業の2つの学部を開設に向けて設置構想中です。
本調査は「労働市場の未来推計2035」プロジェクトとして、中央大学の阿部正浩教授、中央大学 経済研究所 客員研究員および下関市立大学の鈴木俊光准教授にご参画いただき、パーソル総合研究所シンクタンク本部と中央大学の共同で実施しました 。
株式会社パーソル総合研究所 広報
TEL:03-6385-6888 Mail:prc_pr@persol.co.jp