外国人部下に想定外のギャップを抱えがちだが、日本人上司の46.1%が会社からのサポートなし
総合人材サービス、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームである株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:渋谷和久)は、「外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査」の結果を発表いたします。
本調査は、外国人雇用が拡大する中、外国人を部下に持つ日本人上司に関する現状や課題を明らかにし、より良いマネジメントに資することを目的に実施しました。パーソル総合研究所による外国人雇用に関する調査は、2019年9月12日発表の「外国人雇用に関する企業の意識・実態調査」結果に続き、2回目となります。
外国人部下に対するマネジメントについて、日本人上司の30.0%(約3人に1人)が「ノウハウがなく、手探り状態である」と回答。
図表1.外国人部下に対するマネジメントの困難さ
外国人部下を持った時に想定外のギャップがあったという割合は、各項目で30~40%台の水準となった。
図表2.外国人部下に対する想定外のギャップ
外国人部下を持つ日本上司の17.2%が「できれば今すぐにでも辞めたい」と回答。
図表3.「できれば今すぐにでも辞めたい」という回答割合
外国人部下を持つ日本人上司が会社から各サポートを受けている割合は2割程度。いずれのサポートも受けていない日本人上司は46.1%にも上る。
経験年数に応じて外国人材を活かすコミュニケーションスキルが上がることがデータで分かっているが、日本人上司の離職防止や外国人活躍の観点から、経験が浅い上司にはサポートが求められる。
図表4.外国人部下を持つ日本人上司が会社からサポートを受けている割合
※本調査を引用するときの出所の記載例:パーソル総合研究所「外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査」
日本人の多くは、実際に外国人部下を持ったとき、事前の想定以上に難しさを感じている。ノウハウも無い中で、外国人に対して「こちら(職場)に合わせてほしい」という意識が強い上司ほど、受け入れ時のギャップが大きくなることも明らかになった。
こうした受け入れ時のギャップやコミュニケーションの苦労、トラブルが生じている職場では、外国人材の定着・活躍にとってマイナスの影響があるだけでなく、日本人上司も疲弊し、離職にもつながっていた(下図参照)。それにも関わらず、日本人上司に対する会社からの組織的サポートは手薄だ。
必要なのは、外国人材のマネジメントを「現場任せ」「上司任せ」にせず、企業としてノウハウを可視化し、蓄積・共有していくナレッジ・マネジメントだ。経験が浅い日本人上司には、業務支援ツールやマニュアルはもちろん、受け入れギャップを防ぐことを含めた意識面の準備のサポートが必須である。
調査名称 | パーソル総合研究所 「外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査」 |
---|---|
調査目的 | ・外国人材をマネジメントする現場の課題を把握し、より良いマネジメント(外国人材の定着・活躍)の在り方を探る。 ・外国人部下を持つ上司自身の離職のリスクやその回避方法を明らかにする。 |
調査手法 | 調査モニターを用いたインターネット定量調査 |
調査時期 | 2019年8月23日-8月28日 |
調査対象者 |
【外国人部下をマネジメントしている日本人上司】 |
実施主体 | 株式会社パーソル総合研究所 |
パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、タレントマネジメントシステム提供、社員研修などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」をはじめ、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様なサービスを展開しています。また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも取り組んでおり、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、ITイベント情報サイトおよびイベント&コミュニティスペース「TECH PLAY」、オープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」、クラウド型モバイルPOSシステム「POS+ (ポスタス)」などのサービスも展開しています。
株式会社パーソル総合研究所 広報室
TEL:03-6385-6888 Mail:prc_pr@persol.co.jp