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- 解説

2015.02.12

これから求められるリーダー像と、その見極め・育成の方法

経営人材をどのようにして見極めていくのか

日本企業の人事が最も重要視し、しかし取り組み成果が最も不十分だと認識しているテーマが、次期経営人材の選抜と育成である。このテーマに関してコンサルタントとして長きにわたり携わってきた身としても、まだまだ力不足を感じる次第である。

HRプロが発表した最新の「人事白書2014」では、次世代リーダーの育成(対象者は主に事業部長~課長)に関して、大企業では54%の企業が取り組んでいることが明らかになっている。10数年前が30%弱であったことと比較すると、およそ倍近く増えている。

図2

一方で、私が特に気になった調査結果が次世代リーダー候補者の選定基準方法である。「評価結果による選抜」の41%に続き、「担当部長の推薦」や「役員の推薦」がそれぞれ35%近くあり、その他を大きくひき離す。気になる点とは次の2つである。第一に、これらの選抜方法が言うなれば「社内基準」ということである。社内基準以外でのモノサシとも言える「(外部の)アセスメントツールによる選抜」に関しては、わずか8%であった。そして第二点目が、それゆえに「過去基準」であることである。

図1

「三種の神器」のひとつで、日本企業の特徴である終身雇用を前提とした、あるいは過去の成功や実績が将来にも通じるビジネスモデルやビジネススキルを前提としたもとでは、社内基準による選抜が一定の有効性をもっていたが、非連続的なビジネス環境変化にあり、グローバル化が加速し、人材の流動化も激しさを増す昨今においては、そろそろ限界にきていることがわかる。

過去から現在までの実績を根拠に、あるいは社内で浸透しているモノサシによって、将来の再現性を推測する選抜のあり方そのものが否定されるものではない。しかし、例えばこれまでとは異なる業種から優秀な外部人材を採用し、育成していく、あるいは海外拠点でローカル人材を積極的に雇用していくなど、いわば同質ではない多様な人材を前提とした人的資源管理へと変化していく過程で、将来の経営人材を選ぶ基準がこれまでと同じでよいと考えることには無理がある。

多国籍人材を擁する米国や英国では、自社では持ち得ない客観的なモノサシとなる外部のアセスメントツールによってリーダーを選抜することが、当たり前となっている。日本では入口で、主に新卒を対象に性格適性検査によってふるいにかけて、採用の可否を決定することが一般的であるが、上級層候補を見極めるためのアセスメントの実施は、前述のとおりわずかである。アセスメントにも種々あるが、一般的に客観性が高い順にあげると、適性検査、アセスメントセンター、多面観察、行動インタビューとなる。

例えば米国のある大手企業の一例をご紹介すると、役員クラスの採用を進める際に、職務経歴は文句なし、多くの役員面接でもOK、最終決定にアセスメントを実施したが、結果が好ましくなかったので採用しなかった、ということが実際にはよくある話である。会社の将来を託す重要なポジションの採用だからこそ、過去の実績といった顕在的に表現されている情報よりも、経営者としての資質にもとる価値観や保有能力といった潜在的な情報のほうが、重要視されるのである。

ここまでの話は経営人材の見極め方についてであるが、選抜のあり方が重要である理由は実は、経営人材育成のあり方に大きな影響を与えるからに他ならない。

それでは優れた経営人材は、いかにして生み出されるのだろうか。

>>次ページは 経営人材はいかに生み出されるのか

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