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チェンジマネジメント

チェンジマネジメント3

画一性や効率が競争優位となる「工業社会」から独創性やスピードなどが競争優位に直結する「脱工業社会(知識社会)」に変化する中、多くの企業で変革が求められています。しかし組織変革に取り組んでいる企業のうち、狙った成果を上げている企業はわずかに過ぎません。変革を日常的に起こせるような「自らを変革できる組織能力」をいかに築けばよいのでしょうか?

- 委員会
第1回 議事要旨
『チェンジマネジメントをめぐる7つの問い』

2013.03.06

当研究会発足の目的
この長きに亘る日本経済の停滞を根底から打破し、再び活気ある社会を取り戻すためには、日本企業の活力が絶対不可欠となる。日本企業の継続的な成長力を再び取り戻す上で鍵となるのが「創造的変革」である。昨今の激しい経営環境の変化に対峙する多くの企業にとって組織変革の必要性は言うまでもないことである。事実、こうした様々な変革を成功に導くための方法論として米国で開発された「チェンジマネジメント」の手法は多くの日本企業でもこれまで導入されてきた。それらはリストラクチャリングやビジネスプロセスリエンジニアリングなどいわゆるハード面の構造改革を中心としたものだが、残念ながらそうしたテクニカルなアプローチでは日本企業を抜本的に変革することが難しいことはこの20年間の歴史が証明している。
それでは、なぜ日本企業では米国流チェンジマネジメントによる組織変革が機能しないのだろうか。また、組織変革を成功に導くための「日本発チェンジマネジメントの未来」とは一体どのようなものだろうか。当研究会では、その課題解決の糸口が「組織風土」というソフト面にあるのではないかという仮説の下、風土改革アプローチによる「日本発チェンジマネジメントの未来」を議論し、企業にとって実践に活用可能な「チェンジマネジメント・メソッド」を創出することを目的として発足する。
また、当研究会では「7つの問い」(下記参照)をフレームワークとして、今後全5回にわたり熟議を重ねていく予定である。なお、これまでチェンジマネジメントに関する数多くの研究が主に運用プロセスや変革ツールを対象にしてきたのに対して、当研究会ではその後の定着に問題意識の主眼を置いている。したがって、これまで議論の俎上に載せられることが少なかった評価・評価尺度(下記⑦)について新たなメソッドを開発することを射程に収めながら、議論を展開していくこととする。

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初回会合の主旨
本会合はこれから全5回にわたって熟議を重ねる「日本版チェンジマネジメント・メソッド」の導入セッションとして、上記フレームワークの上位3点について中心的に議論を展開した。以下それぞれについて要旨を整理する。
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(1)「変革」とは目的なのか?手段なのか?(原則)
変革は組織ビジョンを達成するための「手段」として位置づけられる。つまり、組織ビジョン(To Be)と現状(As Is)のギャップ(課題)を埋めるプロセスこそ「変革」である。しかし、特に日本企業の場合、変革を語る以前の問題として、そもそも変革の先にあるビジョンが不明確であるケースが極めて多く散見される。つまり、変革の主体者たるリーダーにビジョンを構築する力が決定的に欠けているのである。実現したいビジョンが不明確なまま「チェンジマネジメント」という言葉だけが独り歩きする組織では、本質的な組織変革の効果は期待できないだろう。

(2)「変革」とは何か?(定義)

組織変革とは、「組織ビジョンの実現、長期的な組織成果の向上を目的として、変化の激しい経営環境、労働市場に適応するために、組織構造や組織行動、組織風土の変化を促すこと」を意味する。

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(3)何を「変革」するのか?(対象)

当委員会では、数ある組織変革の中でも特に「組織風土の改革」に着目する。つまり、風土改革を通じてソフト面(個々の意識や行動を変えること)、ハード面(人事制度や組織図を変えること)の変革を促すことにフォーカスする。
それでは組織風土とは何か。一般的には、「構成員によって明示的あるいは黙示的に知覚され、 構成員の考え方や行動、 感情に影響を及ぼすと考えられる一連の特性 (規範、 価値観等) の集合体」 と定義される。敢えて簡潔に言えば、「社員個々が「常識」と考える意識や行動パターンから生まれ、いつの間にか根付いてしまった習慣」のことである。そして、それは職場において日常的に用いられる「言葉」として表出される。例えば、「うちの会社では余計なことを言うと出世できない」「目に見える成果を上げた人だけが評価をされる」等である。組織風土というと曖昧かつ抽象論的な印象を受けるが、このように「言葉」として職場に流通するものであるとすると捉えやすい。
組織風土の一つの表れが職場で用いられている「言葉」にあると考えると、「言葉」を戦略的に用いた組織風土改革の方策が浮かび上がってくる。つまり、まず「組織変革を実現するために今蔓延っているある風土をどのような風土に変えるべきか」について、イメージするだけでなく、具体的な言葉に置き換えてみるということである。ただし、ここで留意すべき点は、その言葉が社員の意向を無視して独り歩きしていないかという点である。大切なのは「風土改革の方向性を象徴する言葉(組織風土アンカー)」が社員一人ひとりにとって「誰かが決めた外来語」ではなく、「自分たちで決めた標語」として認知されていることである。そのためには、変革主体者によって言語化された組織風土アンカーを素材として社員同士で対話する機会を持つことが重要である。組織風土アンカーとして社員の前に提示されることで、はじめて社員は風土を意識的に捉え、また「これまでの当たり前」を批判的に自覚化することが出来る。そうした芽生えた健全な問題意識を対話することによって昇華させることが、風土改革の大切なステップである。
組織風土が起因した組織行動の典型として「面従腹背」が挙げられる。これは率直な対話をすることで生じるコンフリクトを避けるために個人の主張は差し控える、という組織行動である。その背後には日本企業によく見られる「遠慮」の風土が起因している。例えば、「遠慮から率直へ」という風土アンカーを上記のプロセスを通じて組織に浸透させることで、面従腹背のような組織行動は減少するのではないだろうか。
以上のように風土改革アンカーを用いて社員一人ひとりの変革受容度を高めることは、組織変革の1stステップに位置づけられるべきである。本来、長期的な意識改革を担保する仕組みや構造の変革はそれに後続して導入されるべきものであるが、その順序が逆転してまず仕組みや構造の変革に手を付ける日本企業が多いのが実態である。制度や仕組みなどハード面での変革が先行すると、それに対する社員の拒否感やしらけが醸成され、結果として変革が結実する可能性は低いことを留意する必要がある。

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日時:2013年3月6日(水)15:30~18:00
場所:株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 会議室

参加者:
木谷 宏氏(麗澤大学経済学部教授)
アキレス美知子 氏(株式会社資生堂 執行役員)
出馬 幹也氏(フロネシス経営研究所 主宰/富士ゼロックス総合教育研究所 アドバイザリーフェロー)
伊藤 伸也 氏(日本郵政株式会社 社風改革推進室 次長)
木下 達夫氏(日本GE株式会社 人事部 人事オペレーションリーダー)
津野 孝氏(株式会社NTTデータ グループ経営企画本部NEXT推進室室長)
須東 朋広 (株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 主席研究員)

事務局:
株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 社長執行役員 上土 達哉
株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 研究員 田中 聡
株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 研究員 森安 亮介

※肩書きは当時のものです

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