インタビュー

《ポテンシャルの解放》個人の挑戦を称賛する文化が時代に先駆けた変化を生み出す

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パナソニックグループの持株会社制への移行に伴い、2022年に設立されたパナソニック インダストリーは「想いを、動かせ。」のコンセプトの下、目的・未来志向で挑戦し続ける企業風土の実現を目指す人財戦略を推進している。戦略策定に関わった栃谷氏にお話を伺った。

栃谷 恵里子之 氏

パナソニック インダストリー株式会社 人事戦略統括部 統括部長

栃谷 恵里子 氏

1990年、松下電器産業入社。入社以来、松下電池工業、パナソニック本社部門などで一貫して人事を担当。パナソニック インダストリーにて新会社としての人財戦略立案、実行を推進した後、2023年10月よりパナソニック オートモーティブシステムズ人事戦略部長(兼)採用部長。

  1. 一人ひとりの挑戦が社会を変える力になる
  2. 一律平等の制度を変え、働き方を選択できる環境へ

一人ひとりの挑戦が社会を変える力になる

栃谷氏

人事業界で注力すべきキーワードは、かなり出尽くしている感があります。今後はそれらをどれだけ本気でやりきるかによって、企業の差別化がなされていくように思います。個人においても、そうした社会の動きを成長のチャンスと捉えて挑戦することが大切で、それが社会を変えていく力になると考えています。今はまだ、一部の人が動き出している状態ですが、今後、過去「当たり前」だったことが大きく変わり、新しい時代へと移っていくのではないでしょうか。そうした中で、私が重要視しているのが《ポテンシャルの解放》です。

社員一人ひとりが持つポテンシャルを解き放ちたい。この思いは、「想いを、動かせ。」をコンセプトに推進している当社の人財戦略にもつながっています。

一律平等の制度を変え、働き方を選択できる環境へ

栃谷氏

当社は長年、デバイス事業において、お客様の要望に着実にお応えし、高い品質を維持する上で、まじめで堅実な社員と、同質的で団結力が強い組織の在り方が優先されてきました。そうした既存の強みに加え、2022年の創業を機に、「未来の兆しを先取り、お客様とともに社会変革をリードする」を経営のビジョンに掲げ、人・組織・文化のあるべき姿を再定義しました。社員一人ひとりはプロとして自己変革を続け、組織は多様な人財と知恵を生かしてチームの成長を最大化していく。そのためには、社員が挑戦することを称える文化に変わっていかなくてはなりません。

そこで打ち出したのが、「ファーストペンギン・ファースト」です。リスクを恐れず初めてのことに挑戦する人を、敬意をこめて「ファーストペンギン」と呼びますが、そのような人を称賛することで、挑戦する精神と行動を社内に広げていこうとしています。

他にも、異動や昇格などの登用については公募を基本としました。募集は通年で必要なときに行われ、要件を満たしていれば誰でも挑戦できます。これまでのように会社の都合で異動や昇格を命じても、各々の人生のタイミングに合わず、挑戦したくてもできない人もいます。公募制にすることで、自分のキャリアを自分の最適なタイミングで決められるようにしたのです。また、誰もが自分の発意で、いつでもどこでも学べるプラットフォーム「マナビバevery」を開設。全社的に各ポジションの役割・人財要件定義が公開され、異動希望先の必要なスキルが分かるため、「マナビバevery」で自主的に学び準備することも可能です。これらにより、現在すでに挑戦的でダイナミックな異動が実現してきています。

さらに、全国どこでも働ける「フリーオフィス制度」の導入や、勤務時間に柔軟性を持たせた「フレキシブルタイム制度」を拡充するなどして、誰もが遠慮なく生き生きと挑戦できるように環境を整えているところです。

一人ひとりに寄り添う制度に変えることで、今まで発揮しきれていなかった社員のポテンシャルが解放されれば、より多様な知恵や力が集まり、より組織が強くなっていく。それは、組織の持つ《ポテンシャルの解放》にもつながるのではないか。私はそう考えています。


※文中の内容・肩書等はすべて掲載当時のものです。

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