公開日 2015/07/09
インテリジェンスHITO総合研究所が行った女性管理職のインタビューでは、活躍する女性管理職に共通した特徴として「変えていく力」が浮かび上がってきた
(参考:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/research/column/201505012017.html)。
しかし、女性管理職をめぐる問題を女性個人の問題のみに帰結してはならない。ここからは企業の視点に立ち、女性管理職の活躍を推進するために企業は何を変えるべきかを考えてみたい。
まず、日本企業の女性管理職比率が一向に高まらない要因として、「就業時間の壁」が挙げられる。下図をご覧いただくと分かるように、管理職における男女格差の要因として「週当たり49時間労働」が一つの境目となっている。
■就業時間と管理職割合の関係
出典:山口一男(2013)「ホワイトカラー正社員の管理職割合の男女格差の決定要因 --女性であることの不当な社会的不利益と、その解消施策について」RIETI Discussion Paper Series 13-J-069
多くのビジネスがサービス経済化により、労働集約型から知識集約型へと業態転換をしている。これまでのように「長時間労働」を会社への貢献度とし、それを管理職への登用基準とし続けることにいかなる合理性があるのだろうか。
「長時間働いた人が管理職になる」という日本的雇用慣行は、「管理職への昇進を望まない女性の意識」と「柔軟な働き方に寛容でない職場風土」を助長する恐れがある。
そこで、まず管理職への登用基準を見直す必要があるだろう。管理職として価値を発揮できるかどうか、またそのポテンシャルがあるかないかという基準を設定し、社内に明示する。その上で、個人の「意識改革」と「働き方改革」を職場レベルで推進していくことが重要になるだろう。
※この記事は2015年3月に発行したHITO総研の「機関紙別冊HITO SPRING 真の女性活躍推進に向けて」でまとめた記事を再編集したものです。
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