公開日 2014/10/08
同一年齢男性の過半が仕事を離れる年齢が68~69才に達した現在、「70才現役社会」の到来は現実的である。高度成長時代は、55才定年制が一般的だった。よって40代は職業人生を締めくくる位置付けであった。しかし、(仮に20才から働き始めるとすると)70才まで働く社会では40代はまだ折り返し地点を過ぎたばかりに過ぎない。
そこで、職業経験が豊富な中高年層の社会人が成長分野に移動し活躍するためには、どういった適性・スキルに目を向ける必要があるのかを知るため、インテリジェンスHITO総合研究所(以下、HITO総研)では過去に、中高年の転職希望者にヒアリングを実施した。その結果から、転職に成功する人とそうでない人の違いは「ポータブルスキル認識」と「キャリア意識」の有無にあることが分かった。
この結果をふまえ、今回HITO総研では、こうした中高年のポータルスキルやキャリア意識に関する実態を明らかにすべく、「ビジネスパーソンのキャリア実態調査」を行った。
その結果、ポータブルスキルの実態を測る「能力」「専門性」をはじめ(下図参照)、キャリア意識の実態を測る「キャリア」と「仕事」それぞれの項目において、いずれも40代に落ち込みが見られた。レビンソンが「中年の危機」と指摘した通り、多くのビジネスパーソンにとって、40代は職業人生における「危機的時期」であることが明らかになった。
「自分のスキル(技能)を高める機会が与えられている」については、40~44才が一番低い。また「自分の仕事上の知識技能は転職しても役に立つ」も、社会人として間もない20~24才を除くと40~44才が一番低い。さらに「自分の能力を発揮するために働くこと」についても、社会人として間もない20~24才を除くと40代(40~44才、45~49才)が低くなった。
「高度な専門家との交流を通じて知識を深めようとしている」について社会人として間もない20~24才を除くと40代(40~44才、45~49才)が低くなっている。また、「より専門性の高い仕事が出来るようになった」「自分の専門分野の知識やスキルを高めていく」については40~44才が一番低い結果となった。
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