第9回・テレワークに関する調査
2024年7月のテレワーク実施率は22.6%、前年同期比で微増

22年から続いたダウントレンドが、2年ぶりに上昇に転じる

 株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:萱野博行)は、ポストコロナにおけるテレワークの実態について定量的に把握することを目的に2024年7月12日~16日に3万人規模の調査を実施し、結果を取りまとめたのでお知らせいたします。

 2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行してから約1年、企業活動や社会生活がコロナ前の日常に戻り、テレワークが多様な働き方の一つとして位置付けられる中、多くの企業が出社とテレワークとの最適なバランスについて模索しています。今回で9回目となる本調査では、最新のテレワークの実態とトレンドについて明らかにします。

 

主なトピックス

テレワーク実施率(正規雇用社員)

  1. 2024年7月のテレワーク実施率は22.6%で、前年同期比で微増。テレワークが定着する傾向を見せている。

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<企業規模別>

  1. 企業規模別に見ると、24年7月には企業規模10,000人以上の大手企業において、テレワーク実施率が38.2%で2年ぶりに上昇した(前年同期比2.8ポイント増加)。

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<企業方針>

  1. テレワークについての企業方針(従業員回答)は、63.5%が「特に会社からの指示は無い」。企業規模10,000人以上の会社のみ、「出社/テレワークの割合について、目標値が設定されている」が微増した。

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<業種別>

  1. 業種別にみると、情報通信業が変わらず56.2%で最上位。「学術研究,専門・技術サービス業」で前年より8.3ポイント増加。地域別には、関東圏が31.6%で最上位。近畿地方で1.1ポイント増加。

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<職種別>

  1. 職種別にみると、「コンサルタント」「IT系技術職」が高い。「建築・土木系技術職(施工管理・設計系)」が前年より6.8ポイント増加。Webクリエイティブ職が12.1ポイント減少。

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  1. 企業規模10,000人以上の大手企業に限定して、どの職種のテレワークが増加したのかを見た。テレワーク実施率は「商品開発・研究」「IT系技術職」「営業職(個人向け営業)」などで増加。テレワーク頻度は、「企画・マーケティング」 「IT系技術職」 「営業事務」などで1週間に2~3日以上のテレワーク実施者が増加した。

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<雇用形態別>

  1. 雇用形態別に見ると、パート・アルバイトが最もテレワーク実施率は低く、8.4%。昨年同期比では、公務員・団体職員が1.5ポイント微増。

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<非実施理由>

  1. テレワークを実施していない理由を聴取した。経年変化を見ると、「テレワークで行える業務ではない」が減り、「テレワーク制度が整備されていない」が上昇してきている。

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テレワークに関する就業意識

<テレワーク継続希望意向>

  1. テレワーク実施者に、今後のテレワーク希望を聴取した。「続けたい」計で80.9%と、ここ数年高止まりの状態が続いている。

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  1. 大手企業ほど、テレワーク継続希望率は高い。職種別には、「顧客サービス・サポート」「商品開発・研究」「IT系技術職」「その他専門職」といったスキルの希少性が高い職種が継続希望率が高い傾向が見られる。

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<困りごと・不安感>

  1. テレワークでの困りごと・不安感は以下。「運動不足を感じる」が1位。不安感は、「相手の気持ちがわかりにくく不安だ」が最上位となった。ともに調査開始時から上位に入っている項目。

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調査結果からの提言

パーソル総合研究所
上席主任研究員 小林 祐児

 パーソル総合研究所では、新型コロナウイルスの感染拡大以降、数万人規模のテレワーク実施率を測定してきた。今回の結果の特徴は、経済活動が回復した2022年から続いていたダウントレンドが2年ぶりに止まったことだ

 その動向を牽引したのは、大手企業のテレワーク復活である。それほど大きな差ではないが、1万人規模以上の企業においてテレワーク実施率が前年比で微増していた

 大手企業の職種別に分析すると、「商品開発・研究」「IT系技術職」「企画・マーケティング職」などでテレワークが増加していた。つまり、テレワーク回復を手伝ったのは、単純にヘッドカウントが足りないという「人手不足」ではなく、大手企業におけるスキルの希少性の高い戦略的職種における「人材不足」である可能性が高い。これらの職種ではテレワーク継続意向が非常に高くなっており、採用面の考慮としてテレワークを定着・増加させた企業が増えたことがうかがわれる。

 一方で、規模の小さい企業のテレワーク率は横ばいであり、企業間・職種間のテレワーク格差が広がる気配がある。コロナ禍で大きく変化してきた日本のテレワークだが、これからもこの傾向が続くのか、引き続き観察を続けたい。

 

※本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所」と明記してください。

※調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。
 URL:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/assets/telework-survey9.pdf

※報告書内の構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合があります。

調査概要

調査名称

パーソル総合研究所 「第九回・テレワークに関する調査」

調査内容

・テレワークの実態や意識の変遷を定量的に把握する。

・業種や職種、地域別といった属性別の違いを明らかにする。

調査対象者

[テレワーク実態について]

全国の就業者 20~59歳男女、勤務先従業員人数10人以上 

正規雇用 n=25,414  非正規雇用 n=5,517  公務員・団体職員 n=390

合計 n=31,321

※過去データと比較するため、主に正規雇用の従業員の数値を用いて分析。 

※正社員の調査結果の数値は国勢調査の正規の社員性年代別の構成比、過去調査の職種分布に合わせてウェイトバック処理。

※グラフ中のサンプル数はウェイトバック処理後のサンプル数。四捨五入処理の関係で、合計数値が異なる場合がある。

 [テレワーク時の意識について]  テレワーク実施者(正社員)=1,000

調査方法 調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
調査時期

2024年 7月12日 - 7月16日

実施主体 株式会社パーソル総合研究所

■【株式会社パーソル総合研究所】<https://rc.persol-group.co.jp/>について

 パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、人材開発・教育支援などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。

■【PERSOL(パーソル)】<https://www.persol-group.co.jp/>について

 パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
 人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、BPOや設計・開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開するほか、新領域における事業の探索・創造にも取り組み、アセスメントリクルーティングプラットフォーム「ミイダス」や、スキマバイトアプリ「シェアフル」などのサービスも提供しています。
 はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」 を実感できる社会を創造します。

問い合わせ先

株式会社パーソル総合研究所 広報
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