
高城 博之氏
30年以上にわたり製造業の現場・マネジメントに携わり、工場長、支店長、事業企画などを歴任。現場改善から経営戦略まで、実務に根ざした組織改革を実践してきた。中小企業診断士、MBA(経営管理修士)。EQ(感情知性)、人的資本経営(ISO30414)、経営心理を専門とし、「ひと起点の経営デザイナー」として、人と組織の力を引き出す経営の仕組みづくりに取り組む。EQを活用した組織改革では、エンゲージメント15%向上、離職率10%改善を実現。現場で実践できる「再現性のある経営改革」を強みとしている。
30年以上にわたり製造業の現場と経営に携わってきた高城氏。離職や採用難といった組織課題に向き合う中で、人を育てること、組織を変えることを体系的に学ぶ必要性を感じていました。『ATD認定プログラム』の全4コースで得た、研修を「教える側」ではなく「学習者」を主語に考える視点と、日々の実践からセカンドキャリアへと広がる変化を伺いました。
― 『ATD認定プログラム』を受講されたきっかけを教えてください。
大手メーカーに入社し、現在はグループ会社で約200名規模の組織のトップを務めています。ファーストキャリアを終えるにあたり、お世話になった皆さんに何か貢献できないかと考えていました。人を育てること、組織を変えていくことに向き合いたいと考えたのが出発点でした。とある会社で離職が止まらず、人もなかなか採れない状況を経験しました。個人に向き合うことはもちろん大切ですが、人が集まれば組織ができる。組織に目を向けることで、離職や採用の課題にも寄与できるのではないか。そう考えて本を読み進めるうちに、OD(組織開発)という考え方に出会いました。
一方で、思いだけでは周囲に伝わらないとも感じていました。自分流で伝えることには限界がある。より多くの人に届く伝え方を身につけるには、トレーニングやファシリテーションの標準的な考え方を学ぶ必要がある。そう考え、パーソル総合研究所の『ATD認定プログラム』を受講することにしました。
― 受講前は、どのようにファシリテーションをされていたのでしょうか?
当時は、見よう見まねで進めていました。研修を受ける立場や学生時代の経験を通じて、「この先生は進め方がうまい」「この先生は一方的に進めている印象だ」と感じたことを自分なりに吸収し、「この進め方を参考にしてみよう」と考えて登壇したことが何度かありました。
― 学習者に届いていないと感じたのは、どのような場面でしたか?
典型的だったのは、60分なら60分、1日なら1日、講師が話して終わるような研修です。受講者が一生懸命メモを取っても、3日経てば内容を思い出せなくなる。アイスブレイクもなく、講師主導のまま進行していく。研修に臨む目的や、終了時に目指す状態が不明確なまま時間が過ぎていく。今振り返ると、学習者の視点が十分ではなかったのだと思います。
― 4コースすべてを、1年間で受講されたのですね。
最初から「4コースすべてを受講したい」と決めていました。2025年度中に4コースをすべて修了するつもりでいました。受講順は、業務都合に合わせた結果、『ATDニーズアセスメント認定コース』、『ATDコンサルティングスキル認定コース』、『ATDトレーニング&ファシリテーション認定コース』、『ATDインストラクショナルデザイン認定コース』の順になりました。
― 他の講座と比較はされなかったのでしょうか?
はい。私にとっては、『ATD認定プログラム』以外は考えていませんでした。実際には、比較対象を十分に知っていたわけではありません。ただ、人材開発を世界標準で体系的に学べること、さらにそれを日本語で受講できることは、受講を決めるうえで大きな理由になりました。英語に苦手意識があった私にとって、日本語で受講できることは大きな安心材料でした。だからこそ、迷わず受講を決めることができました。
― 受講を通じて、ご自身の中で最も大きく変わったことは何でしたか?
一番大きく変わったのは、自分自身の意識です。受講前は、研修を進めるときの主語が「私」になっていました。それが『ATD認定プログラム』を受講したことで、「学習者」を主語に考えるようになりました。まさに『ATDトレーニング&ファシリテーション認定コース』で学んだ、学習者中心の学びです。主役は私ではない。当たり前のことのようで、以前の自分は十分に意識できていませんでした。私にとって、大きなパラダイムチェンジでした。
直近で登壇した際も、「学んだテクニックを披露しよう」と思った瞬間に、主語がまた「私」に戻ってしまう感覚がありました。そこで意識的に、「皆さんは」と受講者に主語を置き直しながら進めました。その意識の持ち方が、以前とは大きく違う点です。
― 学んだことを実践する機会はありましたか?
つい最近、社外の方に向けてEQをテーマに登壇する機会がありました。以前の私であれば、依頼内容に沿って資料を作り、一方的に話す形になっていたと思います。
今回は、依頼を受けた段階で、対象者や目的、参加者の理解度や課題を確認しました。『ATDニーズアセスメント認定コース』で学んだ視点を、自然に実践に活かすことができたと感じています。当日は、アイスブレイクから始め、受講者に学びたいことを問いかけながら進めました。さらに、グループワークやジグソー法も取り入れたことで、参加者の発言が自然と増え、以前よりも、受講者が主体的に参加している手応えがありました。
終了後には、初対面の受講者から「登壇経験が多いのですか」と声をかけていただきました。以前から私を知っている受講者からも「主体的に考えるきっかけになりますね」と言われ、学習者中心の設計が伝わったのだと感じました。
― うまくいかなかったこともありましたか?
一方で、時間配分や想定外の質問への対応には課題も残りました。実践を重ねながら、自分の進め方を振り返り、改善していく必要があると感じています。
― 特に印象に残っている学びや体験は何でしたか?
特に印象に残っているのは、『ATDトレーニング&ファシリテーション認定コース』での実演と、講師からのフィードバックです。社内で人前に立つ機会はあっても、立場上、率直に改善点を指摘してもらう機会は多くありません。だからこそ、プロのファシリテーターの視点で自分の進め方を見てもらえたことは、我流から抜け出す大きなきっかけになりました。
講師の丸さんからは、「途中で話を遮ってしまうことがありますよね」「早口になる場面がありますよね」といった指摘をいただきました。よかれと思っていた進め方が、プロの視点では改善点になる。その気づきは、自分の進め方を見直す大きなきっかけになりました。一方で、良かった点も具体的に伝えていただけたことで、自分の強みと課題を客観的に捉え直すことができました。
― 日々の業務でも、学びを活用されていますか?
日々の業務でも活用しています。例えば、『ATDニーズアセスメント認定コース』で学んだコンピテンシーとタスクを切り分ける視点は、研修計画を立てる場面でも役立ちました。「自社に必要なコンピテンシーは何か」を問い直すきっかけとなり、半年かけてコンピテンシーモデルを作成する取り組みにつながりました。
― セカンドキャリアにもつながっているのですね。
ファーストキャリアを終え、セカンドキャリアに踏み出すにあたり、研修ファシリテーターとして活動していくことを見据えています。現在は、EQの実践編や応用編のような研修を、どのように設計するかを考え始めています。そこで役立っているのが、『ATDインストラクショナルデザイン認定コース』で学んだ成人学習の視点です。4コースを一気通貫で受講したことで、コース同士の学びがつながり、社内外の実践にも落とし込みやすくなったと感じています。テキストやeBookは、今も折に触れて見返しています。
― このプログラムは、どのような方におすすめですか?
人材育成に携わっている方や、世界標準のスキルや知識を体系的に学びたい方に、ぜひおすすめしたいです。それに加えて、よい仲間と出会えることや、プロによる学びの場づくりを体感できることも、このプログラムの大きな価値だと思います。
― 受講を迷っている方には、どのような言葉をかけたいですか?
迷っているのであれば、ぜひ前向きに受講を検討してほしいです。受講しないことによる機会損失のほうが大きいと感じるほど、価値のあるプログラムだと思っています。実際に受講することで、自分に必要な学びや課題も、より具体的に見えてくるはずです。
私自身、このプログラムに出会っていなければ、今も我流のままだったと思います。だからこそ、このような学びの機会を得られたことに、心から感謝しています。
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文中の内容・肩書等はすべて取材当時のものです。
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ATDニーズアセスメント認定コースにつきましては、2026年度より開催の予定はございません。ニーズアセスメントの内容は、昨年度より新たに提供を開始しております、ATDインストラクショナルデザイン認定コース内で学ぶことができます
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