慶應義塾大学SFC研究所×パーソル総合研究所×民間企業による
「企業価値に資する人的資本経営コンソーシアム」を設立

 慶應義塾大学SFC研究所(神奈川県藤沢市、所長:飯盛 義徳/以下「SFC研究所」)と、株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:萱野 博行)は、ESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)、コーポレートファイナンス等を専門とする慶應義塾大学総合政策学部教授 保田隆明と、人的資本経営やジョブ型雇用を専門とする株式会社パーソル総合研究所の上席主任研究員 佐々木聡を共同座長として、参加予定企業12社(2023年6月1日現在)と共同で日本企業における人的資本経営の実現を通じた企業価値向上を目的とした、産学連携の研究組織「企業価値に資する人的資本経営コンソーシアム」を発足させました。

 とくにESGが企業経営に与える影響と、それを投資家がどのように評価するかを中心に、事例分析と実証分析を通じて明らかにしていきます。近年実務現場から引き合いの強い人的資本経営について重点的に研究することで、企業において大きな経営上の課題となっているESGへの取り組みについての最適解を提示します。また、海外の状況を勘案しても、ESG活動の主体は将来を担うZ世代が中心となっていることも多いため、産学で連携することにより、現役の大学生、大学院生の目線を積極的に研究活動に取り入れ、企業へ積極的に働きかけます。

 

主な研究テーマ

  1. 企業の人的資本経営・ESG経営を支える財務戦略と株式市場からの評価について
  2. ESGを軸とした事業ポートフォリオと人材ポートフォリオの構築に関して
  3. 人的資本経営・ESG経営を実現するための組織づくりについて、それぞれの事例研究と実証分析

 

参加予定企業

 株式会社学研ホールディングス、サッポロホールディングス株式会社、株式会社商工組合中央金庫、株式会社電通、ナブテスコ株式会社、日興アセットマネジメント株式会社、株式会社ポーラ、松井証券株式会社、ラザード・ジャパン・アセット・マネージメント株式会社、株式会社ワールド(50音順)など、合計12社を予定しております。

 

研究活動計画の概要

【1】企業の人的資本経営・ESG経営を支える財務戦略と株式市場からの評価について

 人的資本・ESG領域における非財務情報の開示のあり方、投資家をはじめとするステークホルダー(主に資金提供者)とのコミュニケーション方法、消費者(特に潜在顧客)へのメッセージ発信やアプローチ手法に関して、既出のアカデミックリサーチと企業における取り組みの事例研究の蓄積を行います。

 

【2】ESGを軸とした事業ポートフォリオと人材ポートフォリオの構築に関して

 事業会社の立場ではサステナビリティ(環境負荷軽減、CO2排出量削減、循環型経済志向等)、人的資本経営(ワークライフバランス改善、リスキリング、ダイバーシティ&インクルージョン等)の分野において課題と対策が求められており、アカデミアの研究をレビューした後に、国内外の企業の組織づくりと組織変革の事例を積み上げていきます。

 

【3】人的資本経営ESGを実現するための組織づくりについて、それぞれの事例研究と実証分析

 企業の中には、人的資本経営を標榜していないものの好業績をあげている企業が少なからず存在します。そこでは言語化は行われていないものの、実態としては人的資本経営が実践されているケースが存在すると想像され、そのような現場では当たり前となっている非認知、非言語な人的資本経営の認知化、言語化を主にインタビュー調査をもとに解き明かします。

 

企画・運営する大学・企業の概要

■【慶應義塾大学SFC研究所】<https://www.kri.sfc.keio.ac.jp/>について

 慶應義塾大学SFC研究所は、慶應義塾大学 大学院 政策・メデイア研究科、健康マネジメント研究科、総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部の附属研究所として、1996年7月の発足以来21世紀の先端的研究をリードしてきました。

■【株式会社パーソル総合研究所】<https://rc.persol-group.co.jp/>について

 パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、人材開発・教育支援などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。

 

座長プロフィールおよびコメント

■慶應義塾大学 総合政策学部 教授 保田隆明(ほうだ たかあき):コーポレートファイナンス、ESG

 外資系投資銀行勤務後にSNS運営会社を起業。同社売却後、神戸大学大学院経営学研究科教授等を経て、2022年4月から現職。2019年8月より2年弱スタンフォード大学客員研究員としてシリコンバレーに滞在し、ESGを通じた企業変革について研究。上場企業の社外取締役も兼任。主な著書に 『ESG財務戦略』、『コーポレートファイナンス 戦略と実践』、関連共著論文に「非財務情報とESGスコアの関係性―トピックモデルによる実証分析」等。博士(商学)早稲田大学。

“企業価値向上には、連続的に事業ポートフォリオを次世代型にしていく必要があり、積極的な事業投資(財務戦略)とそれを担う人材・組織(人的資本経営)が必要です。本研究会では産学連携および学際的アプローチで実務的示唆を導出します”

■株式会社パーソル総合研究所 上席主任研究員 佐々木聡

 リクルート入社後、人事考課制度、マネジメント強化、組織変革に関するコンサルテーション、HCMに関する新規事業に携わった後、ヘイ コンサルティング グループ(現:コーン・フェリー)において次世代リーダー選抜、育成やメソッド開発を中心に人材開発領域ビジネスの事業責任者を経て、2013年7月より、パーソル総合研究所 執行役員 コンサルティング事業本部 本部長を務める。2020年4月より現職。また立教大学大学院 客員教授としても活動。

“人的資本経営の要諦である「経営戦略と人材戦略の連動」、あるいは独自性ある人的資本情報の開示など、本研究会では機関投資家の視点も取り入れながら参加企業と実践的な取り組みを行なっていきます”

 

問い合わせ先

慶應義塾大学SFC研究所 企業価値に資する人的資本経営コンソーシアム事務局
TEL:0466-49-3465 / MAIL:capital@sfc.keio.ac.jp

株式会社パーソル総合研究所 広報
TEL:03-6385-6888 / MAIL:

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