システム思考とは、問題の見えている部分を近視眼的に捉えるのではなく、複雑な状況下で変化にもっとも影響を与える構造を見極め、様々な要因のつながりと相互作用を理解することで、真の変化を創り出すためのアプローチです。「個別最適でなく、全体最適で考える」「より本質的な問題解決を考える」「多様なステークホルダーと共創的なコミュニケーションを図る」ことが求められるビジネスリーダーに、いま最も必要な視点を提供します。
受講対象者
人の心理や人間関係、組織、市場、社会、自然環境などはすべからく、さまざまな要素が複雑に絡みあう「システム」です。この複雑なシステムを概念化するのに有用なのが「システム思考」です。
氷山の一角のたとえのように、目の前に見えている問題は全体のごく一部に過ぎません。得てして私たちは、目に見えやすい部分に踊らされがちです。本質的な問題解決には、状況を俯瞰して大局の流れを掴み、その流れを生み出す構造そのものに着眼し、戦略的・創造的な変化を生み出すことが求められます。
しかし、全体像を把握して全体最適を図るのは容易なことではありません。とりわけ、自分自身の思考の前提や枠組み(メンタル・モデル)が盲点となってそうしたものごとの根本を見ることを妨げます。
この研修では、大局を俯瞰する視点や、心の奥底にあるメンタルモデルを見つめる視点を身につけ、また具体的な現実・事象を概念化するためのツールを習得し、知識の創造とその共有の効果を高めます。研修には、基本的なスキルを学ぶベーシック編と、より上級の手法を学ぶアドバンス編があります。
有限会社チェンジ・エージェント 代表取締役社長 兼 CEO
小田 理一郎
Riichiro Oda
米国オレゴン大学経営大学院経営学修士(MBA)修了。多国籍企業で10年間、製品責任者・経営企画室長として、営業、生産、サプライ・チェーン、開発などさまざまな分野で業務・組織変革の実践に取り組む。2002年、企業の社会的使命の追求と非営利組織マネジメントの強化のためのコンサルティング提供のため独立、その後米国で法人化。2005年には、日本で有限会社チェンジ・エージェントを設立。人材育成、組織開発、チェンジ・マネジメントのための研修、コンサルティング、ファシリテーション、講演、執筆に従事している。
主な著書に『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』(東洋経済新報社)主な訳書にジョン・スターマン著『システム思考―複雑な問題の解決技法』(東洋経済新報社)、ピーター・センゲ著『学習する組織―システム思考で未来を創造する』(英治出版)などがある。