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定期異動はキャリア形成中心に

アサヒ飲料株式会社様

人事異動は人材育成、中期的なキャリア形成を主目的として策定、実施
年2回の定期異動で社員の約2割、600名が異動

「人材育成を主目的として人事ローテーションを行っている」と言い切れる会社は一体どれくらいあるだろうか。
その重要性を十分承知していても、実際には、直近の短期的な事業要請に応えるための人事ローテーションに追われ、育成を主目的とするものにまで手が回らない、あるいは、特別な人材プールにエントリーされたほんの一握りの人材だけが育成ローテーションの対象になっているという会社がほとんどではないだろうか。
しかし、アサヒ飲料株式会社は違う。

「当社の人事ローテーションは、人材育成、中期的なキャリア形成を第一の目的としています。もちろん事業部門からは組織改編にともなう要員体制整備や育児・介護などの個人事情による異動など、さまざまなニーズに基づくローテーションプランが出てきます。人事総務部では、登用やキャリアアップなど、人材育成に焦点を当てたポジティブニーズによるローテーションプランを考え、その両者をすり合わせて毎年の人事異動を行っています」

そう語るのは、同社の人事業務を統括する人事総務部人事グループ グループリーダーの高田淳吾氏だ。

アサヒ飲料 高田淳吾氏の写真01

アサヒ飲料株式会社
人事総務部人事グループ グループリーダー
高田 淳吾氏

毎年4月と9月に行われる定期異動では年間約600名が異動し、そこには必ず人材育成を主目的とした人事ローテーションが組み込まれている。機動的な事業運営のために人事異動を毎月行う企業も多いが、ややもすると場当たり的になりがちとの見方も否めない。計画的人材育成という観点では、定期異動に分がありそうだ。

アサヒ飲料の定期異動は9月がメインで、それに向けたスケジュールは、毎年5月に社員各人がキャリアデザインシートを作成し上司と面談、6~7月に各事業部門と人事総務部が人事ローテーション案をすり合わせ、8月に異動内示という流れになる。

「2か月間で9支社、5工場、3研究所、本社各部門とすり合わせを行いますが、そのための人材データはHITO-Talentに集約されていて、HITO-Talentは人事ローテーションに必須のツールになっています」

多様化する人材のキャリア形成を一貫してマネジメントするための人材データとは

複数システムに散在する人材データをHITO-Talentに一元化し、各人の育成構想を立案
システム自動連携、データアップロード、直接入力を使い分けてデータを蓄積

「経営環境も今後永続的にこれまでのように右肩上がりというわけにはいかず、必要とされる人材像も変化してきています。これまでは基本的に人物評価と『汎用力』に優れた方を新卒採用し、幅広い領域の業務を経験しながらゼネラリストとして将来の経営人材に向けて人事ローテーションを通じて育成していくスタイルでしたが、特にITデジタルやサプライチェーンなどの分野では高度な専門知識を持つスペシャリストが不可欠になっています。人材像の多様化に合わせて、採用、育成のやり方も多様化させていく必要があり、その時に、人材情報がバラバラの状態では多様な人材のキャリア形成を一貫してマネジメントすることは難しいと考えています」

現在、HITO-Talentには異動、昇進昇格などの発令情報、人事考課情報、360度フィードバック情報、適性検査情報、教育研修情報などの情報に加えて、本人による直近および中長期のキャリアデザイン情報、さらに、人物像(スキル、マインド)、上司から見た適性領域、次のキャリアイメージ、配慮事情、人事スタッフによるヒアリング情報など、実に多くのデータが格納されており、これらを総合して育成ローテーションプランが策定されている。

タレントマネジメントシステムの最も基本的な機能は人材情報の一元化だ。大企業であればあるほど、人事データの種類も人事関連のシステムやツールの種類も多い。
アサヒ飲料でも人事給与の基本情報を扱うERPシステム、勤怠管理パッケージ、目標管理やキャリアデザインを運用するスクラッチのシステム、eラーニングのシステム、健康増進のためのウオーキングキャンペーンなどに使っている健康管理のシステム、採用系のシステム、アサヒグループ共通で運用している社員意識調査など、さまざまなシステムが使われている。このほかにも人材データとしては営業管理のシステムにある各人の営業実績やaccess、Excelで管理されているものなど、一元化したいデータは枚挙にいとまない。
HITO-Talentにデータを一元化しアップデートしていく方法は、大別して、システム間の自動連携、データアップロード、直接入力の3通りだ。

アサヒ飲料では人事給与の基本情報を扱うERPとHITO-Talentを繋ぐインターフェースを構築し、自動連携させている。勤怠情報は給与計算のためにERPに連携されているので、こちらも自動的にHITO-Talentに取り込まれ、日々更新される。目標管理やキャリアデザインなどのようにデータ入力・更新頻度が年に数回程度で、ERPに格納されていないものについては、それらのイベントごとにデータをまとめてアップロードする。そして、人事スタッフによるヒアリング情報や育成構想などはHITO-Talent上に直接入力というように、データの種類性質、更新頻度に応じてアップデート方法を使い分けている。これらは、HITO-Talentへのデータ登録、更新の方法として標準的なものだ。

また、アサヒ飲料では同社向けに作り込んだスクラッチのシステムで目標管理やキャリアデザインを運用し、その結果をHITO-Talentに取り込むという使い方だが、それらだけでなく社員意識調査や360度フィードバック、その他各種アンケートを含め、HITO-Talent上で直接、運用を行い、自動的にそれらのデータを蓄積していくこともできる。スクラッチのシステムは自社向けに作り込んでいるだけに自社の制度や運用に最適化されているというメリットもあるが、その一方で、制度変更やブラウザのバージョンアップ等にともなう改修などシステム維持の手間とコストが大きい。これらの運用をHITO-Talentに集約すると、システムメンテナンスコストが下がるだけでなく、各制度の運用を有機的に連動させやすくなるため、タレントマネジメントそのもののブラッシュアップに向けた有力な選択肢になる。

「100年のワクワクと笑顔を」マテリアリティの掛け合わせで実現するために

アサヒ飲料のDNAは新しいものを「つなげる力」
経営戦略上の要請を、マテリアリティの選択を通じて社員全員が目標管理で具体化

アサヒ飲料は、三ツ矢サイダー、カルピス、ウィルキンソンといった100年以上続いているブランドを複数擁し、ワンダ、十六茶、おいしい水等々、約600種に及ぶお馴染みの商品を展開。人びとの暮らしが心身ともに健康で環境にもよいものになるように、社会との共有価値(CSV)として「100年のワクワクと笑顔を」を掲げている。このCSVの実現を5つのマテリアリティの掛け合わせで推進していこうとしている。

「アサヒ飲料はこれまでもいろいろものを「つなげる力」で成長してきた会社です、「カルピス」や「おいしい水」、「六条麦茶」などのブランドを始め、ブランドだけでなく社員や文化もうまく融合することで強くなってきたと思います。アサヒ飲料ビジョンでは『つなげる力』と言っていますが、これがアサヒ飲料のDNAだと思います。経営戦略上もこのDNAを活かして5つのマテリアリティを掛け合わせる、つまり、つなげることを重視しており、目標管理もその考え方を打ち出しています」

アサヒ飲料 高田淳吾氏の写真02

アサヒ飲料株式会社
人事総務部人事グループ グループリーダー
高田 淳吾氏

CSV(Creating Shared Value)とは「企業が環境や社会課題に取り組むことを通じて、社会的価値と経済的価値を創造すること」、マテリアリティとは「事業活動が経済・社会・環境に与える影響の大きさや、社会からの要請などを考慮し、自社にとって特に重要だと位置づけている課題」をいう。

アサヒ飲料はマテリアリティとして、健康、環境、コミュニティパートナーシップ、食育、サプライチェーンマネジメントの5つを掲げており、「健康」では体脂肪を減らす「カラダカルピス」や社員の健康チャレンジなど、「環境」では「容器包装2030」やラベルレス商品など、「コミュニティパートナーシップ」では全国の子ども食堂×三ツ矢・カルピスなど、さまざまな取り組みを行っている。そしてさらに、健康×環境、コミュニティパートナーシップ×食育といったマテリアリティの掛け合わせを推進していこうとしている。

「この経営戦略上の要請がそのまま社員の目標管理に繋がっています。社員全員が、5つのマテリアリティの中から2つを選んで目標設定する仕組みになっています」

各人がどのマテリアリティを選択し業務に取り組んでいるか、現段階では社員とマテリアリティの紐づけを明確に行っているわけではないとのことだが、将来に向けては、戦略的ローテーション、育成ローテーション検討の大きな要素になっていきそうだ。

社員のさらなる笑顔と成長に向けてHITO-Talentの活用を

働き方改革では具体策につながる定性目標を重視し、所定労働時間を15分短縮
社員重視、人材育成重視の風土はアサヒビールと共通

目標管理では、社員全員が前掲のマテリアリティ2項目のほかにもう一つ目標を設定することになっている。それは「働き方改革」に関する目標だ。
アサヒ飲料は働き方改革にも熱心に取り組んでおり、2018年度はリモートワーク、テレワークのための制度や環境を整備、そこから1年をかけて社内意識改革を進め、2019年10月にはそれらの取り組みを踏まえて所定労働時間を15分短縮と、着実に成果を上げている。

「働き方改革の推進については、定量目標ではなく定性目標を重視しています。どうやって生産性を上げて時間を捻出するのか、捻出した時間を何のためにどのように活用するのか、それを明確にして目標化することが大切だと思っています」

たとえば生産性の向上については、直行直帰の有効活用やノーミーティングデーの設置などが目標化されているそうだ。ノーミーティングデーは、人事総務部は毎週水曜日、地方拠点で単身赴任者がいるような営業拠点では週末帰宅に配慮して金曜に設定したりしているという。

社員とのコミュニケーションを重視する風土など、アサヒ飲料はアサヒビール株式会社との共通項も多い。分厚い人材データの蓄積、キャリアデザインや人事による育成重視の人事ローテーションプラン策定など、細部は異なるものの基本的な考え方は共通している。離職率1%未満もアサヒビールと共通だ。

最後に高田氏の仕事のやりがいについてお尋ねした。

アサヒ飲料様

「事業としては飲料という身近な商品を扱っていますから、自分たちの仕事が広く世の中に届いているという喜びがあります。直接の担当業務としては、総務から始まり、マーケティング、マーチャンダイジング、人事と経験してきました。マーケティングが長いのですが、どの仕事も面白く、今は採用なり人事異動なりで何らか自分と関りがあった方々が『ワクワク』感をもって働いているなぁと感じる時、成長したなぁと感じる時が一番うれしいですね。そう思える機会を増やしていくためにも、今後はHITO-Talentの活用場面がさらに増えそうです」

どうやら「つなげる力」とともに「人材育成への関心」もアサヒ飲料のDNAのようだ。


アサヒ飲料様ロゴ画像

アサヒ飲料株式会社
業種:製造・販売/設立:1882年/事業内容:各種飲料水の製造、販売、自動販売機のオペレート、その他関連業務

アサヒ飲料株式会社は、「三ツ矢サイダー」「カルピス」「ウィルキンソン」「十六茶」「ワンダ」「おいしい水」など、600種以上のブランドを国内外において販売する総合飲料メーカーです。https://www.asahiinryo.co.jp/index.psp.html

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