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2015.07.07

今こそ、企業の包容力(2) 包容力はどう持てばいいのか

包容力はどう持てばいいのか

90年代後半から日本に入ってきた成果主義はもしかしたら、曲りうねりながら育つ人を切り捨ててしまったかもしれない。しかしながら、キャリアで回り道をした人にこそ「仕事の本質を見抜く」力がある。そのような人が、腰を据えて、覚悟をもって、仕事に臨めるように、今こそ企業は包容力を持つべきではないか。前号ではそんな提起をさせていただいた。

では、企業はどのようにして、包容力を持てばいいのだろうか。

「企業は、失われた10年に成果主義を入れ、コストカットを進めた」と言われることがある。確かに成果主義の中で企業や人事は、「なぜ給与が下がるのか」「なぜ昇格しなかったのか」を説明することにパワーを割かざるを得なかった。評価判断は公平で透明な唯一の尺度のように扱われ、短期業績を積み上げられる人材が上に引き上げられていく。不器用な者や、ムラがあるような者が上層部に上がってこなくなってしまった。そして皮肉なことに、今頃になって「創造性のある人材」「変革人材」「考える力を持った人材」を猫も杓子も探している。

そのような中、企業が変えられることは何か。答えはシンプルだ。それは、人材マネジメントを等級・評価・報酬の小さな三角形で回す小さな世界だけで捉えず、もっと長期軸のキャリア開発の視点で評価する場を設けることである。短期業績評価は短期業績で評価をし、キャリア開発はキャリア開発の状況について振り返らせる。部下のよくやっているところを上司は存分に魅いだしてやり、部下はそれを励みに新しい挑戦や、時間のかかる取り組みに覚悟をもって取り組む。体制を整え、従業員に「視界を上げるよう」「覚悟するよう」発信するのは企業の仕事だ。

人材マネジメントの視界を広げる_500

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