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タレントマネジメント

タレントマネジメント3

知識社会化、サービス経済化、人材の多様化などによって1人ひとりの才能(能力)を最大限活かし、さらに個々の能力を組織の力につなげることがカギとなっています。では、タレントマネジメントの実践にはどのような視点が必要なのでしょうか?

- フォーラム
【第2回HITOフォーラム「タレントマネジメントの未来」】
<第2部まとめ> タレント(才能)を高めるためにビジネスパーソンはどう取り組むべきか ②

2012.05.18

一人前以降もタレントを高めるにあたって、アンラーニングの重要性をお伝えしました。
では、企業の中でアンラーニングを起こすにはどのようにすれば良いのでしょうか?そもそも企業内でアンラーニングを起こすことは可能なのでしょうか?
会場からの質問に対して展開されたディスカッションを中心にお伝えいたします。

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Q1.「越境学習は非常に重要だと思います。しかし企業内で越境学習を実践するにはどのようにすれば良いでしょうか?」

hito_forum2_pt2_2_01企業内における越境学習の実践について、長岡先生から「基本的には不可能ではないか?」という見解が示されまし
た。旧来のマネジメントは、”市場はコントロール不能、組織はコントロール可能”を原則としており、人事施策も”コントロール可能な組織”を前提としています。しかし、もはや組織がコントロール不能となっている中で、人事が企業内でコントロールしようとすること自体に無理があるためです。

これに対し石山氏や高津氏は社内での実践も可能だと反論。
石山氏からはワールドカフェやクロスファンクショナルチームの例が紹介され、企業内で越境学習を実践する可能性が提示されました。高津氏はグローバル経営という視点から「例えば、本社でブランドマネジメントをしていた人が、今度は中国拠点にいって逆にブランドマネジメントをされる側に立つ。これは、本社・現地の両方の視点を持つ人材になるための良い越境体験」と回答されました。
「社内にも色んな価値観を持った共同体があり、共同体間の壁を打ち崩すことも人事の仕事」(石山氏)だと言えます。

しかし、単に共同体間をまたぐことが越境学習になるのでしょうか?

議論の中で出てきたのはブローカーの重要性です。高津氏は「ブローカーの意義は、共同体間に価値をもたらすことにある。しかし現実には、単に本社のエージェントとして現地法人に入っているケースが多く、ブローカーとしての役割を果たせていないのではないか」と主張。須東も「果たすべき役割は本人自らが見出すもの。待ちの姿勢から脱却し、自らの果たすべき役割を求めて既存の組織の枠組みを飛び出す経験が求められているのではないか?」と疑問を投げかけました。

では、どのようにすればブローカーになれるのでしょうか?ブローカーとは先天的な資質や文化的背景によって規定されているのでしょうか?小林氏は様々な国の学生を見た経験から「民族性や文化的背景は関係なく、しっかりとしたトレーナーがいるかどうかがポイント」だとされ、長岡先生や石山氏からも「制度よりも慣れが重要だ」といった意見が出ました。
「“一人前になるまでは修行で、外に出さない”という古い考えを捨て、若いうちから越境体験をさせること」(長岡先生)や「若いうちからリスクをとってチャレンジさせること」(須東)こそが必要だといえます。

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Q2. 「様々な体験を活かし、既存の枠組みを脱却するためにはどのようにすれば良いでしょうか?」

hito_forum2_pt2_2_02枠組みを超えるためには、まず今自分が囚われている枠組みを認識することが必要です。ディスカッションでは「外部勉強会など他社との交流を通し、自分の立ち位置を知ること」(石山氏)や「無理にでも多様性を感じる場に身を置くこと」(小林氏)、「自らの交友関係や興味領域などを省みて、いかに偏っているかに気づくこと」(高津氏)といった方法が紹介されました。

ただ、外部との対話などの際に注意すべきこととして、「カタルシスを感じるだけで終わらないこと」(長岡先生)が挙げられます。カタルシスとは日常生活の中で抑圧されていた感情を解放することで、「対話によって一時的に心を満たし、そしてまた辛い日常に戻るのであれば、枠組みは全く変わっていない。単なるガス抜きをしているだけ」(長岡先生)にすぎません。「大事なのは、自分のなかに違和感を見つけること。カタルシスを感じるということは、逆に自分の枠組みを堅持しようとしていると思ったほうが良い」(長岡先生)といった見方を示されました。

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Q3.「企業のなかで新たな原体験を積ませる方法は他部門へのローテーションやクロスファンクショナルチーム以外に何がありますか?」

アンラーニングが必要な場面は日常にもあるとして、高津氏から「例えば営業が営業部長になるとき、” 自ら売る”という成功体験を捨てなければ”他の人に売ってもらう”ことを学習できない。果たすべき役割の変化について気付きを促すことは企業にもサポートできるのではないか。」と回答されました。また、新たな原体験を積ませるにあたり、いきなりビジネスをやらせることがリスクが高いのであればビジネススクールやNPO活動なども効果的ではないかといった意見も出ました。

一方で、こうした企業のサポートはイノベーター気質を持つハイポテンシャル層にも当てはまるのでしょうか?
この問いについては、第1部のパネリストの方々が回答されました。資生堂のアキレス氏は「高い期待値を示したり、未知のものを示すことで彼ら彼女らは果敢に挑んでいく。むしろ上司が常に先回りをして提示し続けていくことが必要」と主張。サイバーエージェントの曽山氏からも「どんどん大きな”決断経験値”を積ませたり、失敗を恐れず大きなチャレンジを積ませていく」ことが新たな原体験の獲得につながると主張されました。

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激しい環境変化に対応できるタレント(才能)人材をもコントロールしようという古いマインドに人事が囚われている限り、どんな制度や運用があってもうまくいきません。「人事自身が古い枠組みを捨てて、新たなマインドやビジョンを持てるか?」(長岡先生)こそが人事には問われています。

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